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高硫酸化コンドロイチン硫酸類の合成方法、高硫酸化コンドロイチン硫酸類、および解析用試薬 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110001695
掲載日 2011年3月11日
出願番号 特願2011-018629
公開番号 特開2012-157271
登録番号 特許第5885136号
出願日 平成23年1月31日(2011.1.31)
公開日 平成24年8月23日(2012.8.23)
登録日 平成28年2月19日(2016.2.19)
発明者
  • 杉浦 信夫
出願人
  • 学校法人 愛知医科大学
発明の名称 高硫酸化コンドロイチン硫酸類の合成方法、高硫酸化コンドロイチン硫酸類、および解析用試薬 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】高硫酸化コンドロイチン硫酸類の合成方法を提供する。
【解決手段】高硫酸化コンドロイチン硫酸類の合成方法は、コンドロイチンに、硫酸基転移酵素C4ST-1を作用させ、コンドロイチン硫酸のA構造を形成するステップ(A1)と、前記A構造に、硫酸基転移酵素GalNAc4S-6STを作用させ、コンドロイチン硫酸のE構造を形成するステップ(A2)と、前記E構造に、硫酸基転移酵素USTを作用させ、コンドロイチン硫酸のtriS構造を形成するステップ(A3)と、を含む。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate:CS)は、アミノ糖誘導体とヘキソース誘導体の繰り返し構造を有する直鎖状の多糖体であるグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan)の1つである。コンドロイチン硫酸は、コアタンパク質に結合したプロテオグリカンとして動物組織に広く分布しており、動物の発生・分化・成長および再生に重要な役割を担っている。コンドロイチン硫酸は、たとえば軟骨中の主要成分として、水和力や弾性に寄与して軟骨組織形成に役立っている。また、コンドロイチン硫酸は、多様な生理活性分子との結合性を示し、生理活性分子の貯留や、安定化あるいはマスキングの役割を持ち、細胞膜受容体と協働して、シグナル伝達機構を制御している。また、コンドロイチン硫酸は、神経系においては神経細胞の軸索の伸展促進や阻害効果を示し、免疫系細胞においては顆粒に存在し、免疫物質の蓄積や放出を制御している。マラリヤ原虫やウイルスなどの感染においては、コンドロイチン硫酸は、受容体となるとともに、感染阻害効果を示すことが知られている。多くの場合、以下に述べるD構造やE構造のようなコンドロイチン硫酸が、特に高い生理活性を示すことが知られている。



コンドロイチン硫酸は、分子量数万(糖鎖数20~400個)の直鎖多糖体構造を有する。この構造は、グルクロン酸(GlcA)とN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)とがβ1-3およびβ1-4で交互に結合した二糖の繰り返しを基本構造とする。コンドロイチン硫酸は、コンドロイチン(chondroitin:CH)が、たとえば図1に示すような多様な硫酸基修飾を受けた物質である。



具体的には、コンドロイチン硫酸(CS)は、コンドロイチン(chondroitin:CH)の二糖単位のうちGalNAc残基4位が硫酸化(4S)されたA構造(CSA)、GalNAc残基6位が硫酸化(6S)されたC構造(CSC)、GlcA残基2位とGalNAc残基6位の二糖単位の2カ所が硫酸化(2S,6S)されたD構造(CSD)、GalNAc残基の4位と6位の2カ所が硫酸化(4S,6S)されたE構造(CSE)、GlcA残基2位、GalNAc残基4位および6位の計3カ所が硫酸化(2S,4S,6S)されたtriS構造(CStriSまたはCtriS)など、様々な修飾二糖単位を含む。また、本明細書中では、A構造とC構造が1つのポリマー中に混在した構造をAC構造またはAC混在構造(CSAC)と呼び、A構造とD構造が1つのポリマー中に混在した構造をAD構造またはAD混在構造(CSAD)と呼び、D構造とE構造が1つのポリマー中に混在した構造をDE構造またはDE混在構造(CSDE)と呼ぶ。コンドロイチン硫酸は、これらの硫酸基修飾構造が組み合わさった、きわめて複雑な多糖体構造を有する。



