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発酵飼料中の硝酸態窒素・亜硝酸態窒素を低減する微生物

国内特許コード P110001571
掲載日 2011年3月2日
出願番号 特願2009-157011
公開番号 特開2011-010594
登録番号 特許第5470637号
出願日 平成21年7月1日(2009.7.1)
公開日 平成23年1月20日(2011.1.20)
登録日 平成26年2月14日(2014.2.14)
発明者
  • 蔡 義民
  • 楊 勁松
  • 上垣 隆一
  • 寺田 文典
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 発酵飼料中の硝酸態窒素・亜硝酸態窒素を低減する微生物
発明の概要 【課題】 硝酸態窒素含有量の高い発酵飼料原料(特に野菜残さ、サイレージ原料である牧草や飼料作物、TMR発酵飼料原料)を用いて発酵飼料を調製した際に、発酵飼料中の硝酸態窒素および亜硝酸態窒素を‘安全性が高く’且つ‘顕著に’低減する方法、を提供することを目的とする。また、良質な発酵飼料(特に野菜残さ発酵飼料、サイレージ、TMR発酵飼料)を製造することを目的とする。
【解決手段】 優れた硝酸態窒素低減能および良質な発酵飼料の製造に適した性質を有する新規のバチルス属の菌株、および、優れた亜硝酸態窒素低減能および良質な発酵飼料の製造に適した性質を有する新規の乳酸菌の菌株、;前記菌株を含有してなる発酵飼料製造用の微生物製剤、;前記菌株を添加することを特徴とする硝酸態窒素および亜硝酸態窒素が低減された発酵飼料(詳しくは、野菜残さ発酵飼料、飼料作物・牧草サイレージ、TMR発酵飼料)の製造方法、;を提供する。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要



野菜豊作時の余剰野菜カット野菜工場より排出される食品残さ(野菜残さ)は、年間排出量が多く、タンパク質やビタミン類は豊富に含まれる。

しかしながら、このような野菜残さ、特に、キャベツ、白菜などの葉菜類などには、硝酸態窒素含量が高い(非特許文献1参照)。また、このような野菜残さには、水分含量が高いものは多い。

そのため、これらを家畜飼料としては利用するためには、硝酸態窒素含量の低減および水分含量の調整などの良質の貯蔵法に工夫が必要であり、一部は圃場還元や堆肥化して処理されるか、そのほとんどは産業廃棄物として処理され、家畜飼料として有効に利用されてないのが現状である。

なお、このような水分含量が高い野菜残さは、長期にわたって貯蔵することはできないため、そのまま放置すると腐敗による悪臭や、蝿、蛆などの害虫の発生により、環境汚染に進展する恐れもあるため、排出後に早急に適切な処理が必要である。そのため、食品製造工場から排出された野菜残さは、排出後の迅速乾燥が必要となるが、高水分の食品副産物を乾燥するには、大型乾燥機の導入や多くの熱エネルギーを必要とする。したがって、製造コストが上がり、事実上、家畜飼料としての活用は極めて困難である。





また、発酵飼料の原料に用いる飼料作物の畑には、堆厩肥が多く施用され、土壌中に窒素や塩類が高濃度に集積した飼料畑が多い。この様な圃場で栽培される‘野菜’、‘牧草’および‘飼料作物’中に硝酸態窒素(NO-N)が多く蓄積されている。

また、TMR発酵飼料の原料の中にも、硝酸態窒素(NO-N)を多く含むものがある。





従って、これらを原料として発酵飼料を調製する場合、硝酸態窒素含量が高いため、家畜に給与する場合、硝酸塩中毒を発生する場合があり、安全対策が求められる。

例えば、サイレージ発酵過程において、硝酸還元菌の働きによって、硝酸態窒素を減少させる方法(非特許文献2参照)や、触媒と還元剤を用いた化学反応により、硝酸態窒素を無害な窒素ガスに変換する方法(非特許文献3参照)、が報告されている。

しかしながら、硝酸還元菌の働きは不明であり、硝酸態窒素低減効果も不十分であり、安全な発酵飼料を調製・確保できる程度に技術が確立していない。また、触媒や還元剤を用いた方法で調製したものは、安全性の点で飼料として適さない。さらに、これらの還元過程で生じる亜硝酸態窒素も毒性がある物質であり、飼料中に残存すると好ましくない。





このように、従来技術では、発酵飼料中の硝酸態窒素の有効な低減技術が開発されておらず、上記のような野菜残さは産業廃棄物として処分され、硝酸態窒素含有量の高い飼料作物も安全に利用できないのが現状である。

従って、家畜生産において、これら野菜残さや未利用の飼料作物などの低・未利用資源を有効に利用することは、飼料自給率を向上することだけでなく、環境の保全や資源循環型の畜産を進めるためにも極めて有用な技術であり、極めて重要な課題である。

産業上の利用分野



本発明は、新規の硝酸態窒素低減能もしくは亜硝酸態窒素低減能を有する微生物菌株に関し、詳しくは、優れた硝酸態窒素低減能および良質な発酵飼料の製造に適した性質を有する新規のバチルス属の菌株、および、優れた亜硝酸態窒素低減能および良質な発酵飼料の製造に適した性質を有する新規の乳酸菌の菌株に関する。

また本発明は、前記菌株を含有してなる発酵飼料製造用の微生物製剤、;前記菌株を添加することを特徴とする硝酸態窒素および亜硝酸態窒素が低減された発酵飼料(詳しくは、野菜残さ発酵飼料、飼料作物・牧草サイレージ、TMR発酵飼料)の製造方法、;に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
嫌気条件および低pH条件で生育可能であり、酸耐性、胞子形成能、高温耐性、並びに、優れた硝酸態窒素低減能を有する「バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)NAS1菌株(NITE P-753)」。

【請求項2】
嫌気条件および低pH条件で生育可能であり、酸耐性、優れた乳酸生成能、並びに、優れた亜硝酸態窒素低減能を有する「ラクトコカス・ラクティス(Lactococcus lactis)NAS2株(NITE P-754)」。

【請求項3】
発酵飼料用原料に、請求項1に記載の菌株および請求項2に記載の菌株、を添加することを特徴とする、;硝酸態窒素および亜硝酸態窒素が低減された発酵飼料の製造方法。

【請求項4】
前記発酵飼料用原料が、野菜残さ、サイレージ原料である牧草又は飼料作物、およびTMR発酵飼料用原料、のいずれか1以上のものである、請求項3に記載の発酵飼料の製造方法。

【請求項5】
請求項1に記載の菌株および請求項2に記載の菌株、を含有してなる発酵飼料製造用の微生物製剤。

【請求項6】
請求項1に記載の菌株を含有してなる微生物製剤、および、請求項2に記載の菌株を含有してなる微生物製剤、を含む発酵飼料製造用の微生物製剤キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009157011thum.jpg
出願権利状態 登録


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