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筋特異的チロシンキナーゼの活性を制御するポリペプチドをコードするDNA 外国出願あり

国内特許コード P100001136
掲載日 2010年11月4日
出願番号 特願2008-520460
登録番号 特許第5339246号
出願日 平成19年4月26日(2007.4.26)
登録日 平成25年8月16日(2013.8.16)
国際出願番号 JP2007059050
国際公開番号 WO2007141971
国際出願日 平成19年4月26日(2007.4.26)
国際公開日 平成19年12月13日(2007.12.13)
優先権データ
  • 特願2006-158987 (2006.6.7) JP
発明者
  • 山梨 裕司
  • 樋口 理
  • 岡田 久未子
  • 井上 茜
出願人
  • 国立大学法人 東京医科歯科大学
発明の名称 筋特異的チロシンキナーゼの活性を制御するポリペプチドをコードするDNA 外国出願あり
発明の概要

本発明は、筋特異的チロシンキナーゼの活性化を制御できるポリペプチドをコードするDNA等を提供する。DNAを、(a)特定の塩基配列を有するDNA、(b)特定の塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズできる塩基配列を有するDNA、(c)特定のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA、(d)特定の塩基配列と90%以上の相同性を有する塩基配列からなるDNA、のいずれかとする。

従来技術、競合技術の概要


運動神経末端と筋が接合してなる神経筋接合部位(以下、「NMJ」とも称する)は、運動神経による、例えば神経伝達物質アセチルコリンを介した骨格筋の制御に不可欠なシナプスである。骨格筋の制御が適切に行われるためには、神経筋接合部位のシナプス後領域において、アセチルコリン受容体(以下、「AChR」とも称する)が密集してなる高密度部位(以下、「クラスター」とも称する)が形成される必要がある。アセチルコリン受容体の高密度部位が正常に形成されなかった場合、先天性筋無力症候群や重症筋無力症等の神経筋伝達障害が発生することが分かっている(非特許文献1、2参照)。



運動神経末端は、筋特異的チロシンキナーゼであるMuSKを活性化するため、糖タンパク質アグリンを分泌することが報告されている(非特許文献3参照)。そして、アグリン依存的に起こるMuSKの活性化が、アセチルコリン受容体の高密度部位を含めたシナプス後構造を形成し、維持するために不可欠であることが報告された(非特許文献4、5参照)。



しかし、筋が神経支配を受ける前であっても、AChR高密度部位は、神経及びアグリンに非依存的に、且つ、MuSK依存的に、筋管の終板付近に形成されることが発見された。この発見は、発達の初期段階における筋由来の機構により、AChR高密度部位が形成されることを示唆する(非特許文献6~8参照)。



また、アセチルコリンの産生能を失うことによって、AChRの密集に対する神経伝達依存的な阻害作用を排除したマウスにおいては、アグリン非依存的なNMJの形成が発見されている。この発見は、アグリン以外にもMuSKの活性化因子が存在することを示唆する(非特許文献9、10参照)。



更に、遺伝学的研究の結果、軸索の適切な成長のみならず、AChR遺伝子の正常な発現、次いで起こるAChRの密集は、MuSK依存的な筋由来の機構により制御されていることも示された(非特許文献7、8参照)。



このように、神経筋伝達障害を防止するためにはAChRの密集が不可欠であり、このAChRの密集には、MuSKの活性化が必須であることが分かってきた。

【非特許文献1】A.G.Engel、K.Ohno and S.M.Sine著、「Nature Reviews Neuroscience」、4、339(2003)

【非特許文献2】A.Vincent et al.著、「Annals of the New York Academy of Sciences」、998、324(2003)

【非特許文献3】D.J.Glass et al.著、「Cell」、85、513(1996)

【非特許文献4】S.J.Burden著、「Genes and Development」、12、133(1998)

【非特許文献5】J.R.Sanes and J.W.Lichtman著、「Nature Reviews Neuroscience」、2、791(2001)

【非特許文献6】T.M.DeChiara et al.著、「Cell」、85、501(1996)

【非特許文献7】W.Lin et al.著、「Nature」、410、1057(2001)

【非特許文献8】X.Yang et al.著、「Neuron」、30、399(2001)

