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ナノ集合体

国内特許コード P110001442
整理番号 3808
掲載日 2011年1月12日
出願番号 特願2010-129211
公開番号 特開2011-256112
登録番号 特許第5578517号
出願日 平成22年6月4日(2010.6.4)
公開日 平成23年12月22日(2011.12.22)
登録日 平成26年7月18日(2014.7.18)
発明者
  • 中田 栄司
  • 堀 均
  • 宇都 義浩
  • 行待 芳浩
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 ナノ集合体
発明の概要 【課題】本発明が解決すべき課題は、直径がナノメートルレベルであり、光線照射によりpHに応じて異なる波長の蛍光を発するナノ集合体を提供することにある。また、本発明は、当該ナノ集合体の製造方法と、当該ナノ集合体の原料化合物であるSNARF誘導体を提供することも目的とする。
【解決手段】本発明に係るナノ集合体は、下記式(I)で表されるSNARF誘導体からなることを特徴とする。



[式中、R1~R5は独立してC1-6アルキル基等を示し;mおよびnは特定の整数を示す]
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



近年、生体、組織、細胞などにおける特定の細胞やタンパク質、微小環境を可視化することを目的としたバイオイメージングに関する技術開発が盛んに行われている。





例えば、がん組織においては、がん細胞の無秩序な増殖などが原因で、低酸素状態や低pHという微小環境が形成されている。また、低グルコース状態でもあり、グルコースの取り込みが正常組織よりも多くなっている。よって、これら微小環境などに応じて発色する化合物を選択的に取り込ませれば、がん組織を可視化することができる。





その他、一般的に、高分子は正常細胞には取り込まれ難い一方で、がん組織において新生された血管は血管壁が粗いので、かかる新生血管には取り込まれ易い。その上、がん組織においては免疫機構が働き難く、いったん取り込まれた高分子は、免疫機構の働きが弱いがん組織から排出され難く、留まり易い。かかる効果をEPR(Enhanced Permeability and Retention)効果といい、EPR効果を利用して発色性高分子をがん組織へ選択的に取り込ませ、発色させる研究も行われている。





発色性化合物を利用したバイオイメージング技術では、標的とする組織などへ選択的に取り込まれ、且つ明瞭な発色性を示す化合物の開発が鍵となる。このような化合物として、例えば特許文献1には、AMPなどのヌクレオチドと希土類塩を混合することにより自己集合させたナノ粒子が開示されている。かかるナノ粒子は、強い蛍光発光性や高い磁気モーメントを示すとされている。また、非特許文献1には、当該ナノ粒子の内部に色素を取り込ませたものが開示されている。さらに非特許文献2には、蛍光色素であるFMN(フラビンモノヌクレオチド)と酸化亜鉛イオンなどとの塩が記載されている。





しかし、上記化合物は何れも金属イオンを含んでおり、生体にとり安全なものであるとはいえないことから、例えばヒトの疾患の診断用途に適用することは難しい。特に、特許文献1や非特許文献1の実験例で用いられているガドリニウムイオンは猛毒であり、生体内で放出されないという保証がない限り、ヒトには到底用い得ない。その他、粒子径により蛍光波長が異なるQdot(登録商標)が市販されているが、半導体(CdSe)からなり、やはり安全性に疑問がある。





上述したとおり、バイオイメージング技術において用いられる発色性化合物は、ヒトや動物に対する診断用途を考慮すれば、より安全な有機化合物のみからなるものが好適であるといえる。





ところで本発明者らは、がん組織を可視化するための蛍光プローブを開発している(非特許文献3~4)。当該蛍光プローブは、蛍光化合物であるSNARFの水酸基を4-ニトロベンジルエーテル化した構造を有する。本発明者らは当該蛍光プローブにつき継続して研究を進め、その蛍光発色機構は、当該蛍光プローブが水系溶媒中で非蛍光性のラクトン型の自己集合体を形成し、ニトロリダクターゼの存在下では、酵素反応により4-ニトロベンジル基が脱離しつつ凝集体の表面から徐々に解砕されていき、蛍光を発するキノイド体が遊離することを見出している。

産業上の利用分野



本発明は、光線照射によりpHに応じて異なる波長の蛍光を発するナノ集合体、その製造方法、およびその原料化合物であるSNARF誘導体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)で表されるSNARF誘導体からなることを特徴とするナノ集合体。
【化1】


[式中、
1~R2は、独立してC1-6アルキル基を示し;
3は、水素原子、C1-6アルキル基または(C1-6アルコキシ)カルボニル基を示し;
4は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基を示し;
5は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC6-12アリール基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキル基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシ基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシカルボニル基、およびアリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1以上の置換基を示し(これらアリール基上の置換基は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基である);
mは、0以上、4以下の整数を示し;
nは、0以上、4以下の整数を示す]

【請求項2】
個数平均粒子径が10nm以上、1000nm以下である請求項1に記載のナノ集合体。

【請求項3】
下記式(I)または(I’)で表されるSNARF誘導体を水系溶媒に添加する工程を含むことを特徴とするナノ集合体の製造方法。
【化2】


[式中、
1~R2は、独立してC1-6アルキル基を示し;
3は、水素原子、C1-6アルキル基または(C1-6アルコキシ)カルボニル基を示し;
4は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基を示し;
5は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC6-12アリール基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキル基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシ基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシカルボニル基、およびアリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1以上の置換基を示し(これらアリール基上の置換基は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基である);
mは、0以上、4以下の整数を示し;
nは、0以上、4以下の整数を示す]

【請求項4】
水系溶媒の塩濃度を調節することによりナノ集合体の個数平均粒子径を調節する請求項3に記載の製造方法。

【請求項5】
下記式(I)または(I’)で表されることを特徴とするSNARF誘導体。
【化3】


[式中、
1~R2は、独立してC1-6アルキル基を示し;
3は、水素原子、C1-6アルキル基または(C1-6アルコキシ)カルボニル基を示し;
4は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基を示し;
5は、水素原子、または、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよいC6-12アリール基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキル基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシ基、アリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいC6-12アリールオキシカルボニル基、およびアリール基上に置換基を有していてもよいC7-13アラルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1以上の置換基を示し(これらアリール基上の置換基は、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-7アシルオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選択される1以上の置換基である);
mは、0以上、4以下の整数を示し;
nは、0以上、4以下の整数を示す]
産業区分
  • 有機化合物
  • 高分子化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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thum_20110112四国TLO_562-1052.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) 562-1052
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