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レチノイン酸受容体αを含む融合タンパク質 新技術説明会

国内特許コード P110001950
整理番号 2008000104
掲載日 2011年3月22日
出願番号 特願2009-077375
公開番号 特開2010-226992
登録番号 特許第5626717号
出願日 平成21年3月26日(2009.3.26)
公開日 平成22年10月14日(2010.10.14)
登録日 平成26年10月10日(2014.10.10)
発明者
  • 花澤 重正
  • 舛廣 善和
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 レチノイン酸受容体αを含む融合タンパク質 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明は、白血球の分化を促進し、長期間の投与が可能で、レチノイン酸受容体の機能障害が顕著な患者にも効果が得られる白血病の予防又は治療薬を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、レチノイン酸受容体αと、核内移行シグナル及び/又は細胞膜透過性モチーフとを含む融合タンパク質を提供するものである。
【選択図】 図7
従来技術、競合技術の概要



白血病は、白血球が腫瘍化して正常に分化・成熟できなくなり、未分化な白血球細胞が血液中に無制限に増加する疾患である。白血病細胞が分化能を失う原因は明らかでないものも多いが、多くの白血病細胞では染色体の欠損や転座が認められる。例えば、全白血病患者の約10%を占める急性前骨髄球性白血病(APL)では、15番染色体と17番染色体の相互転座と呼ばれる現象が認められることがある。この転座により、レチノイン酸受容体α(以下、「RARα」と表記する場合もある。)とPMLタンパク質が融合タンパク質として発現するため両タンパク質の機能が失われ、その結果、細胞が分化能を失う。





ここで、模式図を参照してRARαの機能を説明する。





まず、図10(A)に示すとおり、正常な細胞においては、RARαはレチノイドX受容体(RXR)とヘテロ二量体を形成し(図10(1))、標的遺伝子におけるDNA配列AGGTCAnnnnnAGGTCA(配列番号:6)を認識してDNAに結合する。レチノイン酸非存在下では、このヘテロ二量体が、転写抑制因子N-CoR/SMRTを介してヒストン脱アセチル化酵素(HADC)と複合体を形成し(同(2))、標的遺伝子の転写を抑制している。





図10(B)に示すとおり、レチノイン酸存在下では、レチノイン酸がRARαとRXRに結合すると(同(3))、N-CoR/SMRT/HDAC複合体がRARαから離れ(同(4))、代わりにヒストンアセチル化酵素活性を有するp300/CBPがリクルートされる。ヒストンがアセチル化されると、ヒストンとDNAの親和力が弱まり、ヌクレオソーム構造が緩和される。その結果、標的遺伝子の下流の転写が活性化される(同(5))る。標的遺伝子としては、例えば、PKA-R1α、PKC-δ、MAP4K2、TRIAD1、CD11b遺伝子等が挙げられ、これらの遺伝子が発現すると白血球の分化が促進される。





一方、図10Cに示すとおり、急性前骨髄球性白血病においてPML/RARα融合タンパク質が発現する場合、レチノイン酸存在下でもヒストン脱アセチル化酵素が解離しないので、ヒストンアセチル化酵素活性を有するp300/CBPをリクルートできず、下流の転写は抑制されたままとなる。その結果、必要なタンパク質が産生されず、白血球が分化能を失う。





急性前骨髄球性白血病に対しては、全トランス型レチノイン酸(ATRA)投与による治療が行われている。レチノイン酸投与による治療では、高濃度のレチノイン酸を投与して、レチノイン酸受容体の機能を向上させる。しかしながら、レチノイン酸受容体の機能障害が顕著な患者には効果がなく、また、長期間投与すると耐性や副作用が生じることもある(例えば、非特許文献1~4を参照。)。





また、白血病の治療法としてはヒ素を投与することもあるが、ヒ素も耐性や副作用を生じることがある。

産業上の利用分野



本発明は、白血病の予防又は治療に有用なレチノイン酸受容体αを含む融合タンパク質等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
N末端から、精製用タグ、核内移行シグナル、レチノイン酸受容体、細胞膜透過性モチーフの順で連結されている融合タンパク質を、白血病細胞を分化させるための有効成分として含有する骨髄球性白血病の治療薬。

【請求項2】
前記核内移行シグナルが、配列番号:9~12に記載のアミノ酸配列からなるペプチドより選択される、請求項1に記載の治療薬

【請求項3】
前記細胞膜透過性モチーフが、配列番号:13~17に記載のアミノ酸配列からなるペプチドより選択される、請求項1又は2に記載の治療薬

【請求項4】
前記精製用タグが、ポリヒスチジンタグ又はFLAGペプチドである、請求項1から3のいずれか1項に記載の治療薬

【請求項5】
前記融合タンパク質が配列番号2に記載のアミノ酸配列からなる、請求項1記載の治療薬

【請求項6】
前記融合タンパク質の各ペプチドの間には、ベクターに由来するペプチドが介在し得る、請求項1記載の治療薬。

【請求項7】
請求項に記載の融合タンパク質をコードする核酸。

【請求項8】
請求項に記載の核酸を含む発現ベクター。

【請求項9】
請求項に記載の発現ベクターを含む形質転換体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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