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腫瘍新生血管血管内皮細胞の新しいバイオマーカーとそれを標的とした癌治療薬 コモンズ

国内特許コード P110001591
整理番号 55
掲載日 2011年3月4日
出願番号 特願2009-245913
公開番号 特開2011-088876
登録番号 特許第5697010号
出願日 平成21年10月26日(2009.10.26)
公開日 平成23年5月6日(2011.5.6)
登録日 平成27年2月20日(2015.2.20)
発明者
  • 河野 公俊
  • 笹栗 靖之
  • 島尻 正平
  • 和泉 弘人
出願人
  • 学校法人産業医科大学
発明の名称 腫瘍新生血管血管内皮細胞の新しいバイオマーカーとそれを標的とした癌治療薬 コモンズ
発明の概要 【課題】血管新生のメカニズムを更に解明し、新たなメカニズムに立脚した、腫瘍の治療に有用な血管新生阻害剤を提供すること。
【解決手段】YB-1は腫瘍新生血管に特異的に発現し、血管内皮細胞の増殖因子依存的な増殖に寄与する。従って、YB-1の発現を阻害することにより、血管内皮細胞の増殖を抑制し、血管新生を阻害することができる。YB-1は腫瘍新生血管の血管内皮細胞に特異的に発現するので、YB-1の発現を阻害すると、腫瘍新生血管の血管内皮細胞の増殖(即ち、腫瘍組織における血管新生)を選択的に阻害することが出来る。また、YB-1は、腫瘍細胞の薬剤耐性や増殖へ関与するので、YB-1の発現を阻害することにより、腫瘍細胞と腫瘍新生血管の血管内皮細胞の双方の増殖を阻害することが可能となる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


YB-1はコールドショックドメインを有し、ヒト癌細胞の核内と細胞質に局在する。P-糖タンパク質(MDR1、ABCB1)などのABCトランスポーターやDNA修復関連酵素の発現を上昇させ、広く薬剤耐性の獲得について重要な鍵を握ると考えられる。さまざまな癌腫において、YB-1の核内局在や発現レベルはP-糖タンパク質依存性また非依存性の薬剤耐性や予後不良と有意な相関を示すことが報告されている(非特許文献1)。YB-1については、九州大学や産業医科大学の研究グループが、卵巣癌、乳癌、骨肉腫などの多くのヒト癌腫と関連することを報告している(特許文献1)。彼らは、EGFRなどの増殖因子や細胞周期関連遺伝子の発現をYB-1が制御していることも明らかにしてきている。例えば、EGFRをはじめ、いくつかの増殖関連遺伝子のプロモーター領域付近に転写因子YB-1の結合部位であるY-ボックスの存在が確認されている。



腫瘍や腫瘍間質は血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を産生して血管を腫瘍に引き込み、栄養や酸素を取り込もうとする。VEGFの過剰発現は腫瘍の血管新生や転移と関連し、また腫瘍の進行や予後不良と相関することが、大腸癌、胃癌、肺癌などさまざまな癌で報告され、VEGFを標的にした分子標的治療が進められている(特許文献2)。ベバシツマブ(アバスチン)はVEGFのいずれのアイソフォームも認識可能なモノクローナル抗体であり、VEGFに結合してVEGFの働きを阻害する。日本国内では2007年に承認を受け、大腸癌や非小細胞肺癌の治療に用いられている。



RNA干渉(RNAi)をベースにしたsiRNAの癌治療への応用が進められている(非特許文献2)。米Alnylam Pharmaceuticals社は2009年4月3日、肝癌を対象に、同社が開発したRNA干渉をベースとする治療薬「ALN-VSP」のフェーズ1試験を開始したと発表した。RNA干渉は、短い2本鎖RNA(siRNA)を導入することで、標的とするmRNAを分解して、遺伝子発現を停止させるものである。ALN-VSPは2種のsiRNAを含んでおり、癌細胞の増殖に関わるキネシンスピンドルタンパク質(KSP)及び血管新生を促す血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の2つの遺伝子をターゲットとしている。



ALN-VSPを含めて、VEGF等の血管内皮成長因子を標的にした分子標的薬が海外にて多数治験されているが、血管新生の機序は未だ不明な点が多く、抗VEGF抗体も化学療法との併用が必要で当初期待したほどの効果は得られていない。また、血管新生阻害による想定外の影響が研究結果で示されている(非特許文献3及び4)。



そこで、血管新生のメカニズムを更に解明し、新たなメカニズムに立脚した血管新生阻害剤を開発し、腫瘍の治療に応用することが求められている。

産業上の利用分野


本発明は、腫瘍新生血管血管内皮細胞の検出方法及びそのための試薬、血管新生(特に腫瘍血管新生)の阻害剤及びそのスクリーニング方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
インビトロにおいてYB-1の発現を測定することを含む、腫瘍新生血管血管内皮細胞の検出方法。

【請求項2】
血管内皮細胞特異的バイオマーカー又は新生血管血管内皮細胞特異的バイオマーカー(ただし、YB-1を除く)の発現を測定することを更に含む、請求項1記載の方法。

【請求項3】
YB-1を特異的に認識し得る抗体、或いはYB-1をコードするmRNA又はcDNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを含む、腫瘍新生血管血管内皮細胞の検出用試薬。

【請求項4】
更に、血管内皮細胞特異的バイオマーカー又は新生血管血管内皮細胞特異的バイオマーカー(ただし、YB-1を除く)を特異的に認識し得る抗体、或いは血管内皮細胞特異的バイオマーカー又は新生血管血管内皮細胞特異的バイオマーカー(ただし、YB-1を除く)をコードするmRNA又はcDNAを特異的に検出し得る核酸プローブ又は核酸プライマーを更に含む、請求項3記載の試薬。

【請求項5】
YB-1の発現を特異的に抑制し得るsiRNA、アンチセンス核酸、又はこれらのポリヌクレオチドを発現し得る発現ベクターを含む、腫瘍血管の血管新生阻害剤。

【請求項6】
インビトロ又は非ヒト哺乳動物を用いたインビボの系において、被験物質がYB-1の発現を抑制し得るか否か評価することを含む、腫瘍血管の血管新生阻害剤の候補物質のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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