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放射性固体廃棄物の前処理装置及び方法

国内特許コード P100001185
整理番号 12806
掲載日 2010年11月5日
出願番号 特願2006-033248
公開番号 特開2007-212321
登録番号 特許第4530417号
出願日 平成18年2月10日(2006.2.10)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
登録日 平成22年6月18日(2010.6.18)
発明者
  • 牧田 隆
  • 吉田 健
  • 矢ケ崎 正
  • 亀井 篤志
  • 鬼木 俊郎
  • 須藤 誠
  • 宮本 泰明
  • 田代 清
  • 須藤 收
出願人
  • 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
発明の名称 放射性固体廃棄物の前処理装置及び方法
発明の概要

【課題】雑固体廃棄物に含まれる有機物を熱分解して大幅に減容することができ、同時に鉛、アルミニウムなどの低融点金属を効率的に分別でき、これにより、雑固体廃棄物の開梱・分別の作業効率を大幅に高めることができる放射性固体廃棄物の前処理装置及び方法を提供する。
【解決手段】低融点金属部材2及び高融点金属部材3よりも十分小さな複数の貫通孔11を外周面に有し、内部に放射性固体廃棄物4を収容可能な中空ケージ10と、中空ケージを内部に収容し、その外周面の貫通孔が下方に位置するように中空ケージを回転させながら、窒素雰囲気又は低酸素雰囲気下で中空ケージ内を300~700℃の温度範囲で少なくとも2段階以上の温度で加熱分解するか焼炉20とを備える。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


原子力発電所などから発生する放射性廃棄物のうち、金属配管、保温材、ゴム手袋などは、従来、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリエチレン等のシートや袋、ガムテープ等で二重、三重に厳重に梱包し、これをドラム缶などの容器に保管している。以下、これらの有機性梱包材で梱包した状態の放射性固体廃棄物を、「雑固体廃棄物」と呼ぶ。



雑固体廃棄物は、原子力発電所などの長期間の操業により、既に大量に発生し保管されている。しかし、将来は、保管場所の確保と安全上の観点から、セメントなどで固化処理した後、地中に埋設処分することが検討されている。



地中に埋設する場合、雑固体廃棄物は大量であり、今後も大量に発生することから、その容積を大幅に低減(減容)する必要がある。
また、雑固体廃棄物に含まれる有機物(塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリエチレン、ガムテープ等)は万一そのまま固化処理して埋設処分すると、分解してメタンなどのガスが発生し、放射性物質と共に外部に拡散するおそれがある。



そこで、従来は、梱包した雑固体廃棄物から、有機物(梱包材など)を除去するため、梱包材の開梱作業を人手で行っていた。
しかし、この開梱作業は、放射性物質の汚染拡大の防止、及び作業員の被爆低減の観点から、グローブボックス内などで行う必要があるため、その開梱・分別の作業効率は非常に悪いという問題があった。
また開梱作業には刃物を用いる必要があり、作業員の手袋を刃物で損傷させて、作業員が被爆するおそれもあった。



上述した問題点を解決するために、特許文献1、2が既に提案されている。
特許文献1の「放射性雑固体廃棄物の処理方法」は、図5に示す装置を用い、固化処理に先立ち、雑固体廃棄物を、雑固体廃棄物中の有機物の炭化温度以上、無機物の溶融温度以下で加熱処理するものである。この加熱処理温度は、例えば、200℃以上、660℃以下である。
なおこの図において、51はドラム缶、52はドラム缶転倒装置、53はベルトコンベア、54は加熱装置、55は排ガス処理装置、56はドラム缶、57は固化材サイロ、58は添加水サイロ、59は混練機である。



また、特許文献2の「放射性不燃性固体廃棄物の溶融処理方法」は、図6に示すように、有機物を含む放射性不燃性固体廃棄物61を、予加熱炉62において金属の酸化抑制条件下で熱処理したうえ、溶融炉63で溶融処理するものである。この予加熱炉における熱処理温度は、例えば300~900℃である。




