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生体親和性高分子材料およびその製造方法

国内特許コード P110001891
整理番号 2008000037
掲載日 2011年3月22日
出願番号 特願2008-222997
公開番号 特開2010-059219
登録番号 特許第5327947号
出願日 平成20年9月1日(2008.9.1)
公開日 平成22年3月18日(2010.3.18)
登録日 平成25年8月2日(2013.8.2)
発明者
  • 星 徹
  • 澤口 孝志
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 生体親和性高分子材料およびその製造方法
発明の概要

【課題】優れた機械特性を維持しつつ、生体親和性表面の構築が可能な新規生体親和性高分子材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン基質の非晶質部分に、カルボン酸ビニルを構成単位とする重合体がナノメートルオーダーで分散した構造を有すると共に、リン脂質極性基を有する表面が構築され、前記リン脂質極性基は、表面近傍に存在する重合体のエステル基を加水分解して生じた水酸基を化学修飾することにより固定されていることを特徴とする、生体親和性高分子材料。
【選択図】図4

従来技術、競合技術の概要


医療における治療や診断に使用する医療デバイスの重要性は、医療技術の高度化、高齢化社会の到来、患者のquality of life(QOL)向上の必要性に関連して益々高まっている。これらの医療デバイスを製造するためには様々な材料が利用されるが、特に、高分子材料は成型性、生産性、価格の面から幅広く利用されている。



医療デバイスに用いられるマテリアルに必要な特性として、(1)生体成分と材料表面との界面で起こる血栓形成や免疫応答を抑制する生体親和性表面の構築、(2)使用目的および部位に応じた機械特性(弾性率、柔軟性など)の発現がある。



ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)に代表されるポリオレフィンは優れた機械特性や化学的安定性を有しており、結晶化度を変化させることでそのバルク特性を大きく変化させることが可能であることから、医療デバイス用マテリアルとして着目されている。また、医療廃棄物として焼却された場合に、二酸化炭素と水しか排出せず、環境負荷も低いという優れた特徴を有する。



しかし、ポリオレフィンは、その結晶性に由来して大半のポリマーとは非相溶であることから、その機械的特性を維持しつつブレンド、アロイ化することが困難である。また、化学的安定性に由来して表面への官能基の導入が困難なため、表面に生体親和性基を導入することが非常に難しい材料である。



このような問題を解決するために、長さが500mm程度の比較的短いポリエチレンチューブなどの基材に、プラズマ処理を施して官能基を導入する技術が提供されている(例えば、非特許文献1~3)。



しかしながら、プラズマ処理では、基材表面に種々の官能基が導入されることから、均質な生体親和性表面の構築は困難である。さらに、プラズマ処理は、複雑な形状の基材の均一処理には適さないことから、例えばチューブのような高アスペクト比を有する成型加工された基材を大量、かつ均一に処理することは出来ない。

【非特許文献1】Surface & Coatings Technology 201 (2007) 8039-8042

【非特許文献2】Surface & Coatings Technology 201 (2006) 699-706

【非特許文献3】JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 96 (2004) 4539-4546

産業上の利用分野


本発明は、新規な生体親和性高分子材料およびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ポリオレフィン基質の非晶質部分に、カルボン酸ビニルを構成単位とする重合体がナノメートルオーダーで分散した構造を有すると共に、
リン脂質極性基を有する表面が構築され、
前記リン脂質極性基は、表面近傍に存在する前記重合体のエステル基を加水分解して生じた水酸基を化学修飾することにより固定されていることを特徴とする、生体親和性高分子材料。

【請求項2】
前記化学修飾が、下記一般式(i)で表されるホスホリルコリン基含有単量体と、下記一般式(ii)で表される縮合性官能基含有単量体と、を構成単位とする共重合体との縮合反応によることを特徴とする、請求項1記載の生体親和性高分子材料。
【化学式1】


(ただし、上記式中、R1a及びR1bは、それぞれ独立して水素又はメチル基を表す。また、R2aは下記一般式(iii)で表される基であり、R2bは下記一般式(iv)で表される基である。)
【化学式2】


【化学式3】


(ただし、上記式中、nは2~12の整数を表し、mは2~4の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立して、直鎖状又は分岐状の炭素数1~4のアルキル基を表す。また、kは2~18の整数を表し、Rは、アルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基を表す。)

【請求項3】
前記カルボン酸ビニルが酢酸ビニルである、請求項1又は2記載の生体親和性高分子材料。

【請求項4】
前記ポリオレフィン基質が成型加工品である、請求項1~3いずれかに記載の生体親和性高分子材料。

【請求項5】
前記ポリオレフィン基質がチューブ状成型加工品であり、人工血管、カテーテル又は透析チューブ用である、請求項4記載の生体親和性高分子材料。

【請求項6】
超臨界流体中で、ポリオレフィン基質に、カルボン酸ビニルを含浸させつつ、当該カルボン酸ビニルを重合させて高分子複合体を形成する工程と、
前記高分子複合体の表面近傍に存在するエステル基を水酸基に変換する工程と、
前記水酸基を化学修飾することにより、前記高分子複合体の表面にリン脂質極性基を導入する工程と、
を有することを特徴とする、生体親和性高分子材料の製造方法。

【請求項7】
記化学修飾が、下記一般式(i)で表される構成単位と、下記一般式(ii)で表される構成単位を有する重合体との縮合反応によることを特徴とする、請求項6記載の製造方法。
【化学式4】


(ただし、上記式中、R1a及びR1bは、それぞれ独立して水素又はメチル基を表す。また、R2aは下記一般式(iii)で表される基であり、R2bは下記一般式(iv)で表される基である。)
【化学式5】


【化学式6】


(ただし、上記式中、nは2~12の整数を表し、mは2~4の整数を表し、R、R及びRは、それぞれ独立して、直鎖状又は分岐状の炭素数1~4のアルキル基を表す。また、kは2~18の整数を表し、Rは、アルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基又はトリアルコキシシリル基を表す。)

【請求項8】
前記カルボン酸ビニルが酢酸ビニルである、請求項6又は7記載の製造方法。

【請求項9】
前記ポリオレフィン基質が成型加工品である、請求項6~8いずれかに記載の製造方法。

【請求項10】
前記超臨界流体が、超臨界二酸化炭素である請求項6~9いずれかに記載の製造方法。
産業区分
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008222997thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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