コンドロイチンの糖鎖骨格を特異的に硫酸化する硫酸基転移酵素は、広く動物細胞が産生しており、硫酸基を修飾する糖残基の水酸基位置特異的に、それぞれ別個の酵素が存在する(非特許文献1)。ヒトでは、GalNAc残基の4位を硫酸化するコンドロイチン4硫酸基転移酵素として、C4ST-1、C4ST-2、C4ST-3の3個のアイソザイムが知られている。また、デルマタン硫酸骨格(GlcAがIdoAにエピメリ化したもの)のGalNAc残基4位を硫酸化する酵素であるD4STも存在する。また、GalNAc残基の6位に硫酸基を転移するコンドロイチン6硫酸基転移酵素として、ヒトではC6ST-1、C6ST-2の2個のアイソザイムがある。4位が硫酸化されたGalNAc(4S)残基の6位に特異的に硫酸基修飾しE構造をつくる酵素は、GalNAc4S-6硫酸基転移酵素(GalNAc4S-6ST)と呼ばれる。GalNAc(6S)残基の非還元末端側のGlcA残基の2位に硫酸基修飾しD構造をつくる酵素は、ウロン酸二硫酸基転移酵素(UST)と呼ばれる。

産業上の利用分野


本発明は、高硫酸化コンドロイチン硫酸類の合成方法、高硫酸化コンドロイチン硫酸類、および解析用試薬に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
コンドロイチンに、硫酸基転移酵素C4ST-1を作用させ、コンドロイチン硫酸のA構造を形成するステップ(A1)と、
前記A構造に、硫酸基転移酵素GalNAc4S-6STを作用させ、コンドロイチン硫酸のE構造を形成するステップ(A2)と、
前記E構造に、硫酸基転移酵素USTを作用させ、コンドロイチン硫酸のtriS構造を形成するステップ(A3)と、を含み、
ステップ(A1)~(A3)によって、コンドロイチン硫酸を構成する複数の二糖単位のうち、少なくとも一部が3硫酸化され、かつ少なくとも50%が2硫酸化または3硫酸化され、
分子量が1kDa~1000kDaであることを特徴とする高硫酸化コンドロイチン硫酸類の合成方法。

【請求項2】
コンドロイチンに、硫酸基転移酵素C4ST-1および硫酸基転移酵素C6ST-1を並行して作用させ、1分子のコンドロイチン中にA構造とC構造とを形成するステップ(B1)と、
前記C構造に、硫酸基転移酵素USTを作用させ、D構造を形成するステップ(B2)と、
前記D構造の形成後、前記A構造に硫酸基転移酵素GalNAc4S-6STを作用させ、E構造を形成するステップ(B3)と、を含み、
ステップ(B1)~(B3)によって、コンドロイチン硫酸を構成する複数の二糖単位のうち、少なくとも50%が2硫酸化され、
分子量が1kDa~1000kDaであることを特徴とする高硫酸化コンドロイチン硫酸類の合成方法。

【請求項3】
前記高硫酸化コンドロイチン硫酸類は、硫酸化度が140%以上である請求項1または2に記載の合成方法。

【請求項4】
コンドロイチンオリゴ糖にコンドロイチンポリメラーゼを作用させることにより、前記コンドロイチンを合成するステップをさらに含む請求項1~のいずれか1項に記載の合成方法。

【請求項5】
請求項1~のいずれか1項の合成方法により合成された高硫酸化コンドロイチン硫酸類。

【請求項6】
請求項に記載の高硫酸化コンドロイチン硫酸類を含み、生理活性分子または細胞表面分子と、当該高硫酸化コンドロイチン硫酸類とを特異的に相互作用させるための解析用試薬。

【請求項7】
前記高硫酸化コンドロイチン硫酸類は、担体固定化用の末端修飾基が付加されている請求項の解析用試薬。

【請求項8】
前記高硫酸化コンドロイチン硫酸類は、蛍光検出用の末端修飾基が付加されている請求項の解析用試薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011018629thum.jpg
出願権利状態 登録


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