【非特許文献9】T.Misgeld et al.著、「Proceedings of the National Academy of Sciences,U.S.A」、102、11088(2005)

【非特許文献10】W.Lin et al.著、「Neuron」、46、569(2005)

産業上の利用分野


本発明は、筋特異的チロシンキナーゼの活性を制御するポリペプチドをコードするDNA、このDNAを含むベクター、このベクターが導入された形質転換体、DNAによりコードされるポリペプチド、このポリペプチドに結合する抗体、DNAが欠損又は変異された非ヒト形質転換動物、DNA及び/又はポリペプチドを含む医薬組成物、神経筋接合部位の異常に由来する疾病(例えば、先天性筋無力症候群)の検査方法及び検査薬、神経筋接合部位の異常に由来する疾病の治療薬の候補化合物のスクリーニング方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードするDNA。

【請求項2】
筋特異的チロシンキナーゼを活性化するポリペプチドをコードする以下の(a)または(b)に記載のDNA。
(a)配列番号1記載のアミノ酸配列において50以下のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列を有するDNA
(b)配列番号2記載の塩基配列と90%以上の相同性を有する塩基配列からなるDNA

【請求項3】
請求項1または2に記載のDNAを含むベクター。

【請求項4】
請求項3記載のベクターが導入された形質転換体。

【請求項5】
請求項1または2記載のDNAによりコードされるポリペプチド。

【請求項6】
請求項5記載のポリペプチドに結合する抗体又は抗体フラグメント。

【請求項7】
請求項1または2に記載のDNA又は該DNAがコードするポリペプチドを有効成分として含む、神経筋接合部位の異常に由来する疾病の治療または予防のための医薬組成物。

【請求項8】
先天性筋無力症候群の検査方法であって、
被験者の細胞からDNAを抽出する抽出手順と、
抽出された前記DNAを鋳型とし、配列番号2記載の塩基配列からなるDNA又はその発現制御領域のDNAの一部又は全部を特異的に増幅できるプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応を行う増幅手順と、
増幅されたDNAの塩基配列を解読する解読手順と、
解読された前記塩基配列を、配列番号2に記載の塩基配列と比較する比較手順と、
解読された前記塩基配列が配列番号2に記載の塩基配列と相違する場合、前記被験者が先天性筋無力症候群に罹患し得ると判断する手順と、を含む検査方法(ただし、医師による判断工程を含むものは除く)。

【請求項9】
先天性筋無力症候群の検査方法であって、
被験者の細胞における配列番号2記載の塩基配列を有するDNAの発現量を検出する検出手順と、
検出された前記DNAの発現量を、健常者における配列番号2記載のDNAの発現量と比較する比較手順と、
検出された前記DNAの発現量が、健常者におけるDNAの発現量と有意に相違する場合、前記被験者が先天性筋無力症候群に罹患し得ると判断する手順と、を含む検査方法(ただし、医師による判断工程を含むものは除く)。

【請求項10】
配列番号2記載の塩基配列からなるDNA又はその発現制御領域のDNAの一部又は全部を特異的に増幅できるプライマー、又は、請求項6記載の抗体又は抗体フラグメントを有効成分とする先天性筋無力症候群の検査薬。

【請求項11】
神経筋接合部位の異常に由来する疾病の治療薬の候補化合物のスクリーニング方法であって、
請求項5記載のポリペプチドと被検物質とを接触させる手順と、
前記ポリペプチドと前記被検物質との結合を検出する手順と、を含むスクリーニング方法。

【請求項12】
神経筋接合部位の異常に由来する疾病の治療薬の候補化合物のスクリーニング方法であって、
被検物質の存在下及び非存在下において、配列番号1記載のアミノ酸配列からなるポリペプチドまたは筋特異的チロシンキナーゼと結合活性を有するその断片と、筋特異的チロシンキナーゼとを接触させる手順と、
前記被検物質の存在下における前記結合活性と、前記被検物質の非存在下における前記結合活性とを比較する手順と、を含むスクリーニング方法。

【請求項13】
神経筋接合部位の異常に由来する疾病の治療薬の候補化合物のスクリーニング方法であって、
配列番号2記載の塩基配列を有するDNAを発現する細胞と被検物質とを接触させる手順と、
前記DNAの発現量の変化を検出する手順と、を含むスクリーニング方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 畜産
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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