TOP > 国内特許検索 > 半導体論理回路装置の故障診断方法及び故障診断プログラム

半導体論理回路装置の故障診断方法及び故障診断プログラム 実績あり

国内特許コード P110001662
整理番号 10012
掲載日 2011年3月9日
出願番号 特願2010-092911
公開番号 特開2010-217188
登録番号 特許第4919237号
出願日 平成22年4月14日(2010.4.14)
公開日 平成22年9月30日(2010.9.30)
登録日 平成24年2月10日(2012.2.10)
発明者
  • 温 暁青
  • 梶原 誠司
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 半導体論理回路装置の故障診断方法及び故障診断プログラム 実績あり
発明の概要

【課題】効率性を保持しつつ精確性を高くした半導体論理回路装置の故障診断方法及び故障診断プログラムを提供する。
【解決手段】半導体論理回路装置の回路情報において、X故障ゲートGiのファンアウト信号線に出現可能な故障論理値を表すX記号を挿入する。次に、テスト入力ベクトルVECを入力信号線に入力して初期シミュレーション出力ベクトルISOを出力信号線に得る。次に、X記号に2値論理シミュレーションを行ってX分解によるシミュレーション出力ベクトルを得る。次に、実際の半導体論理回路装置に対してテスト入力ベクトルVECを入力信号線に入力した際の観測出力ベクトルとシミュレーション出力ベクトルとの比較結果に応じて半導体論理回路装置の故障存在被疑領域を特定化する。
【選択図】図4

従来技術、競合技術の概要


一般に、半導体論理回路装置におけるシリコンデバッグ、歩留向上及び信頼性向上のために、故障半導体論理回路装置の不良解析を行う。この場合、図16に示すごとく、一般的には、ステップ1601において、故障診断方法により故障箇所が存在する可能性がある領域(以下、被疑領域)を特定する。次いで、ステップ1602において、非破壊的観測手段たとえば光学的手段によりステップ1601において特定化された被疑領域から故障箇所を特定化する。最後に、ステップ1603において、物理的手段たとえば破壊手段によりステップ1602において特定化された故障箇所の不良発生原因を解析する。



本発明は図16の故障箇所の被疑領域特定化ステップ1601に関する。



図16のステップ1601の故障診断方法には高い精確性及び高い効率性が要求される。



精確性とは故障箇所がステップ1601によって特定された被疑領域に存在する可能性を意味する。すなわち、精確性が低い場合には、ステップ1602において故障箇所が特定化されず、従って、ステップ1603における不良解析が不可能となる。他方、精確性が高い場合には、ステップ1602において故障箇所の特定化の可能性が大きく、最高の精確性の場合には故障箇所が必ず特定化され、従って、ステップ1603における不良解析が可能となる。



また、効率性とはステップ1601によって特定された被疑領域の大きさに依存する。すなわち、効率性が低い場合には、ステップ1601によって特定された被疑領域は大きく、従って、ステップ1602において故障箇所の特定化に要する時間が長くなる。他方、効率性が高い場合には、ステップ1601によって特定された被疑領域は小さく、従って、ステップ1602において故障箇所の特定化に要する時間が短くなる。



半導体論理回路装置の故障は、3つの特性、つまり、単純か複雑かの複雑特性、静的か動的かの時間特性、単一か多重かの個性特性によって分類できる。このうち、単純、静的及び単一の故障はゲートの1つの信号線の論理値が0もしくは1に固定されるという単一縮退故障による故障診断方法により高い精確性及び効率性が容易に達成される。他方、複雑、動的及び多重の故障の故障診断方法の高い精確性及び効率性の達成は容易でない。特に、近年、半導体論理回路装置の高集積化及び微細化に伴い、故障の不良原因も多様化し、複雑、動的及び多重の故障が問題となり、この結果、故障診断方法の精確性及び効率性が急速に低下している。



