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光学活性な3-オキサビシクロ[3.3.0]オクタン骨格を有する化合物およびその使用

国内特許コード P110001570
掲載日 2011年3月2日
出願番号 特願2003-318779
公開番号 特開2005-082559
登録番号 特許第4621904号
出願日 平成15年9月10日(2003.9.10)
公開日 平成17年3月31日(2005.3.31)
登録日 平成22年11月12日(2010.11.12)
発明者
  • 若村 定男
  • 秋野 順治
  • 安居 拓恵
  • 安田 哲也
  • 深谷 緑
  • 小野 裕嗣
  • 河野 務
  • 清末 義信
  • 楢原 稔
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 光学活性な3-オキサビシクロ[3.3.0]オクタン骨格を有する化合物およびその使用
発明の概要
【課題】新規な光学活性体の提供ならびにゴマダラカミキリの性刺激剤のための新規化合物およびそれを用いた性刺激剤の提供。
【解決手段】式I
【化1】



式中、RおよびRは、相互に独立して、1~10個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分枝アルキル基であり、これらの基は置換基として水酸基を有していてもよく、そして
破線部を含む二重結合は、単結合であることができる、
で表される化合物、および前記化合物に包含される化合物1、2および3からなる群の1種または2種以上を有効成分として含む、ゴマダラカミキリの性刺激剤。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


光学活性体は、生命科学分野において極めて重要な研究材料である。なぜなら、生態に関与する酵素や受容器は、一般にエナンチオ選択的に反応するからである。
したがって、天然型鏡像体のみならず、その対掌体やジアステレオマーを用いることによって、特定の生理活性物質を受容する受容器と活性物質との相互作用の立体選択性に関する知見を得ることができる。



しかしながら、光学活性体を高純度で合成することは必ずしも容易ではない。したがって、ある特定の光学活性体に対して、極力少ない工程数によって該光学活性体を合成することが常に希求されている。



前記のような少ない工程数による光学活性体の合成においては、その前駆体としての他の光学活性体が必須である。
例えば、抗腫瘍活性物質の一種であるサルコマイシンの合成は、シクロサルコマイシンを用いることによって、下記のように簡便に行えることが知られている。
【化4】




また、抗生物質であるメチレノマイシンやそのエピマーであるエピメチレノマイシンの合成においても、光学活性体が用いられる。



上記は前駆体としての光学活性体を用いることによる、目的物である光学活性体を合成する合成例である。しかしながら、上記のような前駆体としての光学活性体自体の合成が困難である場合には、このような光学活性体の簡便な合成は行い得ない。前記シクロサルコマイシンを用いたサルコマイシンの合成においても、シクロサルコマイシンは多段階の化学合成によってのみ得られているのが現状である



一方、特定の光学活性体が、生物によって生合成されていることが知られている。昆虫の各種フェロモン成分がその例である(非特許文献1)。
しかしながら、生合成された光学活性体の合成量は極めて微量であることが多い上に、その構造が複雑であるため、生物活性を有する光学活性体の前駆体として用い得る光学活性体を見いだすことは、必ずしも容易ではない。



以上のとおり、医薬、農薬分野等において、新たな光学活性体に対する多大なるニーズが存在している反面、そのニーズを満たすに足る、新たな光学活性体の供給はなされていないのが現状である。



一方、最近多くの害虫について、性フェロモンの化学構造が明らかにされ、誘引性の性フェロモンを用いて害虫の発生消長調査や交信撹乱法などによる害虫防除が実施されるようになっている。



フェロモンを利用した害虫防除法は、該フェロモンによって防除対象害虫を誘殺あるいは正常な生殖行動を攪乱することによって対象害虫を防除するものである。該方法は、対象害虫以外の生物に対する安全性の面等において、優れた方法である。



