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物質の硬さ分布表示システム及び物質の硬さ分布表示方法

国内特許コード P110001898
整理番号 2008000055
掲載日 2011年3月22日
出願番号 特願2008-290629
公開番号 特開2010-115344
登録番号 特許第5234545号
出願日 平成20年11月13日(2008.11.13)
公開日 平成22年5月27日(2010.5.27)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
発明者
  • 尾股 定夫
  • 村山 嘉延
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 物質の硬さ分布表示システム及び物質の硬さ分布表示方法
発明の概要

【課題】比較的簡単な構成で、物質の硬さと硬さが測定された深さとを関連付けることを可能とすることである。
【解決手段】物質の硬さ分布表示システム10は、生体組織に振動を入射する振動子26、反射波を検出する振動検出センサ28を含む複数の探触素子22を2次元的に配置したプローブ部20を備え、各探触素子22は、切替回路50により順次選択されて硬さ算出部70と測定深さ算出部82に接続される。硬さ算出部70は、振動子26への入射波信号と振動検出センサ28からの反射波信号とについてそれぞれ周波数成分分析を行い、その結果に基いて生体組織の硬さを算出する。測定深さ算出部82は、入射波信号の時間的位置と、反射波信号の時間的位置とに基いて、硬さを測定した位置における生体組織の内部の測定深さを算出する。これらは探触素子22ごとに対応付けられている。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


物質の硬さを評価する技術として超音波を用いる方法が知られている。さらに本願発明者は、物質の硬さの相違は超音波の周波数の変化よりも位相の変化が大きいが、位相測定技術の精度が必ずしも高くないことを考慮し、位相変化を周波数変化に変換する仕組みを
考案し、特許文献1において開示した。この技術は、物質に超音波を入射する振動子と物質からの反射波を検出する振動検出センサと、振動検出センサの信号出力端に入力端が接続された増幅器と、増幅器の出力端と振動子の信号入力端との間に設けられ、振動子への入力波形と振動検出センサからの出力波形との間に位相差が生じるときは、周波数を変化させて前記位相差をゼロにシフトする位相シフト回路と、位相差をゼロにシフトさせるための周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段とを含む構成である。ここでは、周波数変化量検出手段において、硬さの相違による位相差をゼロにシフトさせてこれを周波数変化量に変換している。この変換は、周波数に対する反射波の振幅ゲインと位相の関係を示す基準伝達関数を予め求めておいてこれを用いている。



また、この技術を発展させたものとして、特許文献2には物質の特性測定装置として、パルス入射手段、パルス受信手段からなるセンサを備え、その入射波、反射波の周波数分析を行い、その入射波、反射波のスペクトル分布を比較して、それぞれの周波数fxにおける入射波の位相と反射波の位相の差である位相差θxとを特定し、そのfxとθxを入力して予め求めておいた基準伝達特性曲線を用いて演算し、入力されたθxをゼロにするときの周波数の変化dfから物質の硬さを求めることが開示されている。



また、特許文献3には、特許文献1,2の技術を応用した生体のしこり検査装置として、生体組織に振動を入射する振動子、反射波を検出する振動検出センサを含む複数の探触素子を備え、各探触素子は、硬さ算出切替回路により順次選択されて硬さ算出部に接続される構成が開示されている。そして、各探触素子に対応してそれぞれ圧力センサが設けられ、押し付け圧が所定の範囲にある探触素子の硬さデータが表示部に2次元的に表示されてしこりが検査されることが述べられている。



また、本願発明者以外の考案として、特許文献4には、被検体の被観察部位に向けて超音波を照射し、被検体の被観察部位からのエコー信号を受信する超音波トランスデューサが配された超音波プローブを有し、エコー信号をディジタル化した音線データから超音波画像を生成しこれを表示する超音波診断装置において、被検体の心臓の動きに基いた心電図信号の1周期内の2点に同期したタイミング信号を用いて、その2点における2フレーム分の音線データを取得し、その時間差のある2フレーム分の音線データから生体組織の歪みを算出し、それに基く硬さを定量的に表す弾性画像を表示することが開示されている。




【特許文献1】特開平9-145691号公報

【特許文献2】特開2002-272743号公報

【特許文献3】特開2004-283547号公報

【特許文献4】特開2007-82725号公報

産業上の利用分野


本発明は、物質の硬さ分布表示システム及び物質の硬さ分布表示方法に係り、特に、生体の硬さと硬さが測定された測定深さとの関係を表示できる物質の硬さ分布表示システム及び物質の硬さ分布表示方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被測定物質にパルス波を入射する振動子と、
入射されたパルス波が被測定物質から反射されてくる反射波を受信する振動検出センサと、
入射波を複数の正弦波成分と余弦波成分とに分析する周波数分析を行なって、各正弦波成分の周波数とその周波数における正弦波成分と余弦波成分とから求められる位相のスペクトル分布を求める入射波周波数成分分析手段と、
反射波を複数の正弦波成分と余弦波成分とに分析する周波数分析を行なって、各正弦波成分の周波数とその周波数における正弦波成分と余弦波成分とから求められる位相のスペクトル分布を求める反射波周波数成分分析手段と、
入射波のスペクトル分布と反射波のスペクトル分布とを比較し、分布を構成するそれぞれの周波数fxについて、その周波数fxの下の入射波の位相と反射波の位相との差である位相差θxを算出する周波数位相差算出手段と、
周波数fxと位相差θxの組のデータに基いて被測定物質の硬さを算出する硬さ算出手段と、
硬さを算出するために用いた入射波の入射時刻と反射波の受信時刻とに基いて、硬さを測定した位置の深さである測定深さを算出する測定深さ算出手段と、
硬さと測定深さとを対応付けて表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする物質の硬さ分布表示システム。

