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ポリグルタミン病の予防・治療剤 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P100001137
掲載日 2010年11月4日
出願番号 特願2006-154059
公開番号 特開2007-320919
登録番号 特許第4982739号
出願日 平成18年6月1日(2006.6.1)
公開日 平成19年12月13日(2007.12.13)
登録日 平成24年5月11日(2012.5.11)
発明者
  • 岡澤 均
出願人
  • 国立大学法人 東京医科歯科大学
発明の名称 ポリグルタミン病の予防・治療剤 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要

【課題】 神経変性疾患(例えばポリグルタミン病)の予防・治療剤を提供する。
【解決手段】 HMGBファミリータンパク質又はその誘導体、例えば、下記(a)又は(b)記載のタンパク質を神経変性疾患の予防・治療剤に含有させる。
(a)配列番号2、4、6又は8記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号2、4、6又は8記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加又は挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、神経変性疾患において生じる異常型ポリグルタミンタンパク質に対する結合活性を有するタンパク質
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


ハンチントン病等のポリグルタミン病は、原因遺伝子産物に存在する異常に伸長したポリグルタミン鎖によって引き起こされる神経変性疾患である。これまでに、筋収縮に関わるクレアチン、アポトーシス抑制剤であるミノサイクリン等の投与が、ハンチントン病モデルマウスに対して有効であるという報告はあるものの、ポリグルタミン病に対して予防・治療効果を有する物質の報告は非常に少ない。また、ポリグルタミン病モデル細胞ではアポトーシスによって細胞死が起こることが広く指摘されているが、実際にアポトーシス抑制剤を臨床で用いることは困難である。



このような状況の下、異常に伸長したポリグルタミン鎖が核内で不溶性タンパク質凝集体の形成を誘起することに着目し、異常に伸長したポリグルタミン鎖が誘起するタンパク質凝集を阻害できる物質を、ポリグルタミン病の予防又は治療に用いることが提案されている。例えば、特許文献1には、異常に伸長したポリグルタミン鎖が誘起するタンパク質凝集を阻害することによりポリグルタミン病を予防又は治療できる物質として、オリゴ糖又はオリゴ糖部分を含む化合物が開示されている。神経細胞内でのタンパク質凝集体の形成は、ポリグルタミン病だけでなく、アルツハイマー病等の神経変性疾患にも共通の特徴であることから、神経細胞内でのタンパク質凝集を抑制することにより、種々の神経変性疾患を予防又は治療できるものと期待される。



一方、HMGBファミリータンパク質は、HMG(High Mobility Group:高速移動群タンパク質)の一種である。HMGは、クロマチンから0.35M NaClにより抽出され、電気泳動で高い移動度を示す一群の非ヒストンタンパク質であり、全ての高等生物の核に存在し、そのアミノ酸配列は高等生物間で高度に保存されている。HMGBファミリータンパク質は、核に豊富に存在し、種間でよく保存されており、このことにより、HMGBファミリータンパク質が核において重要な役割を果たすことを示唆される。HMGBファミリーの正確な機能は未知であるが、HMGBタンパク質は、DNA結合のための2つのHMGボックスを有し、転写因子、部位特異的組換えタンパク質、DNA修復タンパク質、サイレンシング複合体、ウイルスタンパク質と相互作用すること(非特許文献1)、C末端に酸性及び塩基性アミノ酸リッチな領域を有し、DNA及びヒストン複合体間に挿入され、ゲノムDNAの再形成に重要な役割を果たすこと(非特許文献1,2)、distorted DNAに優先的に結合し、 DNAを湾曲させ、Wrapped DNAを緩め、クロマチン再形成複合体の近接性を促進することにより、ヌクレオソームの再形成を促進すること(非特許文献2)等が報告されている。

【特許文献1】特開2003-267874号公報

【非特許文献1】Agresti, A. 等, Curr. Opin. Genet Develop. 13, 170-178. (2003)

【非特許文献2】Travers A.E. EMBO reports 4, 131-136. (2003)

産業上の利用分野


本発明は、神経変性疾患(例えばポリグルタミン病)の予防・治療剤、及び神経変性疾患(例えばポリグルタミン病)に対して予防・治療効果を有する物質のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
HMGB1タンパク質及びHMGB2タンパク質の少なくともいずれかを含有する、ポリグルタミン病の予防・治療剤。

【請求項2】
HMGB1タンパク質及びHMGB2タンパク質が、下記(a)又は(b)に記載のタンパク質である、請求項1に記載の予防・治療剤。
(a)配列番号2、4、又は6に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)配列番号2、4、又は6に記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加又は挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、ポリグルタミン病において生じる異常型ポリグルタミンタンパク質に対する結合活性を有するタンパク質

【請求項3】
前記(b)に記載のタンパク質が、転写促進活性、DNA修復促進活性及び細胞死抑制活性のうち1種以上の活性を有する請求項2に記載の予防・治療剤。

【請求項4】
HMGB1タンパク質及びHMGB2タンパク質の少なくともいずれかを発現し得る組換えベクターを含有する、ポリグルタミン病の予防・治療剤。

【請求項5】
前記組換えベクターが、下記(c)~(f)のいずれかに記載のDNAを含む請求項4に記載の予防・治療剤。
(c)配列番号2、4、又は6に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(d)配列番号2、4、又は6に記載のアミノ酸配列において1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、付加又は挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、ポリグルタミン病において生じる異常型ポリグルタミンタンパク質に対する結合活性を有するタンパク質をコードするDNA
(e)配列番号1、3、又は5に記載の塩基配列からなるDNA
(f)配列番号1、3、又は5に記載の塩基配列からなるDNAに相補的なDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAであって、ポリグルタミン病において生じる異常型ポリグルタミンタンパク質に対する結合活性を有するタンパク質をコードするDNA

【請求項6】
前記(d)又は(f)に記載のDNAがコードするタンパク質が、転写促進活性、DNA修復促進活性及び細胞死抑制活性のうち1種以上の活性を有する請求項5に記載の予防・治療剤。

【請求項7】
in vivo(ただし、ヒトを除く)又はin vitroにおいて、試験物質が、HMGB1タンパク質及びHMGB2タンパク質の少なくともいずれかと、ポリグルタミン病において生じる異常型ポリグルタミンタンパク質との結合を阻害するか否かを判別し、前記結合を阻害する試験物質をポリグルタミン病に対して予防・治療効果を有する物質としてスクリーニングする工程を含む、ポリグルタミン病に対して予防・治療効果を有する物質のスクリーニング方法。

【請求項8】
in vivo(ただし、ヒトを除く)又はin vitroにおいて、試験物質が、HMGB1タンパク質及びHMGB2タンパク質の少なくともいずれかをコードする遺伝子の発現を誘導するか否かを判別し、前記発現を誘導する試験物質をポリグルタミン病に対して予防・治療効果を有する物質としてスクリーニングする工程を含む、ポリグルタミン病に対して予防・治療効果を有する物質のスクリーニング方法。
産業区分
  • 薬品
  • 薬品
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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