従来の複雑、動的及び多重の故障の故障診断方法として、単一縮退故障モデルを用いてパー・テスト(Per-Test)故障診断を行う方法である(参照:非特許文献1)。すなわち、情報収集ルーチンにおいて、ゲートに対して1箇所の故障に対応する単一縮退故障モデルを用いてテスト入力ベクトル毎に出力ベクトルのシミュレーション結果(シミュレーション出力ベクトル)を予め得ておく。次に、故障診断ルーチンにおいて、テスト入力ベクトル毎に観測出力ベクトルが期待出力ベクトルに一致するか否かを判別し、この結果、観測出力ベクトルが期待出力ベクトルと不一致のときのみ(この場合のテスト入力ベクトルをフェイルテスト入力ベクトルと言う)、上述のシミュレーション出力ベクトルと観測出力ベクトルとのマッチング演算を行って、マッチング値としての故障診断値よりなる故障診断値表を生成する。この場合、マッチング値は0あるいは1である。次いで、この故障診断値表からフェイルテスト入力ベクトルのすべてを被覆(cover)する最小故障集合(マルチプレット)を見つけることにより診断結果を抽出する。この場合、あるフェイルテスト入力ベクトルを説明できない故障であっても、その故障は破棄されず、その代り、次のフェイルテスト入力ベクトルによって再度確認される。従って、複雑、動的及び多重の故障を扱うことができる。

産業上の利用分野


本発明は半導体論理回路装置の故障診断方法及び故障診断プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
入力信号線(I,I,…)、出力信号線(O,O,…)及び前記入力信号線と前記出力信号線との間に接続された複数のゲート(G,G,…)を有する半導体論理回路装置(1)の故障診断方法において、
前記半導体論理回路装置の回路情報に従って、前記複数のゲートの1つのゲートのファンアウト信号線(b,b,…)に出現可能な故障論理値を表す記号(X,X,…)を挿入する記号挿入工程と、
テスト入力ベクトル(VEC)を前記半導体論理回路装置の入力信号線に入力して前記記号を前記ファンアウト信号線の番号情報と共に前記半導体論理回路装置の出力信号線に伝播させて該出力信号線に初期シミュレーション出力ベクトル(ISO)を得る信号伝播工程と、
前記挿入された記号のうち、前記初期シミュレーション出力ベクトルに含まれている前記ファンアウト信号線の番号に対応する記号に対して2値論理シミュレーションを行うことにより前記半導体論理回路装置の出力信号線に出力ベクトルを得、該出力ベクトルから前記半導体論理回路装置の期待出力ベクトル(EXO)を除いてシミュレーション出力ベクトル(P,P,…)を得る記号分解工程と、
前記半導体論理回路装置の入力信号線に前記テスト入力ベクトルを入力した際の該半導体論理回路装置の出力信号線に得られる観測出力ベクトル(OBO)と前記シミュレーション出力ベクトルとの比較結果に応じて前記半導体論理回路装置の故障存在被疑領域を特定化する故障診断工程と、
前記半導体論理回路装置の回路情報に従って、故障候補ゲートから到達可能な前記半導体論理回路装置の出力信号線を表す到達可能出力ベクトル(ARO)を演算する到達可能出力ベクトル演算工程と
を具備し、
前記故障診断工程は、
前記テスト入力ベクトルを入力した際の観測出力ベクトル(OBO)と前記テスト入力ベクトルを入力した際の期待出力ベクトル(EXO)とを比較する第1の比較工程と、
前記観測出力ベクトルが前記期待出力ベクトルと不一致のときのみ、前記テスト入力ベクトルを入力した際の前記故障候補ゲート(G)のシミュレーション出力ベクトルと前記観測出力ベクトルとを比較する第2の比較工程と、
前記テスト入力ベクトルを入力した際の前記故障候補ゲートの前記シミュレーション出力ベクトルと前記観測出力ベクトルとが一致したとき、第1のマッチング値を、前記故障候補ゲートの到達可能出力ベクトルによって定められる範囲内の前記観測出力ベクトルと前記期待出力ベクトルとのエラー率及び前記故障候補ゲートの前記半導体論理回路装置の出力信号線までの実質的距離に依存する故障レベルによって演算する第1のマッチング値演算工程と、
前記テスト入力ベクトルを入力した際の前記故障候補ゲートの前記シミュレーション出力ベクトルと前記観測出力ベクトルとが不一致のとき、第2のマッチング値を0とする第2のマッチング値演算工程と、
前記テスト入力ベクトルを入力した際の前記故障候補ゲートの前記シミュレーション出力ベクトルの数の前記第1、第2のマッチング値の平均値を第3のマッチング値として演算する第3のマッチング演算工程と
を具備する半導体論理回路装置の故障診断方法。