フトカミキリ亜科に属するゴマダラカミキリは、幼虫が柑橘類やプラタナスなど多種の木本植物の幹部及び地下部に食入して形成層付近を食害すると共に羽化した成虫が茎葉部を食害することによって、樹勢を著しく弱め、枯死に至らしめることも珍しくない、これらの植物に対する大害虫である。しかもゴマダラカミキリは、発生時期が数ヶ月と長期にわたる上、産卵が樹皮下になされるので殺虫剤による防除が困難である。また、果樹や街路樹に対する殺虫剤の使用には多くの制限がある。従って、ゴマダラカミキリを効果的に防除するためにも、殺虫剤に代わる新たな防除手段を開発する必要があり、フェロモンはゴマダラカミキリ防除の有効な資材になる可能性がある。



ゴマダラカミキリに関しては、本出願人らの出願による15-メチルヘントリアコンタンおよび/または4-メチルオクタコサンを活性成分として含有する性刺激剤に係る発明が特許第3079259号として、既に特許付与されている(特許文献1)。
また、これら以外の炭化水素類、すなわち、ヘプタコサン、ノナコサン、4-メチルヘキサコサン、9-メチルヘプタコサン、9-メチルノナコサンおよび15-メチルヘントリトリアコンタンならびに10-ヘプタコサノン等も、ゴマダラカミキリ雌性フェロモンの成分であることが明らかになっている(例えば特許文献2)。



しかしながら、ゴマダラカミキリの雌性フェロモンは、上記活性成分以外にも活性成分を含むものであると考えられていた。したがって、該未同定成分の特定、およびそれらの合成方法の確立が望まれていた。



【特許文献1】
特開平11-80039
【特許文献2】
特願2002-064763明細書
【非特許文献1】
森謙治、「生物活性天然物の不斉合成」、化学と生物、1994年、第32巻、第2号

産業上の利用分野


本発明は、3-オキサビシクロ[3.3.0]オクタン骨格を有する化合物およびその使用に関し、とくに該化合物を有効成分として含むゴマダラカミキリの防除あるいは発生予察のために有効な性刺激剤等の生理活性剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式I
【化1】


式中、Rはメチル基であり、Rは式II
【化2】


で表される基であり、破線部を含む二重結合は、単結合であることができる
で表される化合物。

【請求項2】
請求項1に記載の化合物1、2および3:
【化3】



【請求項3】
ゴマダラカミキリ雌成虫の鞘翅のエーテル抽出物の酢酸エチル画分に含まれる成分を含むゴマダラカミキリの性刺激剤であって、前記酢酸エチル画分に含まれる成分としては、請求項2に記載の化合物3を含む、ゴマダラカミキリの性刺激剤。

【請求項4】
請求項2に記載の化合物1および2、ヘプタコサン、ノナコサン、4-メチルヘキサコサン、4-メチルオクタコサン、9-メチルヘプタコサン、9-メチルノナコサン、15-メチルヘントリアコンタン、15-メチルトリトリアコンタン、10-ヘプタコサノン、(Z)-18-ヘプタコセン-10-オン、(18Z,21Z)-18,21-ヘプタコサジエン-10-オンおよび(18Z,21Z,24Z)-18,21,24-ヘプタコサトリエン-10-オンからなる群からの1種または2種以上をさらに含む、請求項3に記載のゴマダラカミキリの性刺激剤。

【請求項5】
請求項3または4に記載のゴマダラカミキリの性刺激剤を有効成分として含む、ゴマダラカミキリ防除材。

【請求項6】
さらに殺虫活性成分を含む、請求項5に記載のゴマダラカミキリ防除材。

【請求項7】
ゴマダラカミキリの性刺激剤を塗布したゼラチンカプセル、ガラス片、金属片またはプラスチック片を含む、請求項5または6に記載のゴマダラカミキリ防除材。

【請求項8】
ゴマダラカミキリの性刺激剤を含浸した不撚布またはスポンジ状物体を含む、請求項6に記載のゴマダラカミキリ防除材。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003318779thum.jpg
出願権利状態 登録


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