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ナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法

国内特許コード P100001187
整理番号 13250
掲載日 2010年11月5日
出願番号 特願2008-325642
公開番号 特開2010-145068
登録番号 特許第5002833号
出願日 平成20年12月22日(2008.12.22)
公開日 平成22年7月1日(2010.7.1)
登録日 平成24年6月1日(2012.6.1)
発明者
  • 近澤 佳隆
  • 荒 邦章
出願人
  • 独立行政法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 ナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法
発明の概要

【課題】検出目的の水リーク音をバックグラウンドノイズから明確に分離でき、それによってナトリウム加熱蒸気発生器における水リーク発生を迅速に且つ的確に検出する。
【解決手段】ナトリウム加熱蒸気発生器の容器胴部10の外壁に、5個以上の加速度計24を一列に配置して音響データ受信アレイ20を形成し、各加速度計で検出した音響信号を多チャンネルアナログ/デジタル変換器30を通してコンピュータ32に取り込み、該コンピュータで遅延和法ビームフォーミング処理を施す。これにより音響データ受信アレイ出力が最大となる値を求めて最大音響検出値とし、予め同様の手法で正常運転時における蒸気発生器運転ノイズについて求めた音響データ受信アレイ出力をバックグラウンドノイズとして、前記最大音響検出値とバックグラウンドノイズとを比較し、両者間に有意な違いが生じたときに水リークが発生しているものと判定する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


ナトリウム冷却高速増殖炉の蒸気発生器は、容器胴部内に多数本の伝熱管を組み込み、該伝熱管の内部を流れる水を伝熱管外側のナトリウムにより加熱する構造となっている。万一、運転中に伝熱管が破損すると、伝熱管内の高圧水がナトリウム中にリークし、リークした水とナトリウムとの間で激しい化学反応が生じる。このナトリウム/水反応によって、高温・腐食性の環境が発生し、それにより伝熱管破損が伝播する可能性があり、重大な事故に至る恐れがある。従って、水リーク発生を迅速に且つ的確に検出できるようにすることが肝要となる。



水とナトリウムが反応すると水素気泡が発生し、その際に音響が生じる。そこで、従来技術として、その音響(水リーク音)を蒸気発生器の容器胴部に取り付けた音響検出器で検出し、検出値が設定値以上になったときに水リーク発生と判定するという検出手法がある。しかし、蒸気発生器内部には運転中ナトリウム流動音及び水蒸発音など大きなバックグラウンドノイズが存在し、検出目的の水リーク音との分離が課題となっており、そのため蒸気発生器運転中における十分な検出性能が提供できておらず、未だ実用化には至っていない。また、蒸気発生器のバックグラウンドノイズおよび水リーク音のスペクトルはともに白色ノイズに近く、スペクトル解析により音源を分離することも困難とされている。



そこで、例えばセンサ光ファイバを組み込んだ計装管を蒸気発生器の胴部内に挿入し、水リーク発生時の音波を光の位相のずれとして検出するなど、蒸気発生器の胴部内に挿入される計装管の内部に,水リーク時に発生する事象を検出する検出手段を装備し、前記検出手段の検出結果に基づいて水リークの有無を判定する信号処理装置を備えた水リーク検出装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1によれば、前記音響検出法の問題を解決できるとされているが、この技術では、センサを組み込んだ計装管を蒸気発生器の内部に挿入しなければならないという問題がある。



ところで、全く異分野の技術であるが、近年、マイクロフォンアレイを用いて指向性を形成することにより,発話音声を高品質で受音する研究が盛んに行われている(非特許文献1など参照)。ここで、マイクロフォンアレイを用いた指向性形成の一つとして、遅延和法ビームフォーミングがある。この技術は、対話型テレビなどにおいて、ユーザにマイクロフォンを意識させないハンズフリー音声認識への応用が期待されている。




【特許文献1】特開2003-28979号公報

【非特許文献1】藤本 雅清、有木 康雄「マイクロフォンアレイとカルマンフィルタによる実環境下でのハンズフリー音声認識-対話型テレビのフロントエンドシステムの構築-」第4回DSPS教育者会議、pp.55-58,Aug. 2002.(www.me.cs.scitec.kobe-u.ac.jp/publications/papers/2002/2002-08-dsps-fujimoto.pdf)

産業上の利用分野


本発明は、ナトリウム加熱蒸気発生器の水リークを音響的に検出する方法に関し、更に詳しく述べると、5個以上の加速度計からなる音響データ受信アレイを用い遅延和法ビームフォーミング処理を施して最大音響検出値を求め、予め同様の手法で求めたバックグラウンドノイズと比較し、両者間に有意な違いが生じたときに水リークが発生しているものと判定するナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナトリウム加熱蒸気発生器の容器胴部の外壁に、5個以上の加速度計を一列に配置して音響データ受信アレイを形成し、各加速度計で検出した音響信号を多チャンネルアナログ/デジタル変換器を通してコンピュータに取り込み、該コンピュータで遅延和法ビームフォーミング処理を施すことにより音響データ受信アレイ出力が最大となる値を求めて最大音響検出値とし、予め同様の手法で正常運転時における蒸気発生器運転ノイズについて求めた音響データ受信アレイ出力をバックグラウンドノイズとして、前記最大音響検出値とバックグラウンドノイズとを比較し、両者間に有意な違いが生じたときに水リークが発生しているものと判定することを特徴とするナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法。

【請求項2】
5個以上の加速度計を、円筒状の容器胴部の外壁に沿って等間隔で周方向に配置することで音響データ受信アレイが形成されている請求項1記載のナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法。

【請求項3】
ナトリウム加熱蒸気発生器の容器胴部の外壁に、5個以上の加速度計を一列に配置して形成した音響データ受信アレイを、複数設置し、各加速度計で検出した音響信号を多チャンネルアナログ/デジタル変換器を通してコンピュータに取り込み、該コンピュータで遅延和法ビームフォーミング処理を施すことにより音響データ受信アレイ出力が最大となる値と方向を求めて最大音響検出値及び推定音源方向とし、予め同様の手法で正常運転時における蒸気発生器運転ノイズについて求めた音響データ受信アレイ出力をバックグラウンドノイズとして、前記最大音響検出値とバックグラウンドノイズとを比較し、両者間に有意な違いが生じたときに水リークが発生しているものと判定すると共に、各音響データ受信アレイから得られた複数の推定音源方向の交点位置を水リーク位置と判定することを特徴とするナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法。

【請求項4】
5個以上の加速度計を、円筒状の容器胴部の外壁に沿って等間隔で周方向に配置することで音響データ受信アレイが形成され、該音響データ受信アレイが2組同一平面に非対称に配置されている請求項3記載のナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法。

【請求項5】
音響データ受信アレイは、一列に5個以上配置された加速度計が5列以上配列された2次元音響データ受信アレイであり、円筒状の容器胴部の外壁に沿って等間隔で周方向及び軸に平行な方向に配設され、該2次元音響データ受信アレイを複数組み合わせることにより3次元空間における水リーク位置の特定を行う請求項3記載のナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法。

【請求項6】
(最大音響検出値/バックグラウンドノイズ)の値が設定値を超えたときに水リーク発生と判定する請求項1乃至5のいずれかに記載のナトリウム加熱蒸気発生器の水リーク音響検出方法。
産業区分
  • 蒸気原動機
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2008325642thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) 特許第5002833号
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