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3次元フォトニック結晶

国内特許コード P100001250
整理番号 838
掲載日 2010年11月25日
出願番号 特願2007-507080
登録番号 特許第5087772号
出願日 平成18年3月3日(2006.3.3)
登録日 平成24年9月21日(2012.9.21)
国際出願番号 JP2006304093
国際公開番号 WO2006095648
国際出願日 平成18年3月3日(2006.3.3)
国際公開日 平成18年9月14日(2006.9.14)
優先権データ
  • 特願2005-106729 (2005.3.5) JP
発明者
  • 野田 進
  • 岡野 誠
  • 今田 昌宏
  • 高橋 重樹
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 3次元フォトニック結晶
発明の概要

本発明の目的は、任意の形状、大きさの欠陥構造を内部に形成することができる3次元フォトニック結晶を提供することにある。基材表面に対して斜めに、異なる2方向に延びる孔を多数形成することにより、第1結晶11及び第2結晶12を形成する。孔の間に残った基材がロッド14となる。また、一部のロッド15が第1結晶11及び第2結晶12のロッド14と大きさが異なる接続結晶層13を形成する。第1結晶11と第2結晶12の間に接続結晶層13を挟んでそれらを接合する。こうして得られた3次元フォトニック結晶10においてロッド15は点欠陥となる。点欠陥15の形状及び大きさは、接続結晶層13内のいずれの方向にも任意に設定することができる。また、点欠陥15の形状及び大きさは接続結晶層の厚さを調整するによっても制御することができる。

従来技術、競合技術の概要


近年、新しい光デバイスとして、フォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶とは周期屈折率分布をもった光機能材料であり、光や電磁波のエネルギーに対してバンド構造を形成する。特に、光や電磁波の伝播が不可能となるエネルギー領域(フォトニックバンドギャップ)が形成されることが特徴である。



フォトニック結晶の屈折率分布の中に屈折率分布の乱れ(欠陥)を導入することにより、フォトニックバンドギャップ中にこの欠陥によるエネルギー準位(欠陥準位)が形成される。これによって、フォトニックバンドギャップ中の欠陥準位のエネルギーに対応する波長の光のみが、この欠陥位置において存在可能になる。これにより、フォトニック結晶内に、点状の欠陥から成る光共振器や線状の欠陥から成る光導波路等の光回路素子を設けることができる。1個のフォトニック結晶内にこれらの光回路素子を多数設けて光集積回路を構成することにより、このフォトニック結晶は光IC素子となる。これまでの光通信等の分野においてはディスクリートな光回路素子を個々に接続して用いているが、光IC素子を用いることにより回路を超小型化することができる。



フォトニック結晶には、2次元フォトニック結晶と3次元フォトニック結晶がある。このうち3次元フォトニック結晶は、2次元フォトニック結晶と比較して、欠陥位置に存在する光が外部に漏出し難いという特長を有する。特許文献1には、空気より屈折率の高い物質から構成されるロッドを互いに平行に周期的に配列してなるストライプ層を複数積層したものであって、最隣接のストライプ層のロッド同士が直交し、次隣接のストライプ層のロッド同士が平行且つ半周期ずれた構造を有する3次元フォトニック結晶について記載されている。また、この文献には、この3次元フォトニック結晶を構成するロッドに線状の欠陥を設けることにより光導波路を形成することが記載されている。



更に、特許文献1にはこの3次元フォトニック結晶の製造方法が記載されている。その概要は以下の通りである。
まず、基板上にロッドの材料から成る平板の材料層を形成する。この材料層にフォトリソグラフィーとRIE(Reactive Ion Etching)を用いてストライプ構造を形成する。同じストライプ構造を形成した2枚の基板付の材料層を、ロッドが互いに直交するようにロッド面同士を重ねて加熱することにより融着させる。そして、一方の基板を除去することにより、1枚の基板上にストライプ層を2層重ねた構造体が得られる。この構造体を2個作製し、前記同様、最上面のストライプ層のロッド同士が直交し、かつ、間に1層置いた2つのストライプ層のロッド同士が平行且つ半周期ずれて配置されるように重ね、最上面のストライプ層同士を加熱により融着させる。これにより、ストライプ層を4層重ねた構造体が得られる。同様の操作を繰り返すことにより、8層、16層、…のストライプ層から成る3次元フォトニック結晶が得られる。以下、この方法を「融着法」という。



