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鳥インフルエンザウイルスのNA亜型判定用プライマーセット 新技術説明会

国内特許コード P110001378
掲載日 2011年1月4日
出願番号 特願2009-104759
公開番号 特開2010-252659
登録番号 特許第5561708号
出願日 平成21年4月23日(2009.4.23)
公開日 平成22年11月11日(2010.11.11)
登録日 平成26年6月20日(2014.6.20)
発明者
  • 塚本 健司
  • 真瀬 昌司
  • 鈴木 耕太郎
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 鳥インフルエンザウイルスのNA亜型判定用プライマーセット 新技術説明会
発明の概要 【課題】高精度でかつ迅速に、一般の検査室でも利用可能な鳥インフルエンザウイルスのNA亜型の判定手段を提供する。
【解決手段】特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドから選択した一対のオリゴヌクレオチドで構成される鳥インフルエンザNA亜型の判定用プライマーセット、ならびに該プライマーセットを用いて試料から得られた核酸を鋳型としてPCR増幅を行い、増幅産物を検出することを含む鳥インフルエンザウイルスのNA亜型の判定方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



1997年、香港でH5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスに18名が感染し、6名が死亡した。また2005年以後、H5N1ウイルスはアジア、欧州、アフリカ諸国へと広がり、新型インフルエンザウイルスに変異する候補として全世界で大きな脅威となっている(非特許文献1、2)。感受性の高いハクチョウやアヒルは野生の水鳥感染の指標となる一方、H5N1ウイルスに対して耐性のある渡りカモは遠く離れた場所までウイルスを運ぶ可能性がある(非特許文献3、4)。従って、野生の水鳥におけるH5N1ウイルス感染流行の現況把握のために活発な調査が行われている(非特許文献1、5)。





国内でも、2004年、2007年にはH5N1ウイルスによって養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生した。また、2007年にはクマタカから、2008年にはハクチョウからH5N1ウイルスが分離され、野鳥がH5N1ウイルスを保有することが明らかとなり、2008年から環境省は都道府県と連携して野鳥調査を開始している。





鳥インフルエンザウイルスは野生の水鳥を自然宿主とするウイルスで、ウイルス粒子表面にヘマグルチニン(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)と呼ばれる2種類のスパイクタンパク質がある。鳥インフルエンザウイルスはこのHAとNAの抗原性状の違いによって、16種類のHA亜型(H1~H16)と9種類のNA亜型(N1~N9)に分類されている。鳥インフルエンザウイルスが検出された場合には、その性状を把握する上で、HA亜型とNA亜型を決定することが求められる。





これまで上記の9種類のNA亜型は、抗血清パネルを用いた血清学的検査(ノイラミニダーゼ抑制検査、NI検査)で判定するのが標準法となっている(非特許文献6、7)。しかしながら、NI検査には9種類の抗血清パネルが必要であり、その操作も煩雑で熟練を要する。また、検査に2日間も要し、迅速性に欠ける。このため、NA亜型を判定することはリファレンスラボラトリー以外ではほとんど行われておらず、このことが野鳥サーベイランスの障害となっている。従って、高精度でかつ迅速に、また一般の検査室でも利用可能なNA亜型を判定する方法が求められている。





一方、血清学的検査に代わって、PCR法による検査も開発されている。PCR法は、リファレンスラボラトリーでしか行えないNI検査とは異なって、一般的な検査室でも容易に利用可能である点で鳥インフルエンザウイルスの世界的サーベイランスをサポートすることが期待される。しかしながら、鳥インフルエンザウイルスのNA遺伝子は多様性に富んだ塩基配列となっており、このためにPCR法によりNA亜型を判定することは困難であると考えられてきた。これまでに報告されるPCR法によるNA亜型の判定は、限られた亜型のみを対象としたものが主流であったが(特許文献1、2など)、最近になって、全てのNA亜型を対象としてPCR法にて判定するためのプライマーセットの開発も報告されている。例えば、Alvarez et al.は、97%(32/33)の感度を有する全9種のNA亜型検出のためのユニバーサルプライマーセットを開発したが、PCR産物のシークエンシングがNAサブタイピングに必須であった(非特許文献8)。Qui et al.は、101の参照株または単離株を用いることによって、97.3%の感度と91.1%の特異性を有するNAサブタイピングのための9種のプライマーセットを開発した(非特許文献9)。また、Fereidouni et al.は、43の参照株と119の診断試料由来の全162のNA遺伝子を分析するためのNAサブタイピングPCRを開発した(非特許文献10)。しかしながら、これらはいずれも精度について必ずしも満足できるものではなく、PCR法による検査で陰性となっても鳥インフルエンザウイルスへの感染が否定されるわけではない。

産業上の利用分野



本発明は、鳥インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)亜型(N1~N9)判定用プライマーセット、および当該プライマーセットを用いた鳥インフルエンザウイルスのNA亜型の判定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(A)~(I)のプライマーセットのすべてを含む鳥インフルエンザウイルスのNA亜型判定用プライマーセット
(A) 配列番号1に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号2に示す塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN1亜型
判定用プライマーセットN1
(B) 配列番号3に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号4に示す塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN2亜型
判定用プライマーセットN2
(C) 配列番号5に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号6に示す塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN3亜型
判定用プライマーセットN3
(D) 配列番号7に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号8に示す塩基
配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN4亜型
判定用プライマーセットN4
(E) 配列番号9に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号10に示す塩
基配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN5亜
型判定用プライマーセットN5
(F) 配列番号11に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号12に示す
塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN6
亜型判定用プライマーセットN6
(G) 配列番号13に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号14に示す
塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN7
亜型判定用プライマーセットN7
(H) 配列番号15に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号16に示す
塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN8
亜型判定用プライマーセットN8
(I) 配列番号17に示す塩基配列からなるオリゴヌクレオチドと配列番号18に示す
塩基配列からなるオリゴヌクレオチドとから構成される鳥インフルエンザウイルスのN9
亜型判定用プライマーセットN9

【請求項2】
試料から得られた核酸を鋳型とし、請求項1に記載の鳥インフルエンザウイルスのNA亜型判定用プライマーセットのすべてを用いてPCRを行い、該PCRにより得られた増幅断片長を解析して、試料中の鳥インフルエンザウイルスのNA亜型を判定する方法。

【請求項3】
請求項1に記載の鳥インフルエンザウイルスのNA亜型判定用プライマーセットのすべてを含む鳥インフルエンザウイルスのNA亜型判定用キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009104759thum.jpg
出願権利状態 登録


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