【請求項2】
請求項1に記載の物質の硬さ分布表示システムにおいて、
振動子と振動検出センサとを1組とする探触素子が2次元的に配置され、
硬さ算出手段は、2次元的に配置された各探触素子による入射波と反射波とに基いて、各探触素子の位置における硬さをそれぞれ算出して硬さの2次元的分布を求め、
測定深さ算出手段は、2次元的に配置された各探触素子による入射波と反射波とに基いて、各探触素子の位置における測定深さをそれぞれ算出して測定深さの2次元的分布を求め、
表示手段は、被測定物質について、硬さの2次元分布と測定深さの2次元分布とを対応付けて3次元的な硬さ分布を表示することを特徴とする物質の硬さ分布表示システム。

【請求項3】
請求項2に記載の物質の硬さ分布表示システムにおいて、
各探触素子が2次元的に配置されるときの各探触素子の2次元座標位置を各探触素子の識別アドレスに対応付けて記憶する記憶手段を備え、
硬さ算出手段は、各探触素子の識別アドレスに対応付けて各探触素子の位置における硬さを求め、
測定深さ算出手段は、各探触素子の識別アドレスに対応付けて各探触素子の位置における測定深さを求め、
表示手段は、
記憶手段から各探触素子の識別アドレスに対応する2次元座標位置を読み出し、その識別アドレスに対応する測定深さを用いて、2次元座標系における測定深さの分布を表示する測定深さ2次元表示手段と、
読み出された識別アドレスに対応する各探触素子の位置における硬さを用いて、2次元座標系における硬さの分布を表示する硬さ2次元表示手段と、
を含み、2次元座標系における測定深さの分布に、同じ2次元座標系における硬さの分布を重畳させて、3次元的な硬さ分布を表示することを特徴とする物質の硬さ分布表示システム。

【請求項4】
請求項1に記載の物質の硬さ分布表示システムにおいて、
硬さ算出手段は、
任意の周波数の振動を入射したときの入射波の周波数に対する反射波の振幅ゲインと位相の関係を示す基準伝達関数を予め求めて記憶する記憶手段と、
基準伝達関数を用いて、周波数fxと位相差θxとを入力し、位相差θxをゼロにするときの周波数のfxからの変化であるdfを求める周波数変化量検出部と、
予め求められている硬さ-df特性に基いて、周波数変化量検出部によって求められたdfを硬さに換算する硬さ換算手段と、
を含むことを特徴とする物質の硬さ分布表示システム。

【請求項5】
請求項1に記載の物質の硬さ分布表示システムにおいて、
硬さ算出手段は、最大位相差θx(MAX)と、最大位相差のときの周波数fx(MAX)との組に基いて、被測定物質の硬さを算出することを特徴とする物質の硬さ分布表示システム。

【請求項6】
振動子によって被測定物質にパルスとして入射された入射波を複数の正弦波成分と余弦波成分とに分析する周波数分析を行なって、各正弦波成分の周波数とその周波数における正弦波成分と余弦波成分とから求められる位相のスペクトル分布を求める入射波周波数成分分析工程と、
振動検出センサによって検出された被測定物質からの反射波を複数の正弦波成分と余弦波成分とに分析する周波数分析を行なって、各正弦波成分の周波数とその周波数における正弦波成分と余弦波成分とから求められる位相のスペクトル分布を求める反射波周波数成分分析工程と、
入射波のスペクトル分布と反射波のスペクトル分布とを比較し、分布を構成するそれぞれの周波数fxについて、その周波数fxの下の入射波の位相と反射波の位相との差である位相差θxを算出する周波数位相差算出工程と、
周波数fxと位相差θxの組のデータに基いて被測定物質の硬さを算出する硬さ算出工程と、
硬さを算出するために用いた入射波の入射時刻と反射波の受信時刻とに基いて、硬さを測定した位置の深さである測定深さを算出する測定深さ算出工程と、
硬さと深さとを対応付けて表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする物質の硬さ分布表示方法。

【請求項7】
請求項6に記載の物質の硬さ分布表示方法において、
振動子と振動検出センサとを1組とする探触素子が2次元的に配置され、
硬さ算出工程は、2次元的に配置された各探触素子による入射波と反射波とに基いて、各探触素子の位置における硬さをそれぞれ算出して硬さの2次元的分布を求め、
測定深さ算出工程は、2次元的に配置された各探触素子による入射波と反射波とに基いて、各探触素子の位置における測定深さをそれぞれ算出して測定深さの2次元的分布を求め、
表示工程は、被測定物質について、硬さの2次元分布と測定深さの2次元分布とを対応付けて3次元的な硬さ分布を表示することを特徴とする物質の硬さ分布表示方法。

【請求項8】
請求項7に記載の物質の硬さ分布表示方法において、
各探触素子が2次元的に配置されるときの各探触素子の2次元座標位置を各探触素子の識別アドレスに対応付けて記憶する記憶装置を用い、
硬さ算出工程は、各探触素子の識別アドレスに対応付けて各探触素子の位置における硬さを求め、
測定深さ算出工程は、各探触素子の識別アドレスに対応付けて各探触素子の位置における測定深さを求め、
表示工程は、
記憶装置から各探触素子の識別アドレスに対応する2次元座標位置を読み出し、その識別アドレスに対応する測定深さを用いて、2次元座標系における測定深さの分布を表示する測定深さ2次元表示工程と、
読み出された識別アドレスに対応する各探触素子の位置における硬さを用いて、2次元座標系における硬さの分布を表示する硬さ2次元表示工程と、
を含み、2次元座標系における測定深さの分布に、同じ2次元座標系における硬さの分布を重畳させて、3次元的な硬さ分布を表示することを特徴とする物質の硬さ分布表示方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008290629thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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