特許文献2には、ロッドに点欠陥を設けた3次元フォトニック結晶が記載されている。この点欠陥には、ロッドの一部を欠損させてそこに形状や屈折率等の異なる物体を配置したもの、ロッドを欠損させることなくロッドに部材を取り付けたもの、ロッド自体の形状を変化させた(太くした/細くした)もの、等がある。この点欠陥は、その形状や大きさ、ロッドに対する位置(変位)により定まる所定の周波数の光に共振する共振器となる。この共振器は前記のように光IC素子の構成要素になる。また、欠陥部に発光体を導入することにより、光が点欠陥において共振して発光するレーザ光源として用いることもできる。




【特許文献1】特開2001-074955号公報([0007], [0028]~[0035], 図1, 図8)

【特許文献2】特開2004-006567号公報([0013]~[0015], 図3~図4)

産業上の利用分野


本発明は、光共振器、光導波路、それらを組み合わせた光IC素子、光共振器を用いたレーザ発振器等に適用することができる3次元フォトニック結晶及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 a) 誘電体から成る基材内に、2次元の周期パターンを成す多数の孔が基材表面に対して斜めに、異なる2方向から穿孔されて成る3次元フォトニック結晶から成る第1結晶及び第2結晶と、
b) 第1結晶と第2結晶の間に介挿された所定の厚さを有する誘電体からなるフォトニック結晶層であって、一部において第1結晶及び第2結晶と不整合であり、他の部分において第1結晶及び第2結晶と整合している接続結晶層と、
を備えることを特徴とする3次元フォトニック結晶。
【請求項2】 前記接続結晶層が、前記整合部分において第1結晶及び第2結晶と同一の結晶構造を有することを特徴とする請求項1に記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項3】 前記接続結晶層が2次元的構造を有することを特徴とする請求項1に記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項4】 第1結晶及び第2結晶の接合結晶層との接合面において、基材部分及び孔部分が交互に存在する縞模様を成していることを特徴とする請求項1に記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項5】 前記不整合の部分が接続結晶層に平行な方向に線状に連なっていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項6】 前記接続結晶層が発光材料から成り、該発光材料に電流を注入する電極を両表面に備えることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項7】 前記第1結晶又は第2結晶の、前記接続結晶層の不整合部分の近傍から外部に延びる孔を他の孔とは異なるものとしたことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項8】 3層以上の、前記第1結晶及び第2結晶と同様の本体結晶の間に、前記接続結晶層をそれぞれ介挿したことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項9】 2枚の接続結晶層に挟まれた本体結晶内の、両接続結晶層の不整合部分を接続する孔を他の孔とは異なるものとしたことを特徴とする請求項8に記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項10】 前記第1結晶及び第2結晶が、
基材の表面を複数の帯状に分割した領域のうち4n番目(nは整数)の領域から第1の方向に延びる孔が周期a1で多数形成され、
(4n+1)番目の領域から前記第1方向とは異なる第2の方向に延びる孔が周期a2で多数形成され、
(4n+2)番目の領域から前記第1方向に延びる孔が、4n番目の領域の孔とはa1/2だけ帯の長手方向にずれて周期a1で多数形成され、
(4n+3)番目の領域から前記第2方向に延びる孔が、(4n+1)番目の領域の孔とはa2/2だけ帯の長手方向にずれて周期a2で多数形成されている、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の3次元フォトニック結晶。
【請求項11】 前記孔を穿孔された後の基材が積層ロッド形状を有し、前記第1方向と第2方向が略直交することを特徴とする請求項10に記載の3次元フォトニック結晶。
産業区分
  • 固体素子
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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