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細胞シートの製造方法 コモンズ

国内特許コード P110001762
掲載日 2011年3月15日
出願番号 特願2010-188707
公開番号 特開2012-044905
登録番号 特許第5757706号
出願日 平成22年8月25日(2010.8.25)
公開日 平成24年3月8日(2012.3.8)
登録日 平成27年6月12日(2015.6.12)
発明者
  • 曽我 賢彦
  • 佐藤 公麿
  • 山口 知子
  • 高柴 正悟
  • 大谷 敬亨
  • 妹尾 昌治
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 細胞シートの製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】ヒトに対する移植治療に用いられる、抗菌性能を有した細胞シートを製造する方法の提供。
【解決手段】底面にポリ-N-イソプロピルアクリルアミド製の剥離性ポリマー層を有する容器中で、ヒト好酸球カチオン性タンパク質(ECP)を含有する培地の存在下に、ヒト由来(表皮・歯肉)線維芽細胞を培養する細胞シートの製造方法。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


病気や怪我などによって損傷した組織の再建術として、患者自身の正常な部位の組織を採取し、欠損部位に移植する自己移植が用いられている。例えば、歯周病の治療において、損失した歯周組織における結合組織部位を再建するために、結合組織の細胞塊が必要となる場合がある。その際には、保険診療として認められている遊離歯肉移植術が、主な治療方法として用いられている。



遊離歯肉移植術とは、具体的には口腔内の正常部位における結合組織床を広範囲に採取し、引き続いて損失した歯周組織に採取した結合組織床を移植するという方法である。この方法には、採取後の正常部位に残る欠損の回復手段が、自然治癒以外になく、術後に大きな疼痛を生じ、患者への負担が大きいという欠点を有している。



そこで、病気や怪我等の要因による損傷がもたらす、機能の低下、不全等に陥った組織、臓器等の再建術において、細胞を用いた再生医療の分野が非常に注目されている。



この分野では、再生医療に用いる細胞の由来が、臨床応用を展開する上で重要なテーマとなっており、近年では、幹細胞を用いた研究が脚光を浴び、その臨床応用が期待されている。一方で、体細胞を用いた組織、臓器等の再建術も実用性を有する重要な方法であり、現在では、培養皮膚、培養軟骨、培養骨、培養角膜等のように、移植術によって組織、臓器等を再建するための製品が多数開発され、臨床用に用いられる製品として上市されている。また、臨床現場では、熱傷患者の治療において、患者自身の正常な表皮組織を採取し、その組織を体外にて培養して、熱傷部位に移植する施術が、2009年1月に保険診療として認可された。



このように、患者自身の細胞等を採取して体外で培養して得られる細胞、組織等を移植に用いる方法は、患者自身の細胞等を原料として選択することができるので、移植後の生体親和性に優れる点で、実用的な治療方法であると認識されている。しかしながら、細胞等を体外で培養する際には、通常3週間程度の期間がかかり、培養効率の悪さに問題を有している。



また、細胞等を体外で培養する際において、培養後の細胞等を移植に用いる観点から、細菌などのコンタミネーションを厳密に抑制する必要があるが、培養時に多量の抗生物質を添加してコンタミネーションを防止しようとしても、細胞等の培養に悪影響を与えるので、好ましくないとされる上に、コンタミネーションを高度に抑制する点においても問題が生じている。また、一部の細胞を採取し、その細胞を体外にて培養して作成した細胞シートにおいて、移植術に好適に用いられる程度にまで物理的特性を示すものは開発されていない。



好酸球カチオン性タンパク質(ECP:Eosinophil Cationic Protein)とは、好酸球の活性化に伴って、発現が上昇するタンパク質であり、塩基性顆粒中に存在している(非特許文献1)。ECPのアミノ酸配列は霊長類の間で高い相同性をもって保存されており、寄生虫殺傷、神経毒、リンパ球増殖抑制、殺菌、ヒスタミン遊離、リボヌクレアーゼ、凝固時間短縮等の活性を有することが知られている(非特許文献2)。



特に、ヒスタミン遊離活性はアレルギー反応を惹起することから、ECPの発現抑制を薬理作用とする抗アレルギー薬が提案されており(特許文献1)、ECPを含む好酸球細胞株を、喘息薬や抗アレルギー薬のスクリーニングに利用することも提案されている(特許文献2)。そして、ECPが殺菌作用を有することは、非特許文献3においても開示されている。



また、ECPは細胞の生存維持、増殖及び/又は細胞分化の障害を原因とする疾患に対する治療薬組成物に、薬理学的成分として含有可能であることも知られている。しかしながら、実際に増殖促進効果が確認されているのは、マウス由来の線維芽細胞に対する効果に限られており、ラット由来の平滑筋細胞、ヒト由来の内皮細胞に対しては増殖促進効果を示さないことが開示されている(特許文献3)。

産業上の利用分野


本発明は、細胞シートの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
底面に剥離性ポリマー層を有する容器中で、ヒト由来好酸球カチオン性タンパク質(ECP)を含有する培地の存在下に、ヒト由来線維芽細胞を培養する細胞シートの製造方法。

【請求項2】
培地が、さらにアスコルビン酸を含有する請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
線維芽細胞が、表皮線維芽細胞又は歯肉線維芽細胞である請求項1に記載の製造方法。

【請求項4】
剥離性ポリマー層が、温度感受性ポリマーを含有する請求項1に記載の製造方法。

【請求項5】
温度感受性ポリマーが、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミドである請求項に記載の製造方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010188707thum.jpg
出願権利状態 登録
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