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機能性コンポストの製造方法、機能性コンポスト及び糸状菌増殖用コンポスト コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P110001524
整理番号 ShIP-7004N-NK06
掲載日 2011年2月2日
出願番号 特願2009-517862
登録番号 特許第5334263号
出願日 平成20年6月2日(2008.6.2)
登録日 平成25年8月9日(2013.8.9)
国際出願番号 JP2008060169
国際公開番号 WO2008149846
国際出願日 平成20年6月2日(2008.6.2)
国際公開日 平成20年12月11日(2008.12.11)
優先権データ
  • 特願2007-145697 (2007.5.31) JP
発明者
  • 中崎 清彦
  • 鈴木 伸章
出願人
  • 国立大学法人静岡大学
発明の名称 機能性コンポストの製造方法、機能性コンポスト及び糸状菌増殖用コンポスト コモンズ 外国出願あり
発明の概要

本発明の機能性コンポストの製造方法は、細菌類の活動制限状態、例えば、栄養制限状態、制限pH状態及び制限水分状態からなる群より選択された少なくとも1つの状態であるコンポストに、機能を有する糸状菌、例えば、ヒメツブヒトヨタケGM-21株(NITE BP-37)のような植物病害防除機能を有する糸状菌を接種すること、この糸状菌を、前記コンポスト内で培養して選択的に増殖させることを含む。また、本発明では、上記製造方法によって得られた機能性コンポスト及び、細菌類の活動制限状態にある糸状菌増殖用コンポストも提供される。

従来技術、競合技術の概要


糸状菌すなわちカビには種々の機能があることが知られており、これらの機能を種々の分野で有効利用することが行われている。
例えば糸状菌の中には病原性糸状菌によって引き起こされる植物病害を防除する機能を有するものがある。病原性糸状菌は、キャベツ、キュウリ、トマト、ナス、小松菜などの多くの野菜、稲などの農産物の他、花、樹木、芝生等に、立枯病、根腐病、葉腐病、萎凋病などの病害を発病させる原因となる。これらの糸状菌としては、リゾクトニア属、フザリウム属、ピシウム属、トリコデルマ属、スクレロチウム属などがよく知られている。また、これらの糸状菌による植物病害を防除するためには、一般に薬剤、いわゆる化学農薬が散布されるが、より環境への安全性が高いと想定される微生物を利用した生物防除(いわゆる微生物農薬)方法が提案され、その一部は実用化されている。



その例としては、シュードモナス属細菌を利用して糸状菌による植物病害の防除を行う技術(例えば特開平11-187866号公報参照)、非病原性トリコデルマ属やムコール属の糸状菌を利用する技術(例えば特開平10-150978号公報参照)や非病原性フザリウム属糸状菌を利用する技術(例えば国際公開第97/31521号パンフレット参照)が知られている。
その一方で、このような病原性糸状菌に対して防除機能を有する特定の糸状菌が見出されており、残留性がなく安定して防除効果を有する植物病害防除剤として利用する技術が開発されている(例えば国際公開第2006/085567号パンフレット参照)。このような植物病害防除剤をコンポストに担持させれば、植物病害防除効果を安定して得ることができると共に、土壌改良効果まで期待できる。



また、その他の機能を有する糸状菌として担子菌である白色腐朽菌を、C/N比30~35の菌床で増殖させることによって得られるダイオキシンなどの有機塩素化合物分解材が知られている(例えば、特開2003-334061号公報参照)。またトリコデルマ属に属する糸状菌には、石油類、特に原油やその難分解成分である芳香族炭化水素画分に対して顕著な分解活性を有することが知られている(例えば、特開平06-319529号公報参照)。



しかしながら、上記のように機能を有する糸状菌を、土壌改良効果を有するコンポストに担持させたとしても、目的とする糸状菌が安定してコンポストに担持されるには時間がかかる。また、コンポスト化には細菌も関与するため、コンポスト化処理中に特定の糸状菌を単に添加しただけでは効率よく増殖しない場合や、目的とする機能が発揮されない場合もある。

