TOP > 国内特許検索 > 粘膜下膨隆形成用ガス注入装置及びそれを用いた内視鏡

粘膜下膨隆形成用ガス注入装置及びそれを用いた内視鏡 コモンズ

国内特許コード P110001718
整理番号 S2008-0030-N0
掲載日 2011年3月14日
出願番号 特願2007-270891
公開番号 特開2009-095514
登録番号 特許第5257970号
出願日 平成19年10月18日(2007.10.18)
公開日 平成21年5月7日(2009.5.7)
登録日 平成25年5月2日(2013.5.2)
発明者
  • 浦岡 俊夫
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 粘膜下膨隆形成用ガス注入装置及びそれを用いた内視鏡 コモンズ
発明の概要

【課題】粘膜下層にガスが注入されることにより、隆起が高く安定した粘膜下膨隆を形成することのできる粘膜下層膨隆形成用ガス注入装置を提供する。
【解決手段】消化管の病変部を内視鏡的に切除する際に粘膜下層にガスを注入して病変部全体を膨隆させるための粘膜下膨隆形成用ガス注入装置であって、ガス供給手段と、穿刺手段と、ガス供給手段と穿刺手段とを接続するフレキシブルチューブを備えたことを特徴とする粘膜下膨隆形成用ガス注入装置である。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


消化管腫瘍に対する内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection;以下「EMR」と略記することがある)は、広く普及している(非特許文献1)。これは、内視鏡下で粘膜下層に局注針を介して局注液を注入することにより、病変全体を隆起させ(粘膜下膨隆形成)、スネアで絞扼(スネアリング)後、高周波電流を用いて病変を切除する方法である。粘膜下膨隆を形成することによりスネアリングを容易にすることができ、また、病変と筋層との距離を十分に保つことにより偶発症である腸管穿孔を予防することができる。EMRでは、局注液として生理食塩水が一般的に使用されてきたが、等張液のため粘膜下膨隆持続時間が短く、局注後からスネアリングまでを手早く進める必要があり、スネアリング自体も難しくなる場合があった。そのため、生理食塩水に代わる様々な局注液の臨床応用が考案されてきたが(特許文献1、非特許文献2、3及び4)、一括で切除できる病変の大きさに制限があり改善が望まれていた。



上記EMRにおける技術的な制限を改善した手法として、内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submucosal dissection;以下「ESD」と略記することがある)が考案され、早期胃癌の治療選択の一つとして確立されてきている(非特許文献5)。内視鏡的切除法に求められることは、病理組織学的診断と遺残・再発の面から可能な限り病変を一括切除することである。粘膜下膨隆を形成後に、高周波メスにて直接病変周囲粘膜を切開するとともに粘膜下層を剥離して病変を切除していくこの方法により、腫瘍径が大きな病変でも高い一括切除率が得られるとされている。ESDは手技自体の難易度が高く、熟練を要するとされている。したがって、腸壁の厚みが薄い大腸のESDでは、局注液として粘膜下膨隆持続時間が長いヒアルロン酸ナトリウム水溶液の使用が必須であった(非特許文献6及び7)。しかしながら、形成された粘膜下膨隆の隆起がそれほど高くない場合には穿孔の危険性があり、また、ヒアルロン酸ナトリウム水溶液は他の局注液に比べて高価であり、改善が望まれていた。



また、特許文献2には、消化管の病変部を内視鏡的に切除するために粘膜下層内に先端部が挿入されて粘膜下層を剥離する粘膜下層剥離処置具であって、管路が軸方向に延びて設けられ基端側に前記管路と連通された注入口が設けられた処置具本体と、前記管路の先端側に配設され、前記注入口から供給された流体によって膨張可能な膨張部とを備え、前記処置具本体の先端近傍に、柔軟限界と硬質限界との間の外力が加わった際に湾曲変形する柔軟部が設けられていることを特徴とする粘膜下層剥離処置具について記載されている。これによれば、粘膜下層剥離処置具を粘膜下層に挿入する際、誤って強い力で挿入したとしても、柔軟部が湾曲して挿入の際の力を逃がすことができるため、粘膜下層剥離処置具の挿入による穿孔のおそれを低減できるとされている。更にこのことにより、術者の技量に左右されることなく、簡便な方法で粘膜下層剥離処置具の粘膜下層への挿入を実現することができると報告されている。しかしながら、盲目的に粘膜下層に処置具を潜り込ませるため、穿孔の危険性が高く実用化が困難であり改善が望まれていた。



