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偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器

国内特許コード P100001253
整理番号 1512
掲載日 2010年11月25日
出願番号 特願2006-230509
公開番号 特開2008-052188
登録番号 特許第4385137号
出願日 平成18年8月28日(2006.8.28)
公開日 平成20年3月6日(2008.3.6)
登録日 平成21年10月9日(2009.10.9)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 田中 良典
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器
発明の概要 【課題】TE偏波、TM偏波の双方を分波及び合波することができる2次元フォトニック結晶波長合分波器を提供する。
【解決手段】この波長合分波器は、TE偏波に対してフォトニックバンドギャップを有する2次元フォトニック結晶11に互いに離間して配置された第1導波路121及び第2導波路122の間に、共振波長λrが同じ第1共振器131及び第2共振器132を配置する。第1導波路121上の第1共振器131と第2共振器132の間に、TM偏波をTE偏波に変換する第1偏波変換器151を設けると共に、第2導波路122上の第1共振器131と第2共振器132の間に、TE偏波をTM偏波に変換する第2偏波変換器152を設ける。第1導波路121内の波長λrの光のうちTE偏波は第1共振器131から第2導波路122に導入され、TM偏波は第1偏波変換器151によりTE偏波に変換されたうえで第2共振器131から第2導波路122に導入される。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


光通信は今後のブロードバンド通信の中心的役割を担う通信方式であることから、その普及のために、光通信システムに使用される光部品類に対して更なる高性能化、小型化、低価格化が求められている。このような要求を満たす次世代光通信部品の有力候補のひとつに、フォトニック結晶を利用した光通信用デバイスがある。これは既に一部で実用段階に入っており、偏波分散補償用フォトニック結晶ファイバーなどが実用に供されている。現在では更に、波長分割多重通信(Wavelength Division Multiplexing; WDM)に使用される光分合波器等の開発が実用化に向けて進められている。



フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を形成したものである。この周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を誘電体本体内に周期的に配置することにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関するバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域は「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap; PBG)と呼ばれる。



このフォトニック結晶中に適切な欠陥を設けることにより、PBG中にエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、その欠陥準位に対応する波長(周波数)の光のみがその欠陥の近傍に存在できるようになる。点状に形成された欠陥はその波長の光の共振器として使用することができ、線状に形成された欠陥は導波路として使用することができる。



上記技術の一例として、特許文献1には、本体(スラブ)に異屈折率領域を周期的に配置し、その周期的配置に欠陥を線状に設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して点状欠陥を設けることにより共振器を形成した2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶は、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す分波器として機能すると共に、外部から導波路に導入する合波器としても機能する。



特許文献1に記載のものを含め、多くの2次元フォトニック結晶では、電場が本体に平行に振動するTE偏波又は磁場が本体に平行に振動するTM偏波のいずれか一方の偏波に対してPBGが大きく形成されるように設計される。この場合、他方の偏波に対してはPBGが形成されないか、形成されたとしてもPBGに関しては必ずしも最適な条件とはならないことがある。



例えば、TE偏波に対してPBG(TE-PBG)が形成され、TE-PBG内に点状欠陥(共振器)による欠陥準位(共振波長)が形成されるようにフォトニック結晶を設計した場合、そのTE-PBGの波長領域にはTM偏波に対するPBG(TM-PBG)が形成されないことがある。この場合、その共振波長を有するTM偏波はこの共振器では共振しない。そのため、この共振器の近傍に設けた導波路を通過する広帯域光からその共振波長の光のみを分波しようとしても、TE偏波はほぼ完全に取り出すことができるものの、TM偏波は取り出すことができず、分波効率が悪い。合波の場合も同様である。



【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0023]~[0027]、[0032]、図1、図5~6)

産業上の利用分野


本発明は、2次元フォトニック結晶内において、光に含まれる所定波長のTE偏波の成分とTM偏波の成分の双方を分波し、又は両偏波の光を合波することができる偏波無依存合分波器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
板状の本体に周期的な屈折率分布が形成されて成る、TE偏波に対してフォトニックバンドギャップを有する2次元フォトニック結晶上に形成された波長合分波器であって、
a) 前記2次元フォトニック結晶内に離間して配置された2本の導波路であって、前記周期的屈折率分布の欠陥が線状に形成されて成る第1導波路及び第2導波路と、
b) 第1導波路と第2導波路の間に離間して配置された、共振波長が同じである2個の共振器であって、周期的屈折率分布の欠陥が点状に形成されて成る第1共振器及び第2共振器と、
c) 第1導波路上の第1共振器からの最近点である第1最近点と第1導波路上の第2共振器からの最近点である第2最近点の間の第1導波路上に配置された、第1最近点から第2最近点に向けて伝播するTM偏波をTE偏波に変換する第1偏波変換器と、
d) 第2導波路上の第1共振器からの最近点である第3最近点と第2導波路上の第2共振器からの最近点である第4最近点の間の第2導波路上に配置された、第3最近点から第4最近点に向けて伝播するTE偏波をTM偏波に変換する第2偏波変換器と、
を備えることを特徴とする偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。