産業上の利用分野


本発明は、機能性コンポストの製造方法、機能性コンポスト及び糸状菌増殖用コンポストに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 以下の(1)~(3)からなる群より選択された少なくとも1つとして示される細菌類の活動制限状態にあるコンポストに、機能を有する糸状菌を接種すること、
(1)pH5~7である制限pH状態
(2)20%~40%である制限水分状態
(3)CO発生速度が最大となった後にCO発生速度1×10-5mol/h/g乾燥コンポスト~3×10-5mol/h/g乾燥コンポストである栄養制限状態
前記糸状菌を、前記コンポスト内で培養して選択的に増殖させること、
を含む機能性コンポストの製造方法。
【請求項2】 糸状菌の生育条件で活動可能な糸状菌共存生育可能細菌類を含むコンポストであって、以下の(1)~(3)からなる群より選択された少なくとも1つとして示される前記糸状菌共存生育可能細菌類以外の細菌類の活動制限状態のコンポストに、機能を有する糸状菌を接種すること、
(1)pH5~7である制限pH状態
(2)20%~40%である制限水分状態
(3)CO発生速度が最大となった後にCO発生速度1×10-5mol/h/g乾燥コンポスト~3×10-5mol/h/g乾燥コンポストである栄養制限状態
前記糸状菌を、前記コンポスト内で培養して前記糸状菌共存生育可能細菌類と共に選択的に増殖させること、
を含む、機能性コンポストの製造方法。
【請求項3】 前記細菌類の活動制限状態が、少なくとも前記(3)栄養制限状態を含む請求項1又は2記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項5】 前記細菌類の活動制限状態のコンポストを作製する工程を更に含む請求項1又は2記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項6】 前記細菌類の活動制限状態のコンポストを作製する工程が、有機廃棄物を栄養制限状態となるまで腐熟させる工程である請求項5記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項7】 前記コンポスト内で糸状菌を培養する際の培養温度が、10℃~35℃である請求項1又は2記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項8】 前記糸状菌共存生育可能細菌が、バージバチラス・ハロフィラスである請求項2記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項9】 前記糸状菌共存生育可能細菌が、I30-1株(FERM ABP-10975)である請求項2記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項10】 前記機能を有する糸状菌が、植物病害防除機能及び土壌改質機能の少なくとも一方を有する糸状菌である請求項1又は2記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項11】 前記植物病害防除機能を有する糸状菌がヒトヨタケである請求項10記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項12】 前記ヒトヨタケは、ヒメツブヒトヨタケ(Coprinus curtus)、ウシグソヒトヨタケ(Coprinus cinereus)、イヌセンボンダケ(Coprinus disseminatus)、ササクレヒトヨタケ(Coprinus comatus)、ヒトヨタケ(Coprinus atramentarius)、コキララタケ(Coprinus radiatns)、センボンクヌギタケ(Psathyrella multissima)、イタチタケ(Psathyrella candolliana)およびムジナタケ(Psathyrella velutina)からなる群より選択された少なくとも1つである請求項11記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項13】 ヒトヨタケは、ヒメツブヒトヨタケGM-21株(NITE BP-37)である請求項11記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項14】 糸状菌を植物病原菌とする植物病害防除機能を有する請求項11記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項15】 前記植物病原性糸状菌がリゾクトニア属及びフザリウム属の少なくとも一方に属する糸状菌である請求項14記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項16】 前記植物病原性糸状菌がリゾクトニア属及びフザリウム属の少なくとも一方に属する糸状菌であり、前記植物病害防除機能を有する糸状菌がヒトヨタケである請求項14記載の機能性コンポストの製造方法。
【請求項17】 機能を有する糸状菌を含む請求項1記載の製造方法により得られた機能性コンポスト。
【請求項18】 機能を有する糸状菌と糸状菌共存生育可能細菌とを含む請求項2記載の製造方法により得られた機能性コンポスト。
【請求項19】 前記機能を有する糸状菌が、植物病害防除機能及び土壌改質機能の少なくとも一方を有する糸状菌である請求項17又は18記載の機能性コンポスト。
【請求項20】 前記糸状菌共存生育可能細菌が、バージバチラス・ハロフィラスである請求項18記載の機能性コンポスト。
【請求項21】 前記糸状菌共存生育可能細菌が、I30-1株(FERM ABP-10975)である請求項18記載の機能性コンポスト。
【請求項22】 以下の(1)~(3)からなる群より選択された少なくとも1つとして示される細菌類の活動制限状態にある糸状菌増殖用コンポスト:
(1)pH5~7である制限pH状態
(2)20%~40%である制限水分状態
(3)CO発生速度が最大となった後にCO発生速度1×10-5mol/h/g乾燥コンポスト~3×10-5mol/h/g乾燥コンポストである栄養制限状態。
【請求項23】 糸状菌の生育条件で活動可能な糸状菌共存生育可能細菌類を含み、以下の(1)~(3)からなる群より選択された少なくとも1つとして示される前記糸状菌共存生育可能細菌類以外の細菌類の活動制限状態にある糸状菌増殖用コンポスト:
(1)pH5~7である制限pH状態
(2)20%~40%である制限水分状態
(3)CO発生速度が最大となった後にCO発生速度1×10-5mol/h/g乾燥コンポスト~3×10-5mol/h/g乾燥コンポストである栄養制限状態。
【請求項24】 前記細菌類の活動制限状態が、少なくとも前記(3)栄養制限状態を含む請求項22又は23記載の糸状菌増殖用コンポスト。
【請求項26】 前記糸状菌が、植物病害防除機能及び土壌改質機能の少なくとも一方を有する糸状菌である請求項22又は23記載の糸状菌増殖用コンポスト。
【請求項27】 前記糸状菌共存生育可能細菌が、バージバチラス・ハロフィラスである請求項23記載の糸状菌増殖用コンポスト。
【請求項28】 前記糸状菌共存生育可能細菌が、I30-1株(FERM ABP-10975)である請求項23記載の糸状菌増殖用コンポスト。
産業区分
  • 無機化合物
  • その他農林水産
  • その他無機化学
  • 薬品
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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