一方、非特許文献8には、血管造影及び血管造影による血管内治療の際に陰性造影剤として炭酸ガスを用いたことが記載されている。これによれば、シリンジ内に注入された炭酸ガスを血管内に注入することにより、炭酸ガスによる血管造影下での血管内治療が可能であるとされている。しかしながら、消化管における内視鏡の操作において炭酸ガスを使用することについては記載されていない。




【特許文献1】特開2001-192336号公報

【特許文献2】特開2006-333943号公報

【非特許文献1】小田島慎也他,「medicina」,2006年,Vol.43,No.8,p.1294-1297

【非特許文献2】Uraoka T他,「Gastrointestinal Endoscopy」,2005年,Vol.61,No.6,p.736-740

【非特許文献3】Conio M他,「Gastrointestinal Endoscopy」,2002年,Vol.56,No.4,p.513-516

【非特許文献4】Lee SH他,「Gastrointestinal Endoscopy」,2004年,Vol.59,No.2,p.220-224

【非特許文献5】Ono H他,「GUT」,2001年,Vol.48巻,p.225-229

【非特許文献6】Yamamoto H他,「Endoscopy」,2003年,Vol.35巻,p.690-694

【非特許文献7】Fujishiro M他,「Clinical gastroenterology and hepatology」,2007年,Vol.5,No.6,p.678-683

【非特許文献8】四方裕夫他,「日本心臓血管外科学会雑誌」,2005年,Vol.34,No.4,p.237-242

産業上の利用分野


本発明は、消化管の病変部を内視鏡的に切除する際に病変部全体を膨隆させるための装置及びそれを用いた内視鏡に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
消化管の病変部を内視鏡的に切除する際に粘膜下層に注入針を穿刺し、そのままガスを注入して病変部全体を膨隆させて粘膜下膨隆を形成し、該粘膜下膨隆の形成により粘膜下層を剥離させて病変部を一括切除するための粘膜下膨隆形成用ガス注入装置であって、ガス供給手段と、穿刺手段と、ガス供給手段と穿刺手段とを接続するフレキシブルチューブを備えたことを特徴とする粘膜下膨隆形成用ガス注入装置。

【請求項2】
注入されるガスが炭酸ガス、窒素ガス、アルゴンガスから選択される少なくとも1種のガスである請求項1記載の粘膜下膨隆形成用ガス注入装置。

【請求項3】
注入されるガスが炭酸ガスである請求項2記載の粘膜下膨隆形成用ガス注入装置。

【請求項4】
ガス供給手段が、ガスが圧縮されたボンベ及び減圧弁を有する請求項1~3のいずれか記載の粘膜下膨隆形成用ガス注入装置。

【請求項5】
ガス供給手段が、更にガス流量制御手段を備えた請求項1~4のいずれか記載の粘膜下膨隆形成用ガス注入装置。

【請求項6】
ガス流量が50ml/s以下である請求項1~5のいずれか記載の粘膜下膨隆形成用ガス注入装置。

【請求項7】
ガス供給手段が、ガスが封入された注射器である請求項1~3のいずれか記載の粘膜下膨隆形成用ガス注入装置。

【請求項8】
請求項1~のいずれか記載の粘膜下膨隆形成用ガス注入装置が装着された内視鏡。

【請求項9】
消化管の病変部を内視鏡的に切除する際に、粘膜下層に注入針を穿刺し、そのままガスを注入して病変部全体を膨隆させて粘膜下膨隆を形成し、該粘膜下膨隆の形成により粘膜下層を剥離させて病変部を一括切除するための粘膜下膨隆形成用ガス注入キットであって、ガス供給装置と、一端に注入針が設けられかつ他端がガス供給手段と接続可能なフレキシブルチューブとからなることを特徴とする粘膜下膨隆形成用ガス注入キット。
産業区分
  • 治療衛生
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2007270891thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close