【請求項2】
前記第1のマッチング値は、
p(FVEC,G,j)
=(L(G)/Lmax)・(DEF∩ARO)/|ARO|
ただし、FVECはテスト入力ベクトル、
は故障候補ゲート、
jはシミュレーション出力ベクトルの番号(=1,2,…,k)、
DEFは観測出力ベクトルOBOと期待出力ベクトルEXOとの排他的論理オアによる差分ベクトル、
AROは到達可能出力ベクトル、
L(G)は、1)出力信号線の故障レベルをL=1とし、2)あるゲートの出力の故障レベルをLとすると、その入力の故障レベルをL+1とし、3)ゲートの信号線の故障レベルをL,L,…とすれば、そのゲートの出力(信号線の幹)の故障レベルはL,L,…の最大値とする、
ことによって導入される故障レベル、
maxは前記半導体論理回路装置内の最大故障レベル、
によって演算される請求項1に記載の半導体論理回路装置の故障診断方法。

【請求項3】
さらに、前記故障診断工程は、
前記テスト入力ベクトル及び前記故障候補ゲートを行及び列とする前記第3のマッチング値による故障診断値の原始故障診断値表を生成する原始故障診断値表生成工程と、
前記原始故障診断値表にある行及びある列において零でない故障診断値が唯一である必須故障がある存在する場合に、該必須故障を前記原始故障診断値表から削除して対象故障診断値表とし、該必須故障が存在しない場合に、前記原始故障診断値表を対象故障診断値表とする対象故障診断値表生成工程と、
前記対象故障診断値表から前記テスト入力ベクトルに対して零でない少なくとも1つの故障診断値を有する最小故障集合(被覆)より最小被覆を抽出する最小被覆抽出工程と、
前記必須故障がある場合に該必須故障を前記最小被覆に加えて最小故障集合(マルチプレット)とし、必須故障がない場合に、前記最小被覆を最小故障集合(マルチプレット)とする最小故障集合生成工程と
を具備する請求項1に記載の半導体論理回路装置の故障診断方法。

【請求項4】
さらに、前記故障診断工程は、前記最小故障集合を各故障候補ゲート毎の平均故障診断値を用いて順位付けする最小故障集合順位付け工程を具備する請求項3に記載の半導体論理回路装置の故障診断方法。

