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新規ポリアミン誘導体化合物

国内特許コード P110001920
整理番号 2006020055
掲載日 2011年3月22日
出願番号 特願2008-544131
登録番号 特許第5327669号
出願日 平成19年11月12日(2007.11.12)
登録日 平成25年8月2日(2013.8.2)
国際出願番号 JP2007071937
国際公開番号 WO2008059800
国際出願日 平成19年11月12日(2007.11.12)
国際公開日 平成20年5月22日(2008.5.22)
優先権データ
  • 特願2006-309325 (2006.11.15) JP
  • 特願2006-327213 (2006.12.4) JP
発明者
  • 三宅 宗晴
  • 草間 貞
  • 益子 崇
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 新規ポリアミン誘導体化合物
発明の概要

本発明は、NMDA受容体への親和性が充分に高く、効率よくカルシウムイオンの流入を阻害し、細胞毒性が低く、且つ分子量が小さく良好な脳移行性が期待される化合物を提供することを目的とする。
本発明は、一般式(I)を有する化合物、又はその薬理学的に許容される塩を提供する。
【化1】

[式中、Xは、R2-SO2-を示し、ここで、R2は、置換されていてもよい低級アルキル基又はフェニル基を示し、Yは、-R3-NH-R4-、-R5-NH-R6-NH-R7-、-R8-NH-R9-NH-R10-NH-R11-、及び、-R12-NH-R13-NH-R14-NH-R15-からなる群から選択される基を示し、ここで、R3~R15はそれぞれ独立にC3~C5アルキレン基を示し、R1は、水素、又は置換されていてもよい低級アルキル基を示す。但し、Xがトシル基であり、Yが-(CH23-NH-(CH24-NH-(CH23-であり、R1が水素であるものを除く。]

従来技術、競合技術の概要


グルタミン酸は脳内において興奮性神経伝達をつかさどる伝達物質であり、興奮性アミノ酸の一つとして知られている。興奮性アミノ酸が細胞外に大量に放出されると、中枢神経の異常な興奮が起こり、脳脊髄損傷、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン舞踏病等、種々の疾患、神経変性、精神障害、運動機能障害につながるとの報告がなされている。



グルタミン酸受容体の一つであるNMDA受容体は、4ヶ所の膜領域をもつ膜タンパク質が四ないし五量体となり、中心にイオン流路となるチャネルを形成する。通常、このチャネルはマグネシウムイオンによって閉塞されているが、活性化されるとナトリウムイオン及びカルシウムイオンを細胞内に流入させることが知られている。



NMDA受容体は、哺乳動物脳の記憶、学習の形成、神経の発達等に関与するが、一方で過剰に興奮させると細胞内に多量のカルシウムを流入させるために、不可逆的な脳の神経細胞死を生じさせ、運動障害、知覚障害、異常行動等の障害を引き起こしうる。



NMDA受容体活性に拮抗作用を示し、その活性を特異的に抑制する物質としてメマンチン(一般名:塩酸メマンチン)が知られており、アルツハイマー病治療薬として欧米で広く臨床応用されている。メマンチンは、過剰なグルタミン酸放出に対してNMDA受容体のカルシウム透過性を減弱させることによって、神経細胞を保護する。



また、ポリアミンの一種であるスペルミン(N,N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン)も、NMDA受容体をブロックする作用を有することが知られている。しかしながら、細胞外におけるスペルミンのNMDA受容体に対する作用は膜電位に強く依存し、脱分極(興奮)時には受容体を活性化し、過分極(静止)時には受容体活性を阻害する(例えば、Benveniste, M.ら(非特許文献1)、Rock, D.M.ら(非特許文献2)、Araneda, R.C.ら(非特許文献3)、Williams, K.ら(非特許文献4)、Williams, K.(非特許文献5)を参照)という二面的な活性調節作用を有するため、医薬品としての使用には適さない。



そこで、活性促進効果を消滅させ、阻害効果のみを維持又は亢進させたスペルミン誘導体が提案されている。このようなスペルミン誘導体の一例として、下記式(III)で示されるN1-Dansyl-Spermine(Dansyl-SPM)が挙げられる(例えば、Chao, J.ら(非特許文献6)を参照)。



【化学式1】




Dansyl-SPMには、スペルミンの末端の窒素原子にダンシル基を結合させることによってスルホンアミドが生じ、このスルホンアミドがNMDA受容体への活性促進効果を抑制し、活性阻害効果のみを亢進させる。Dansyl-SPMは、NMDA受容体に対してメマンチンよりも高い親和性を示す。



一方、ポリアミン誘導体を医薬として使用することについては、例えば、欧州特許出願公開1085011号明細書(特許文献1)にポリアミン輸送またはポリアミン結合タンパク質を阻害する作用を有するポリアミン誘導体が開示されており、ポリアミン誘導体が抗癌剤として使用されることが示唆されている。そして、スペルミン誘導体として、上記Dansyl-SPMや、下記式(IV)で示されるN1-Tosyl-Spermine(Tosyl-SPM)等が例として挙げられている。



【化学式2】



【特許文献1】欧州特許出願公開1085011号明細書

【非特許文献1】Benveniste, M. et al., J. Physiol. (Lond.) 464:131-163(1993)

【非特許文献2】Rock, D.M. et al., Mol. Pharmacol. 41:83-88(1992)

【非特許文献3】Araneda, R.C. et al., Neurosci. Lett. 152:107-112(1993)

【非特許文献4】Williams, K. et al., Mol. Pharmacol. 45:803-809(1994)

【非特許文献5】Williams, K., Mol. Pharmacol. 46:161-168(1994)

【非特許文献6】Chao, J. et al., Mol. Pharmacol. 51:861-871(1997)

産業上の利用分野


本発明は、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体活性阻害効果を有する、新規なポリアミン誘導体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の構造を有する化合物又はその薬理学的に許容される塩。
【化学式1】


【請求項2】
請求項に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を含む医薬組成物。

【請求項3】
請求項1に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を含むN-メチル-D-アスパラギン酸受容体活性阻害剤。

【請求項4】
請求項1に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を含むアルツハイマー病又はパーキンソン病の予防又は治療薬。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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