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気道確保補助具 コモンズ 実績あり

国内特許コード P110001592
整理番号 58
掲載日 2011年3月4日
出願番号 特願2010-154132
公開番号 特開2011-115549
登録番号 特許第5653095号
出願日 平成22年7月6日(2010.7.6)
公開日 平成23年6月16日(2011.6.16)
登録日 平成26年11月28日(2014.11.28)
優先権データ
  • 特願2009-246071 (2009.10.27) JP
発明者
  • 曽我部 靖博
出願人
  • 学校法人産業医科大学
発明の名称 気道確保補助具 コモンズ 実績あり
発明の概要 【課題】要救助者の頭部の左右倒屈を防ぎ、救助に使い勝手がよい気道確保補助具の提供。
【解決手段】上部に開口する箱状に形成され、後側面にヒトの後頸部乃至後頭部が収容可能な幅の切込部が形成された筐体2と、上面にヒトの後頸部が収容可能な湾凹溝13aが形成された低反発部材からなり、仰臥位のヒトの後頸部を持ち上げて支持する頸部支持部材13と、筐体2の箱内で仰臥位におけるヒトの側頭部を左右から押圧することにより固定する側頭部固定具(7,8,9)とを備えた。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


水難事故等により意識レベルが低下した人では、筋肉が弛緩し舌根が後方(背側)に落ち込む舌根沈下が生じ、上気道の閉塞が起こる場合がある。かかる場合、呼吸のための換気路を確保するために、頚椎に損傷が疑われない際の救命措置として頭部後屈顎先挙上法が広く用いられている。頭部後屈顎先挙上法は、要救助者を仰臥位とし、救助者が、片手を要救助者の額にあて、もう片方の手の人差指と中指の2本をあご先にあて、これを持ち上げて頭部だけを平行に挙上させることで、気道を確保する方法である。このときの要救助者の頭位は「嗅ぐ姿勢(sniffing position)」といわれている(非特許文献1参照)。



嗅ぐ姿勢での気道確保がうまくできている場合には、門歯から声門までの通路がほぼ直線となるように、口腔、咽頭、喉頭、及び気管の軸が直線上に合わされる。このような気道確保を安全且つ有効に行うには、十分な訓練と経験が必要である。そこで、現在までに、頭部後屈時の気道確保を容易に行うことができるように支援するための種々の気道確保補助具が考案されている。



特許文献1には、気道確保補助具として図12に示すような「医療支持枕」が開示されている。図12において、支持枕100は、基部101、要救助者の頭部を支持する頭部支持部102及び頸部を支持する頸部支持部103がウレタン発泡体等の緩衝材により一体に構成されている。この支持枕100は、左側面104、右側面105、ネック端部106、ヘッド端部107、及び底面112を備えている。また、頭部支持部102の上面をなす頭部支持面は、中央頭部支持面108、左頭部支持面109、及び右頭部支持面110の3つの部分から構成されている。この頭部支持面は、左右側から中央に向かって凹窩状に形成され、また、ネック端部106側からヘッド端部107側に向かって下向きに傾斜している。一方、頸部支持部103は、適切な気道確保のために屈曲位で要救助者の頸部を支持するために左右方向を中心軸とする倒円柱形状(卷体状)に構成されており、要救助者の頸部を支持する頸部支持表面111を備えている。また、支持枕100は、緩衝をよくするため上面全体にわたって、波状凹凸が形成されている。



この支持枕100を使用する場合には、図12(c)に示したように、要救助者の頭部を凹窩状の中央頭部支持面108に載せてその左右の左頭部支持面109及び右頭部支持面110で挟み、要救助者の後頭頸部を頸部支持表面111上に支持して頭部を後屈させる。このとき、要救助者の後頭部から両側頭部は、中央頭部支持面108及び左頭部支持面109,右頭部支持面110によって挟まれ、要救助者の頸部は頸部支持表面111により挙上された状態となり、自動的に定位される。図12(c)において、軸線O-Oは口腔咽頭軸(oropharyngeal axis)を表し、軸線L-Lは喉頭軸(laryngeal axis)を表し、軸線T-Tは気管軸(tracheal axis)を表す。定位された状態では、図12(c)に示すように、気道確保に適切なように一直線に揃えられる。これにより、気道確保が容易となる。



また、特許文献2-6にも、特許文献1と同様の考え方に基づいて気道確保のための補助を行う「頸椎矯正枕」、「幼児サポート装置」、「救急用ヘッドレスト」、「気道確保装置(Airway Management Apparatus:AMA)」がそれぞれ記載されている。



また、特許文献7には、図13に示すような顎挙上高さが調整可能な気道確保装置が記載されている。図13において、気道確保装置120は、支持板121、マット122、面ファスナ123、及び調節シリンダ124を備えている。使用の際には、図13(b)に示すように、床面Fに調節シリンダ124を置き、その上に、支持板121を傾斜させた状態で設置する。調節シリンダ124の位置を調節することによって、支持板121の傾斜角度を調節することができる。要救助者の上背部を支持板の上に載せ、後頸部が支持板121の最上端に位置させ、頭部が床面Fに向けて後屈するように配置する。これにより、気道確保が行われる。この気道確保装置120は、要救助者の体格に応じて、支持板121の傾斜角を調節し、気道確保に最適な嗅ぐ姿勢をとらせることができることを特徴としている。

