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幹細胞の未分化状態を維持する新規方法

国内特許コード P110001842
整理番号 2009000019
掲載日 2011年3月18日
出願番号 特願2009-148337
公開番号 特開2011-004607
登録番号 特許第5645197号
出願日 平成21年6月23日(2009.6.23)
公開日 平成23年1月13日(2011.1.13)
登録日 平成26年11月14日(2014.11.14)
発明者
  • 本田 雅規
  • 三上 剛和
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 幹細胞の未分化状態を維持する新規方法
発明の概要 【課題】CD271を用いて間葉系幹細胞、ES細胞、iPS細胞などの未分化状態を維持する方法の提供。
【解決手段】間葉系幹細胞、ES細胞、iPS細胞などの多能性の未分化細胞に、CD271を発現するベクターを導入する、または細胞膜透過化型リコンビナントCD271タンパク質を直接導入することによって、これらの細胞の未分化状態を維持する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


間葉系幹細胞(以下、MSCsとする)、ES細胞、iPS細胞などの細胞は、未分化であり、多能性を有する細胞として知られている。しかし、長期培養や培養条件の微細な変化によって多能性が喪失されたり、非特異的な分化が誘発されたりするという問題があり、様々な未分化状態を維持する方法が検討されてきた。
例えば、Fibrillarin、AOF2、TIF1β等をコードする遺伝子をこれらの細胞に導入する方法(特許文献1~3)や、Wntファミリーのタンパク質を含む未分化状態の維持用培地を用いて培養する方法(特許文献4)等が開発されている。



Fibrillarin、AOF2、TIF1βは、マウスES細胞が未分化状態を維持しながら増殖する際に必要となるLIF(leukemia inhibitor factor)存在下で、マウスES細胞に特異的に発現している遺伝子として知られている。しかし、これらは細胞質あるいは核内において発現するため、目的とするタンパク質が発現したか否かを細胞が生きたままの状態で確認することは困難である。従って、導入処理後の細胞集団において、タンパク質を発現している細胞と発現していない細胞を選別することが容易ではなく、それぞれの細胞が混在した状態であるため、その後の実験、解析等の障害となる可能性がある。
通常、この問題を解決するために、遺伝子導入を行う際に、ジェネティシン、ハイグロマイシン等の薬剤に対する耐性遺伝子を同時に導入し、それらの薬剤を用いて細胞を選別する。しかし、この方法はあくまでも薬剤耐性遺伝子の発現を確認するものであって、目的遺伝子の発現そのものを直接的に確認するものではない。また、目的遺伝子を発現している細胞のみを選別するためには、薬剤耐性となった細胞をシングルコロニーから培養する必要があるが、これには長期間の培養が必要となるため、その後の分化に影響を与える可能性も考えられる。従って、Fibrillarin、AOF2、TIF1β等の細胞質あるいは核内において発現する遺伝子を導入する方法はさまざまな問題を含んでいる。



CD271は、従来、神経系の細胞の細胞膜に局在して発現し、神経細胞の発生、生存および分化に関与することが知られていた。そして、近年、MSCsの細胞膜にも特異的に発現していることが示され、MSCsの最適なマーカーとして、CD271を用いた骨髄抽出液などからMSCsを濃縮する方法が開発されている(特許文献5)。
CD271は細胞膜に局在して発現することから、Fibrillarin、AOF2、TIF1β等の細胞質あるいは核内において発現する遺伝子を導入する場合と異なり、CD271を導入した場合に、蛍光ラベルしたCD271に対する抗体を用いることによって、CD271を発現している細胞と発現していない細胞を生きたまま選別することが可能であるという利点がある。
しかし、CD271のMSCsにおける機能については明らかにされておらず、CD271を用いることにより、間葉系幹細胞、ES細胞、iPS細胞などの未分化状態が維持できることも予測されていなかった。

産業上の利用分野


本発明は、CD271(NGFR,nerve growth factor receptor:低親和性神経成長因子レセプターまたはp75NTR、p75 neurotrophin receptor:p75神経成長因子レセプター、以下、CD271とする)を用いて間葉系幹細胞、ES細胞、iPS細胞などの未分化状態を維持する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
未分化状態の間葉系幹細胞にCD271発現ベクターまたは細胞膜透過化型リコンビナントCD271タンパク質を導入することによって、間葉系幹細胞の未分化状態を維持する方法。

【請求項2】
CD271発現ベクターが配列表配列番号1に記載のCD271をコードする遺伝子の全部が組み込まれた発現ベクターである請求項1に記載の方法。

【請求項3】
CD271発現ベクターが図1に記載のCD271発現ベクターである請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の方法によって、未分化状態が維持された間葉系幹細胞。

【請求項5】
CD271発現ベクターを含む間葉系幹細胞の未分化状態を維持するためのキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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