【特許文献1】特開平7-333393号公報、「放射性雑固体廃棄物の処理方法」

【特許文献2】特開2005-164320号公報、「放射性不燃性固体廃棄物の溶融処理方法」

産業上の利用分野


本発明は、有機性梱包材で梱包した放射性固体廃棄物の前処理装置及び方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
低酸素雰囲気下での熱分解により炭化物又は灰となる有機性梱包材で梱包され、300~700℃の温度範囲で溶解可能な低融点金属部材と、700℃以下の温度範囲で溶解しない高融点金属部材とを含む放射性固体廃棄物の前処理装置であって、
前記低融点金属部材及び高融点金属部材よりも十分小さな複数の貫通孔を外周面に有し、内部に前記放射性固体廃棄物を収容可能な中空ケージと、
前記中空ケージを内部に収容し、その外周面の貫通孔が下方に位置するように中空ケージを回転させながら、窒素雰囲気又は低酸素雰囲気下で中空ケージ内を300~700℃の温度範囲で少なくとも2段階以上の温度で加熱分解するか焼炉と、を備えたことを特徴とする放射性固体廃棄物の前処理装置。

【請求項2】
前記中空ケージは、胴部に前記貫通孔のメッシュを有する円筒形容器であり、
前記か焼炉は、前記中空ケージを外部から内部に収容可能な投入室と、中空ケージを気密に囲み内部を窒素雰囲気又は低酸素雰囲気下で300~500℃の温度に加熱し溶解した低融点金属を分離する低温か焼室と、中空ケージを気密に囲み内部を窒素雰囲気又は低酸素雰囲気下で500~700℃の温度に加熱し溶解した低融点金属を分離する高温か焼室と、中空ケージを冷却し内部に残る高融点金属部材を外部に排出可能な冷却室とを有し、
前記投入室、低温か焼室、高温か焼室、及び冷却室は、円筒形容器の軸線方向に順に連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載の放射性固体廃棄物の前処理装置。

【請求項3】
前記中空ケージを円筒形容器の軸線を中心に回転させるケージ回転装置と、
前記投入室、低温か焼室、高温か焼室、及び冷却室の間にそれぞれ設けられ、その間を気密に開閉可能な開閉ゲートと、
該開閉ゲートが開いているときに、中空ケージを円筒形容器の軸線方向に移動するケージ移動装置と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の放射性固体廃棄物の前処理装置。

【請求項4】
前記中空ケージは、胴部に前記貫通孔のメッシュを有し、両端部に放射性固体廃棄物が通過可能な開口を有する細長い円筒形部材であり、
前記か焼炉は、前記中空ケージを囲み、内部を円筒形部材の軸線方向に順に、前記開口を通して中空ケージ内に外部から放射性固体廃棄物を投入可能な投入室と、内部を窒素雰囲気又は低酸素雰囲気下で300~500℃の温度に加熱し溶解した低融点金属を分離する低温か焼室と、内部を窒素雰囲気又は低酸素雰囲気下で500~700℃の温度に加熱し溶解した低融点金属を分離する高温か焼室と、内部を冷却し内部に残る高融点金属部材を前記開口を通して外部に排出可能な冷却室とに仕切る炉本体と、
前記中空ケージを前記の順で低くなるように前記中空ケージを傾斜させて軸線を中心に回転させるケージ回転装置と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の放射性固体廃棄物の前処理装置。

【請求項5】
低酸素雰囲気下での熱分解により炭化物又は灰となる有機性梱包材で梱包され、300~700℃の温度範囲で溶解可能な低融点金属部材と、700℃以下の温度範囲で溶解しない高融点金属部材とを含む放射性固体廃棄物の前処理方法であって、
前記低融点金属部材及び高融点金属部材よりも十分小さな複数の貫通孔を外周面に有し、内部に前記放射性固体廃棄物を収容可能な中空ケージと、
前記中空ケージを内部に収容し、低酸素雰囲気下で中空ケージ内を2段階以上の温度で加熱するか焼炉と、を備え、
中空ケージの貫通孔が下方に位置するように中空ケージを回転させながら、窒素雰囲気又は低酸素雰囲気下で中空ケージ内を300~500℃の温度に加熱し、溶解した低融点金属を前記貫通孔を通して中空ケージの下方に分離する低温分離ステップと、
中空ケージの貫通孔が下方に位置するように中空ケージを回転させながら、窒素雰囲気又は低酸素雰囲気下で中空ケージ内を500~700℃の温度に加熱し、溶解した低融点金属を前記貫通孔を通して中空ケージの下方に分離する高温分離ステップと、
中空ケージ内を冷却し内部に残る高融点金属部材を外部に排出する冷却排出ステップと、を有する、ことを特徴とする放射性固体廃棄物の前処理方法。
産業区分
  • 原子力
  • 放射性物質処理
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2006033248thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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