【請求項5】
入力信号線(I,I,…)、出力信号線(O,O,…)及び前記入力信号線と前記出力信号線との間に接続された複数のゲート(G,G,…)を有する半導体論理回路装置(1)の故障診断プログラムにおいて、
前記半導体論理回路装置の回路情報に従って、前記複数のゲートの1つのゲートのファンアウト信号線(b,b,…)に出現可能な故障論理値を表す記号(X,X,…)を挿入する記号挿入手順と、
テスト入力ベクトル(VEC)を前記半導体論理回路装置の入力信号線に入力して前記記号を前記ファンアウト信号線の番号と共に前記半導体論理回路装置の出力信号線に伝播させて該出力信号線に初期シミュレーション出力ベクトル(ISO)を得る信号伝播手順と、
前記挿入された記号のうち、前記初期シミュレーション出力ベクトルに含まれている前記信号線の番号に対応する記号に対して2値論理シミュレーションを行うことにより前記半導体論理回路装置の出力信号線に出力ベクトルを得、該出力ベクトルから前記半導体論理回路装置の期待出力ベクトル(EXO)を除いてシミュレーション出力ベクトル(P,P,…)を得る記号分解手順と、
前記半導体論理回路装置の入力信号線に前記テスト入力ベクトルを入力した際の該半導体論理回路装置の出力信号線に得られる観測出力ベクトル(OBO)と前記シミュレーション出力ベクトルとの比較結果に応じて前記半導体論理回路装置の故障存在被疑領域を特定化する故障診断手順と、
前記半導体論理回路装置の回路情報に従って、故障候補ゲートから到達可能な前記半導体論理回路装置の出力信号線を表す到達可能出力ベクトル(ARO)を演算する到達可能出力ベクトル演算手順と
を具備し、
前記故障診断手順は、
前記テスト入力ベクトルを入力した際の観測出力ベクトル(OBO)と前記テスト入力ベクトルを入力した際の期待出力ベクトル(EXO)とを比較する第1の比較手順と、
前記観測出力ベクトルが前記期待出力ベクトルと不一致のときのみ、前記テスト入力ベクトルを入力した際の前記故障候補ゲート(G)のシミュレーション出力ベクトルと前記観測出力ベクトルとを比較する第2の比較手順と、
前記テスト入力ベクトルを入力した際の前記故障候補ゲートの前記シミュレーション出力ベクトルと前記観測出力ベクトルとが一致したとき、第1のマッチング値を、前記故障候補ゲートの到達可能出力ベクトルによって定められる範囲内の前記観測出力ベクトルと前記期待出力ベクトルとのエラー率及び前記故障候補ゲートの前記半導体論理回路装置の出力信号線までの実質的距離に依存する故障レベルによって演算する第1のマッチング値演算手順と、
前記テスト入力ベクトルを入力した際の前記故障候補ゲートの前記シミュレーション出力ベクトルと前記観測出力ベクトルとが不一致のとき、第2のマッチング値を0とする第2のマッチング値演算手順と、
前記テスト入力ベクトルを入力した際の前記故障候補ゲートの前記シミュレーション出力ベクトルの数の前記第1、第2のマッチング値の平均値を第3のマッチング値として演算する第3のマッチング演算手順と
を具備することを特徴とする半導体論理回路装置の故障診断プログラム。



【請求項6】
前記第1のマッチング値は、
p(FVEC,G,j)
=(L(G)/Lmax)・(DEF∩ARO)/|ARO|
ただし、FVECはテスト入力ベクトル、
は故障候補ゲート、
jはシミュレーション出力ベクトルの番号(=1,2,…,k)、
DEFは観測出力ベクトルOBOと期待出力ベクトルEXOとの排他的論理オアによる差分ベクトル、
AROは到達可能出力ベクトル、
L(G)は、1)出力信号線の故障レベルをL=1とし、2)あるゲートの出力の故障レベルをLとすると、その入力の故障レベルをL+1とし、3)ゲートの信号線の故障レベルをL,L,…とすれば、そのゲートの出力(信号線の幹)の故障レベルはL,L,…の最大値とする、
ことによって導入される故障レベル、
maxは前記半導体論理回路装置内の最大故障レベル、
によって演算される請求項5に記載の半導体論理回路装置の故障診断プログラム。

【請求項7】
さらに、前記故障診断手順は、
前記テスト入力ベクトル及び前記故障候補ゲートを行及び列とする前記第3のマッチング値による故障診断値の原始故障診断値表を生成する原始故障診断値表生成手順と、
前記原始故障診断値表にある行及びある列において零でない故障診断値が唯一である必須故障がある存在する場合に、該必須故障を前記原始故障診断値表から削除して対象故障診断値表とし、該必須故障が存在しない場合に、前記原始故障診断値表を対象故障診断値表とする対象故障診断値表生成手順と、
前記対象故障診断値表から前記テスト入力ベクトルに対して零でない少なくとも1つの故障診断値を有する最小故障集合(被覆)より最小被覆を抽出する最小被覆抽出手順と、
前記必須故障がある場合に該必須故障を前記最小被覆に加えて最小故障集合(マルチプレット)とし、必須故障がない場合に、前記最小被覆を最小故障集合(マルチプレット)とする最小故障集合生成手順と
を具備する請求項5に記載の半導体論理回路装置の故障診断プログラム。

【請求項8】
さらに、前記故障診断手順は、前記最小故障集合の各最小故障を各故障候補ゲート毎の平均故障診断値を用いて順位付けする最小故障集合順位付け手順を具備する請求項7に記載の半導体論理回路装置の故障診断プログラム。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2010092911thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close