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量子ドット(Qdot)-ナノゲル複合体の調製

国内特許コード P100001130
掲載日 2010年11月4日
出願番号 特願2004-333223
公開番号 特開2006-143808
登録番号 特許第4550555号
出願日 平成16年11月17日(2004.11.17)
公開日 平成18年6月8日(2006.6.8)
登録日 平成22年7月16日(2010.7.16)
発明者
  • 秋吉 一成
  • 平野 隆
  • 長谷川 麗
出願人
  • 学校法人東京医科歯科大学
  • 独立行政法人産業技術総合研究所
発明の名称 量子ドット(Qdot)-ナノゲル複合体の調製
発明の概要

【課題】量子ドット(Qdot)のコロイド安定性の向上、細胞内移行性の向上を達成する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、疎水化高分子からなるナノゲル(疎水化多糖ナノゲル)と量子ドット(Qdot)を共存させ、量子ドットをナノゲル内に取り込むことを特徴とする量子ドット-ナノゲル複合体の調製方法、量子ドット-ナノゲル複合体の制御方法、量子ドット-ナノゲル複合体の動物細胞への取り込み率の制御方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


量子ドット(Qdot)とは、粒径のサイズによって蛍光波長が異なるという特徴を有する直径数nmの半導体素材からなる公知のナノクリスタルである(非特許文献1)。量子ドットには、蛍光色素として、CdSe(セレン化カドミウム)、CdTe(テルル化カドミウム)といった半導体素材が使用されている。量子ドットは、従来の蛍光色素と比較して卓越した光安定性を有し、長時間の検出が可能であり、きわめて明るい蛍光を有し、検出波長の分布がシャープである。さらに、全ての色を一つの光源で励起可能であり、光学顕微鏡における細胞観察等に適している。近年、量子ドットを、細胞内機能を調べるための新しいプローブとして利用しようとする研究が進められている。例えば、抗体付き量子ドットは、GFPタンパク質に変わる細胞内挙動の可視化プローブとして期待されている。



一方で、ナノ微粒子とゲルの特性を併せ持つナノメーターサイズ(特に100nm以下)の高分子ゲル微粒子(ナノゲル)は、特にドラッグデリバリーシステムやナノテクノロジー分野で注目されるようになってきた。一般に化学架橋ナノゲルはマイクロエマルション重合法や高分子分子内での架橋反応により合成されてきた。本発明者らは、疎水化高分子の自己組織化による物理架橋ナノゲルの新規な調製法を報告した(非特許文献2)。すなわち、比較的疎水性の高い疎水基(コレステロール基)を部分的に導入した水溶性多糖類が、希薄水溶液中で自己組織的に会合し、疎水基の会合領域を架橋点とする単分散なナノゲルを形成することを見出した。発明者らの知る限り、物理架橋点を有する50nm以下のサイズの揃ったナノゲルとしては、初めての報告であった。



通常のナノ微粒子は、その表面の特性を利用した研究がほとんどであるが、ナノゲルはさらにその内部の空間に疎水性の薬物やタンパク質といった物質を取り込めるスペースを有することが最大の特色である。コレステロール置換プルラン(CHP)のナノゲルは、タンパク質と選択的に相互作用するホストとして機能し、ドラッグデリバリーシステムのキャリアーとして有効であることを報告している。さらに、ナノゲルはシクロデキストリンの添加により崩壊し、取り込んだ物質を放出することが可能である。



また、第2の利点は物理架橋点を有することから、架橋構造の動的構造制御が可能であることである。疎水基の構造を変えることでゲルネットワークの動的特性を制御しえることやシクロデキストリンとのホストーゲスト相互作用を利用することで、ナノゲルの生成と崩壊を動的に制御しえる。この性質を利用して、変性タンパク質の取り込みと放出を制御した人工分子シャペロンの開発に成功している。

【非特許文献1】Watson A. et. al., (2003) Bio Techniques, 34(2), 296-303

【非特許文献2】Akiyoshi K. et. al.,(1993) J.Macromolecules, 26, 3062

【非特許文献3】Brycgezm MP. et. al., (1998) Science,281(5385), 2013-2016

【非特許文献4】Chan WC. et. al., (1998) Science, 281(5385), 2016-2018

【非特許文献5】Rosenthal SJ. et. al., (2002) Journal of the American Chemical Society, 124(17),4586-4594

【非特許文献6】Akerman ME. et. al., (2002)Proceedings of the National Academy of Sciences, 99(20), 12617-12621

【非特許文献7】Dubertret B. et. al.,(2002) Science,298(5599), 1759-1762

【非特許文献8】Wu X.et. al., (2003) Nature Biotechnology, 21(1), 41-46

【非特許文献9】Jaiswal J et. al., (2003) NatureBiotechnology, 21(1), 47-51

産業上の利用分野


本発明は、疎水化多糖ナノゲルと量子ドット(Qdot)の複合体の調製法、及びその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
コレステロール置換プルラン(CHP)からなるナノゲルと量子ドット(Qdot)を共存させ、量子ドットをナノゲルに取り込むことを特徴とする量子ドット-ナノゲル複合体の調製方法。

【請求項2】
ナノゲルが粒径(直径)5~200nmである、請求項1に記載の調製方法。

【請求項3】
ナノゲルが糖鎖に官能基を導入したナノゲルである、請求項1又は2に記載の調製方法。

【請求項4】
ナノゲルが糖鎖に正電荷を有する官能基を導入したナノゲルである、請求項3に記載の調製方法。

【請求項5】
官能基がアミノ基である、請求項4に記載の調製方法。

【請求項6】
量子ドット(Qdot)が表面にタンパク質が結合している量子ドットである、請求項1~5のいずれか一に記載の調製方法。

【請求項7】
請求項1~6のいずれか一に記載の調製方法によって調製された量子ドット(Qdot)-ナノゲル複合体。

【請求項8】
シクロデキストリンの添加により請求項7に記載の量子ドット(Qdot)-ナノゲル複合体からの量子ドットの解離を制御する方法。

【請求項9】
ナノゲルの正電荷の大きさを制御することにより、請求項7に記載の量子ドット(Qdot)-ナノゲル複合体の動物細胞への取り込み率を制御する方法。

【請求項10】
アミノ基の導入率によりナノゲルの正電荷の大きさを制御する、請求項9に記載の方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • その他機械要素
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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