【請求項2】
板状の本体に周期的な屈折率分布が形成されて成る、TM偏波に対してフォトニックバンドギャップを有する2次元フォトニック結晶上に形成された波長合分波器であって、
a) 前記2次元フォトニック結晶内に離間して配置された2本の導波路であって、前記周期的屈折率分布の欠陥が線状に形成されて成る第1導波路及び第2導波路と、
b) 第1導波路と第2導波路の間に離間して配置された、共振波長が同じである2個の共振器であって、周期的屈折率分布の欠陥が点状に形成されて成る第1共振器及び第2共振器と、
c) 第1導波路上の第1共振器からの最近点である第1最近点と第1導波路上の第2共振器からの最近点である第2最近点の間の第1導波路上に配置された、第1最近点から第2最近点に向けて伝播するTE偏波をTM偏波に変換する第1偏波変換器と、
d) 第2導波路上の第1共振器からの最近点である第3最近点と第2導波路上の第2共振器からの最近点である第4最近点の間の第2導波路上に配置された、第3最近点から第4最近点に向けて伝播するTM偏波をTE偏波に変換する第2偏波変換器と、
を備えることを特徴とする偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。

【請求項3】
第1最近点と第1偏波変換器の間の第1導波路上、第2最近点よりも第1導波路の端部側の第1導波路上、第3最近点よりも第2導波路の端部側の第2導波路上、第4最近点と第2偏波変換器の間の第2導波路上、のいずれか1つ又は複数の位置に、第1共振器及び第2共振器の共振波長と同じ波長のTE偏波を反射する反射部を備えることを特徴とする請求項1に記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。

【請求項4】
第1最近点と第1偏波変換器の間の第1導波路上、第2最近点よりも第1導波路の端部側の第1導波路上、第3最近点よりも第2導波路の端部側の第2導波路上、第4最近点と第2偏波変換器の間の第2導波路上、のいずれか1つ又は複数の位置に、第1共振器及び第2共振器の共振波長と同じ波長のTM偏波を反射する反射部を備えることを特徴とする請求項2に記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。

【請求項5】
前記反射部が、該反射部内の導波路の通過波長帯域に前記共振波長と同じ波長が含まれないように、該反射部内に前記2次元フォトニック結晶の周期とは異なる周期で屈折率分布が形成されて成ることを特徴とする請求項3又は4に記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。

【請求項6】
前記第1偏波変換器及び/又は前記第2偏波変換器が、前記第1導波路及び/又は前記第2導波路の形状を、前記本体に平行であって導波路に垂直な方向及び前記本体に垂直な方向にそれぞれ非対称とすることにより形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。

【請求項7】
上記断面形状の非対称性が、本体の面に対して斜め方向に延び本体とは屈折率の異なる斜行柱が導波路の側部に形成されて成ることを特徴とする請求項6に記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。

【請求項8】
前記第1偏波変換器及び前記第2偏波変換器がTE偏波をTM偏波に変換すると共にTM偏波をTE偏波に変換することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。

【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器を複数備え、
前記複数の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器の第1導波路が接続されることにより1本の導波路が形成されており、
第1共振器及び第2共振器の共振波長が偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器毎に異なる値を有する、
ことを特徴とする偏波無依存2次元フォトニック結晶分波器。

【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器を複数備え、
前記複数の偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器の第2導波路が接続されることにより1本の導波路が形成されており、
第1共振器及び第2共振器の共振波長が偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器毎に異なる値を有する、
ことを特徴とする偏波無依存2次元フォトニック結晶合波器。

【請求項11】
請求項9に記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶分波器又は請求項10に記載の偏波無依存2次元フォトニック結晶合波器において、
前記各偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器の第1偏波変換器及び第2偏波変換器がいずれもTE偏波をTM偏波に変換すると共にTM偏波をTE偏波に変換することを特徴とする偏波無依存2次元フォトニック結晶合分波器。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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