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2次元フォトニック結晶

国内特許コード P100001254
整理番号 1741
掲載日 2010年11月25日
出願番号 特願2007-079342
公開番号 特開2008-241891
登録番号 特許第5272173号
出願日 平成19年3月26日(2007.3.26)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
登録日 平成25年5月24日(2013.5.24)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 望月 敬太
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 2次元フォトニック結晶
発明の概要 【課題】製造が容易であり、従来よりも広い完全PBGを得ることが可能な偏波無依存2次元フォトニック結晶を提供する。
【解決手段】本発明に係る2次元フォトニック結晶20は、誘電体の第1層スラブ211内にそれよりも屈折率が低い第1層空孔212が周期的に配置されて成る第1層21と、第1層21に載置された層であって、空気中に、空気よりも屈折率が高い誘電体柱222が第1層空孔212と同じ周期で配置されて成る第2層22と、誘電体の第3層スラブ213内にそれよりも屈折率が低い第3層空孔232が周期的に配置されて成る第3層23と、を備える。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


波長分割多重通信(Wavelength Division Multiplexing:WDM)に使用される光分合波器等の光通信用デバイスの分野において、高性能化、小型化、低価格化をはかるために、フォトニック結晶を利用したデバイスの開発が進められている。フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を人工的に形成したものである。この周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を誘電体本体内に周期的に配置することにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関するバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域は「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap:PBG)と呼ばれる。PBGが形成されるエネルギー領域(波長帯)は、誘電体の屈折率や周期構造の周期により定まる。



特許文献1には、本体(スラブ)に異屈折率領域を周期的に配置し、その周期的配置に線状の欠陥を設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して上記周期的配置に点状の欠陥を設けることにより共振器を形成した2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶は、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す分波器として機能すると共に、外部から導波路に導入する合波器としても機能する。



また、最近、2次元フォトニック結晶を熱輻射光源に用いることが検討されている。非特許文献1には、図1(a)に示すように、異なる半導体材料から成る複数の半導体板111、112、...を積層した量子井戸構造を有するスラブ11に空孔12を周期的に配置し、その空孔を点状に欠損させることにより点状欠陥共振器13を形成した2次元フォトニック結晶10が記載されている。図1(b)(c)に示すように、空孔12は、スラブの上表面では三角格子の格子点141上に、下表面では上表面三角格子を構成する正三角形の重心の直下にある格子点142上に、それぞれ配置されている。そして、空孔12は上表面と下表面の間では、上側格子点141からはそれに最隣接の3個の下側格子点142に向けて3方向にそれぞれ傾斜して延び、下側格子点142からはそれに最隣接の3個の上側格子点141に向けて3方向にそれぞれ傾斜して延びている。この2次元フォトニック結晶10を加熱すると、量子井戸に形成される離散的なエネルギー準位(サブバンド)の間で電子又は正孔の遷移が生じ、このエネルギー差に対応する波長の光が発生する。この光は、点状欠陥共振器13により強度が増幅され、2次元フォトニック結晶10の外部に放出される。



一般の熱輻射源では、黒体スペクトルに近い広帯域な赤外線が放射されるため、その帯域からフィルターで所望の波長を切り出したうえで、ガス成分などの分光分析に用いられる。それに対して、2次元フォトニック結晶を用いた熱輻射光源では、最初から所望の波長のみの発光が得られるため、エネルギー利用効率が向上すると期待される。



【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0023]~[0027]、[0032]、図1、図5~6)
【非特許文献1】
望月敬太 他3名、「サブバンド間遷移をもつ量子井戸を導入した2次元フォトニック結晶スラブからの熱輻射スペクトルの解析」、2006年秋季第67回応用物理学会学術講演会講演予稿集、2006年8月29日、社団法人応用物理学会発行、第3分冊、講演番号31p-ZD-12

産業上の利用分野


本発明は、光分合波器等の光デバイスや熱輻射光源等に用いられる2次元フォトニック結晶に関する。なお、本願において用いる「光」には、可視光以外の電磁波も含むものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
a) 誘電体の板状部材から成る第1媒体内に該第1媒体よりも屈折率が低い第1異屈折率領域が第1三角格子の格子点に配置されて成る第1層と、
b) 第1層に載置された層であって、所定の誘電率を持つ第2媒体内に該第2媒体よりも屈折率が高い第2異屈折率領域が、前記第1三角格子における最隣接の3個の格子点から成る正三角形の重心を格子点とする第2三角格子の格子点に配置されて成る第2層と、
c) 第2層に載置された層であって、誘電体の板状部材から成る第3媒体内に該第3媒体よりも屈折率が低い第3異屈折率領域が、前記重心を通り第3層に垂直な軸を中心に前記第1三角格子を180°回転させた第3三角格子の格子点に配置されて成る第3層と、
を備えることを特徴とする2次元フォトニック結晶。

【請求項2】
第1異屈折率領域、第2異屈折率領域及び第3屈折率領域のうち少なくとも1つに形成された少なくとも1個の欠陥から成る点状欠陥共振器を備え
第1媒体、第2異屈折率領域及び第3媒体のいずれか1つ又は複数が、複数種の半導体を積層して成り前記点状欠陥共振器の共振波長に対応するサブバンドの間の遷移エネルギーが形成されている量子井戸構造を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項3】
a) 誘電体の板状部材から成る第1媒体内に該第1媒体よりも屈折率が低い第1異屈折率領域が周期的に配置されて成る第1層と、
b) 第1層に載置された層であって、所定の誘電率を持つ第2媒体内に該第2媒体よりも屈折率が高い第2異屈折率領域が前記第1異屈折率領域と同じ周期で配置されて成る第2層と、
c) 第2層に載置された層であって、誘電体の板状部材から成る第3媒体内に該第3媒体よりも屈折率が低い第3異屈折率領域が前記第1異屈折率領域と同じ周期で配置されて成る第3層と、
d) 第1異屈折率領域、第2異屈折率領域及び第3屈折率領域のうち少なくとも1つに形成された少なくとも1個の欠陥から成る点状欠陥共振器と、
を備え、
第1媒体、第2異屈折率領域及び第3媒体のいずれか1つ又は複数が、複数種の半導体を積層して成り前記点状欠陥共振器の共振波長に対応するサブバンドの間の遷移エネルギーが形成されている量子井戸構造を有する
ことを特徴とする2次元フォトニック結晶。

【請求項4】
前記第2媒体が空気であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項5】
前記第1異屈折率領域及び前記第3異屈折率領域が空気から成ることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項6】
第1異屈折率領域、第2異屈折率領域及び第3屈折率領域のうち少なくとも1つに形成された少なくとも1個の欠陥から成る点状欠陥共振器と、
前記点状欠陥共振器の近傍に設けられた、第1異屈折率領域、第2異屈折率領域及び第3屈折率領域のうち少なくとも1つに形成された線状欠陥から成る導波路と、
を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶。

【請求項7】
a) 基板上に誘電体の柱状部材から成る第2異屈折率領域を周期的に形成する工程と、
b) 誘電体の板状部材から成る第1媒体内に該第1媒体よりも屈折率が低い第1異屈折率領域が周期的に配置されて成る第1層と前記柱状部材の一方の端部を熱接着する工程と、
c) 前記基板を除去する工程と、
d) 誘電体の板状部材から成る第3媒体内に該第3媒体よりも屈折率が低い第3異屈折率領域が周期的に配置されて成る第3層と前記柱状部材の他方の端部を熱接着する工程と、
を有することを特徴とする2次元フォトニック結晶製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007079342thum.jpg
出願権利状態 登録
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