産業上の利用分野


本発明は、意識レベルの低下した人の舌根沈下による気道閉塞を頭部後屈顎先挙上により解除するための気道確保補助具に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒトの頭部から頸部を嗅ぐ姿勢に保持することにより気道確保の補助を行うための気道確保補助具であって、
上部が開口された箱状に形成され、後側面に仰臥位におけるヒトの後頸部乃至後頭部が収容可能な幅の切込部が形成された筐体と、
上面にヒトの後頸部が収容可能な湾凹溝が形成された低反発部材からなり、仰臥位におけるヒトの後頸部を持ち上げて支持する頸部支持部材と、
前記筐体の箱内で仰臥位におけるヒトの側頭部を左右から押圧することにより固定する側頭部固定具と、
を備えたことを特徴とする気道確保補助具。

【請求項2】
前記筐体の後側面の外側に付設され、当該筐体の後側面から後方に向かって下方に傾斜する傾斜面を形成する上背部支持部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の気道確保補助具。

【請求項3】
前記上背部支持部材は板状部材で構成されており、
前記筐体の後側面の外側には、板状の前記上背部支持部材の前端部を支持する板端支持具が、前記筐体の底面からの高さが調節自在に付設されていることを特徴とする請求項2記載の気道確保補助具。

【請求項4】
前記上背部支持部材は前記筐体の上部開口を掩蔽可能な板状部材であり、前記上背部支持部材を前記筐体の上部開口に取り付ける蓋取付部材を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の気道確保補助具。

【請求項5】
前記上背部支持部材は板状部材で構成されており、前記筐体の前記切込部が形成された縁辺にスライド蝶番により枢着されており、
前記スライド蝶番は、前記上背部支持部材が開扉したときに、前記上背部支持部材の前記筐体の前記切込部に対向する辺が、前記筐体の前記切込部が形成された辺よりも下方に位置するようにスライドするように構成されていることを特徴とする請求項2記載の気道確保補助具。



【請求項6】
前記上背部支持部材の上面に脱着自在に敷設された低反発部材からなる上背部支持マットを備えたことを特徴とする請求項2乃至5の何れか一記載の気道確保補助具。

【請求項7】
前記上背部支持マットの下面に設けられた膨縮自在な角度微調整エアマットを備えたことを特徴とする請求項6記載の気道確保補助具。

【請求項8】
前記上背部支持マット、前記頸部支持部材、及び前記側頭部固定具は、前記筐体内に収容可能であり、前記上背部支持部材は前記筐体の上部開口を掩蔽可能な板状部材であり、前記上背部支持部材を前記筐体の上部開口に取り付ける蓋取付部材を備えたことを特徴とする請求項6又は7記載の気道確保補助具。

【請求項9】
前記筐体の内底面に敷設された低反発部材からなる頭部支持マットを備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一記載の気道確保補助具。

【請求項10】
前記上背部支持部材の上面の傾斜下方側の辺付近に一辺が枢着された硬平板状の揚背板と、
前記揚背板と前記上背部支持部材との間に挟入された空気嚢と、
前記空気嚢に空気を送気するための送気部と、
を備えたことを特徴とする請求項2記載の気道確保補助具。

【請求項11】
前記側頭部固定具は、
ヒトの左右の側頭部にそれぞれ当設させる低反発部材からなる二つの押圧クッションと、
前記各押圧クッションに対応して前記筐体内の左側面及び右側面に付設され、空気圧により前記押圧クッションを押圧するエアシリンダと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一に記載の気道確保補助具。

【請求項12】
前記側頭部固定具は、
ヒトの左右の側頭部にそれぞれ当設させる低反発部材からなる二つの押圧クッションと、
前記各押圧クッションに対応して前記筐体内の左側面及び右側面に付設され、空気圧により蛇腹が伸縮することによって前記押圧クッションを押圧するプッシャと、を備えたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一に記載の気道確保補助具。

【請求項13】
空気を送気するための送気部と、
先端側が二方向に分岐し、左右の前記側頭部固定具の前記エアシリンダ又は前記プッシャと前記送気部の送気口とを接続するエアチューブと、
前記エアチューブに設けられ、前記送気部から前記各エアシリンダ又は前記各プッシャへの給気の通断を行う給気弁と、を備えたことを特徴とする請求項11又は12に記載の気道確保補助具。

【請求項14】
前記筐体内に取り出し可能に収容された自動体外式除細動器を備え、前記筐体の一面には、前記筐体内部を外部から視認可能とする透明板からなる窓部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一に記載の気道確保補助具。

【請求項15】
前記上背部支持部材の上面の傾斜下方側の辺付近に配設された圧力センサと、
前記圧力センサが所定の値以上の圧力を検出したときに点灯する報知ランプと、
を備えたことを特徴とする請求項2乃至14の何れか一に記載の気道確保補助具。

【請求項16】
前記筐体内に配設されたスピーカ及びマイク並びに制御装置を備え、前記制御装置は、無線回線を通じて外部との通信が可能であることを特徴とする請求項1乃至15の何れか一に記載の気道確保補助具。

【請求項17】
前記筐体内に配設されたスピーカ及び開蓋センサ並びに制御装置を備え、前記制御装置は、前記開蓋センサにより前記上背部支持部材が開蓋されたことを検出すると、前記スピーカにより使用方法を説明する音声ガイダンスを出力することを特徴とする請求項4又は5に記載の気道確保補助具。
産業区分
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010154132thum.jpg
出願権利状態 登録


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