TOP > 国内特許検索 > 2次元フォトニック結晶光共振器

2次元フォトニック結晶光共振器

国内特許コード P100001255
整理番号 1744
掲載日 2010年11月25日
出願番号 特願2007-079343
公開番号 特開2008-241892
登録番号 特許第5320566号
出願日 平成19年3月26日(2007.3.26)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
登録日 平成25年7月26日(2013.7.26)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 田中 良典
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 2次元フォトニック結晶光共振器
発明の概要 【課題】従来よりもQ値が高い光共振器を提供する。
【解決手段】誘電体から成る板状の本体11内に空孔12が周期的に配置されて成るベース領域131内に、複数の遷移領域140、1411~1414、1421~1424を一方向に連接するように設ける。これら遷移領域群において、空孔12の配置周期akは中央(a0)から端に向かって単調に減少する。この配置周期akは(1-Ck2)a0とすることが望ましい。これにより、導波路15に平行な方向にガウス分布で減衰する電磁界分布が導波路15内に形成される。また、各領域を貫くように、空孔12を欠損させて成る導波路15を設け、それを挟む両側の空孔を互いに近づくようにシフトさせることにより、導波路15の幅をシフトのない場合よりも狭くする。これにより、モード体積を保ったままガウス分布の幅を広くすることができるため、従来よりも高いQ値を持つ光共振器が得られる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


波長分割多重通信(Wavelength Division Multiplexing:WDM)に使用される光分合波器等の光通信用デバイスの分野において、高性能化、小型化、低価格化をはかるために、フォトニック結晶を利用したデバイスの開発が進められている。フォトニック結晶は、誘電体に周期構造を人工的に形成したものである。この周期構造は一般に、誘電体本体とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を誘電体本体内に周期的に配置することにより形成される。その周期構造により、結晶中に光のエネルギーに関するバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域が形成される。このようなエネルギー領域は「フォトニックバンドギャップ」(Photonic Band Gap:PBG)と呼ばれる。PBGが形成されるエネルギー領域(波長帯)は、誘電体の屈折率や周期構造の周期により定まる。



また、このフォトニック結晶中に適切な欠陥を導入することにより、PBG中にエネルギー準位(欠陥準位)が形成され、その欠陥準位に対応する波長の光のみがその欠陥の近傍に存在できるようになる。従って、このような欠陥を有するフォトニック結晶はその波長の光の光共振器として使用することができる。更に、この欠陥を線状に設けることにより、導波路として使用することができる。



特許文献1には、本体(スラブ)に異屈折率領域を周期的に配置し、その周期的配置に線状の欠陥を設けることにより導波路を形成するとともに、その導波路に隣接して上記周期的配置に点状の欠陥を設けることにより光共振器を形成した2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶は、導波路内を伝播する様々な波長の光のうち光共振器の共振波長に一致する波長の光を外部へ取り出す分波器として機能すると共に、外部から導波路に導入する合波器としても機能する。



光共振器においては、共振モードの全電磁界エネルギーを共振器内のエネルギー密度の最大値で除したモード体積を小さくすると集積化の点及び光共振器内での光と物質(例えば共振器内に導入される発光材料を構成する物質)の相互作用を強くすることができるという点で有利になる。そこで、モード体積を従来と同程度又はそれ以下に小さくしつつ、光の閉じ込め効率を高めることのできる光共振器が検討されてきた。



特許文献2には、本体に、第1の周期で異屈折率領域が配置された第1領域と、第1領域を挟むように設けられ、第1周期とは異なる周期で異屈折率領域が配置された第2領域及び第3領域とを有し、これら第1~第3領域を通過する導波路が設けられた2次元フォトニック結晶が記載されている。この2次元フォトニック結晶では、第1~第3領域における周期の違いにより、第1領域内の導波路は通過できるのに対して第2及び第3領域内の導波路は通過することができない波長帯域が形成される。そのため第1領域内の導波路は、この波長帯域内の波長を持つ光を閉じ込めることができ、その波長に関する光共振器として機能する。このような構成の光共振器は「ヘテロ共振器」と呼ばれる。ヘテロ共振器により、光共振器のQ値を数十万~数百万とすることができる。この値は従来の点状欠陥光共振器におけるQ値の数百~数千倍に相当する。また、モード体積は1.3(λ0/n)3という非常に小さい値になる(λ0:真空中における波長、n:光共振器の屈折率)。



また、特許文献3には、線状欠陥を有する2次元フォトニック結晶において、線状欠陥の一部分のみ、線状欠陥の両側にある1~数列の異屈折率領域を他の部分の異屈折率領域の列よりも外側にシフトさせることにより、その一部分に光共振器を形成することが記載されている。特許文献3によると、この光共振器のQ値は計算値で最大約420万、実験値で最大約40万である。



【特許文献1】
特開2001-272555号公報
【特許文献2】
国際公開WO2005/022220号パンフレット
【特許文献3】
特開2007-047604号公報

産業上の利用分野


本発明は、波長合分波器等の光デバイスに用いられる光共振器に関し、特に2次元フォトニック結晶を用いた光共振器に関する。なお、本願において用いる「光」には、可視光以外の電磁波も含むものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
誘電体から成る板状の本体内に、該本体とは屈折率が異なる異屈折率領域が周期的に配置された2次元フォトニック結晶に形成される光共振器であって、
a) 一方向に連接する2n+1個の遷移領域から成る遷移領域群であって、各遷移領域内における異屈折率領域の前記方向における配置周期ak(1-Ck2)a0(0≦k≦nであり、kは中央を0、それから両端に向けてそれぞれ1→nと番号付ける。a0はk=0における配置周期。Cは定数。)に設定され、配置周期がa1~anである遷移領域における前記方向の異屈折率領域の周期数が全て同じである遷移領域群と、
b) 前記遷移領域群の、前記連接方向における両外側に設けられ、異屈折率領域の前記方向における周期ab(1-C(n+1)2)a0であるベース領域と、
c) 前記ベース領域及び遷移領域群の2n+1個の遷移領域を貫くように異屈折率領域を欠損させることにより形成された導波路であって、該導波路を挟む両側の異屈折率領域の全体が、前記連接方向に垂直な方向に所定量だけ互いに近づくようにシフトされており、該所定量がシフト前の導波路の幅の0.125~0.25倍である貫通導波路と、
を備えることを特徴とする2次元フォトニック結晶光共振器。

【請求項2】
異屈折率領域が、導波路に平行な方向に前記配置周期akで配置され、導波路に垂直な方向にはいずれの遷移領域においても同じ周期で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶光共振器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007079343thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close