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雄性不稔ネギ属植物及びそれに由来する細胞ならびにその作製方法 外国出願あり

国内特許コード P110002005
整理番号 S2008-0242-N0
掲載日 2011年3月24日
出願番号 特願2008-151573
公開番号 特開2009-207481
登録番号 特許第5419196号
出願日 平成20年6月10日(2008.6.10)
公開日 平成21年9月17日(2009.9.17)
登録日 平成25年11月29日(2013.11.29)
優先権データ
  • 特願2008-027642 (2008.2.7) JP
発明者
  • 執行 正義
  • 岩田 真智子
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 雄性不稔ネギ属植物及びそれに由来する細胞ならびにその作製方法 外国出願あり
発明の概要 【課題】ネギ属植物において育種上利用可能な雄性不稔植物、及びその作製方法を提供する。
【解決手段】ネギ属植物において、アリウム・ロイレイ(Allium roylei)種由来の細胞質と、タマネギ及び/またはシャロットである非ロイレイ種ネギ属植物由来の核ゲノムとを有し、雄性不稔の形質を示すネギ属植物およびその細胞。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


種子植物において、雄性器官に異常を生じ、稔性のある正常な花粉の形成が阻害される現象は雄性不稔(Male sterility)と呼ばれ、例えば花の構造上おしべの除去(除雄)が困難な野菜等であっても、雄性不稔の形質を持っていればその必要がなくなるため、雑種の形成やその制御が容易になるという利点を持っている(非特許文献1)。雄性不稔は通常、自然突然変異として単離される形質であり、その原因としては、核遺伝子に存在する因子の支配を受ける場合(Genic male sterility)、細胞質及び核の両方の因子の支配を受ける場合(Gene-cytoplasmic male sterility)の2つの型があり、育種対象の植物種などにより使い分けられている。



有用植物の雄性不稔のうち、ネギ属植物においては、雄性不稔の形質が細胞質(S=雄性不稔細胞質、N=正常細胞質)及び核(優性稔性回復遺伝子MS、劣性対立遺伝子ms)の両方の因子の支配を受ける型であることが知られている(非特許文献2)。雄性不稔形質を有用品種に付与することは、育種上、また種苗生産上きわめて有用であるが、ネギ属植物を用いて雄性不稔系統を作出するためには、タマネギを用いた例では、(A)自然突然変異として単離された雄性不稔系統S1(S-msms)と改良対象となる品種N1(N-MSMS)とを交配して稔性F1(S-MSms)を得、(B)次いでF1(S-MSms)を花粉親としてN1(N-MSMS)との間で交配・採種して核因子がヘテロの子孫を得、(C)更に(B)で得られた子孫同士(N-MSMS及びN-MSms:両者は区別できない)を多数交配してN-msmsの形質を持った子孫(雄性不稔維持系統)を作出し、(D)最終的にS1(S-msms)とN-msms形質を持つ子孫とを交配することによって、品種としてはN1の形質を持ち、かつ雄性不稔形質を有する雄性不稔子孫(S-msms)という工程を経るのが従来の方法であった。
この様な従来の方法においては、採種と定植の過程を含むことから作出には最低でも7年間が必要であり、また特に工程(B)及び(C)では外見では区別がつかない子孫株どうしを多数かけ合わせる必要があるなど、非常な労力を要するのが現状であった。



また、他種植物においては、イタリアンライグラスとペレニアルライグラスとを交配して雄性不稔ライグラスを作製する方法(特許文献1)、Brassica oleraceaの細胞とB.napus等の細胞とを融合させ、雄性不稔アブラナ科植物を作製する方法(特許文献2,4)、自然界から単離された雄性不稔系統を用いる雄性不稔のスギ(特許文献3)、大豆(特許文献5)、コムギ(特許文献6)の作製方法、その他シンノリン化合物を用いてユリ綱植物の花粉を抑制する方法(特許文献7)や遺伝子組み換えを用いて雄性不稔形質を付与する方法等が提案されているが、化合物を用いたり遺伝子組み換えを用いる方法は、特に食に関するものでは社会的な抵抗感があり、また他種植物における雄性不稔形質の事例ではその植物に固有の因子を利用するものであるため、ネギ属植物には適用できないという問題があった。このため、ネギ属植物においても、育種上利用可能で遺伝子組み換えや化合物処理などによらない雄性不稔植物の開発が望まれていた。
【特許文献1】
特開2004-222646号公報 雄性不稔ライグラス類及びその作出方法
【特許文献2】
特開平10-052185号公報 細胞原形質雄性不稔Brassica oleracea(キャベツ)及びそのような植物の生産法
【特許文献3】
特開平10-248418号公報 スギ雄性不稔個体の作出方法
【特許文献4】
特開平7-031307号公報 雄性不稔植物の育種方法及び増殖方法
【特許文献5】
特表2000-510346号公報 細胞質遺伝雄性不稔大豆及び雑種大豆を生産する方法
【特許文献6】
特表2000-514664号公報 ハイブリッドコムギの生産方法
【特許文献7】
特開平5-301807号公報 ユリ綱植物において雄性不稔を誘発する方法
【非特許文献1】
鈴木芳夫ほか著 1993「新 蔬菜園芸学」朝倉書店
【非特許文献2】
山口彦之監修 2003「細胞質雄性不稔と育種技術(普及版)」シーエムシー出版
【非特許文献3】
田丸典彦、木下俊郎、高橋萬右衛門 1980 北海道大学農学部邦文紀要12(2):124-128
【非特許文献4】
Yamashita K.&Tashiro Y.1999.J.Japan.Soc.Hort.Sci.68(2):256-263.
【非特許文献5】
Yamashita K.et al.1999.J.Japan.Soc.Hort.Sci.68(4):788-797.
【非特許文献6】
Keusgen M.et al.2002.J.Agric.Food Chem.50:2884-2890.
【非特許文献7】
Masuzaki S.et al.2006.Genes Genet.Syst.81(4):255-263.
【非特許文献8】
Umehara M.et al.2006.Euphytica 148(3):295-301.
【非特許文献9】
執行正義 2002 「染色体工学的手法を用いたネギ属栽培種の改良」 園学研 1(1):75-80.
【非特許文献10】
Wendel J.F.1983.Ph.D.Thesis Univ.North Carolina Chapel Hill.
【非特許文献11】
van Heusden A.W.et al.2000.Theor.Appl.Genet.100:480-486.
【非特許文献12】
Chung S-M.&Staub J.E.2003.Theor.Appl.Genet.107:757-767.
【非特許文献13】
荒木直幸、執行正義 2005 「葉緑体SSR(CpSSR)配列からみたネギ属植物の種間多様性について」 園学雑74別1:199.

産業上の利用分野


本発明は、ネギ属植物において品種改良などに有用な雄性不稔植物及びその作製方法に関し、より詳しくは、ロイレイ種の細胞質と非ロイレイ種ネギ属植物(ロイレイ種ではないネギ属植物、以下同じ)由来の核ゲノムとを有し、雄性不稔の形質を有するネギ属植物及びその細胞、ならびにその作製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の各工程からなることを特徴とする、アリウム・ロイレイ(Allium roylei)種由来の細胞質と、タマネギ(Allium cepa Common onion group)及びシャロット(Allium cepa Aggregatum group)由来の核ゲノムとを有する雄性不稔ネギ属植物の作製方法。
(1)アリウム・ロイレイ(Allium roylei)種植物を種子親とし、シャロット(Allium cepa Aggregatum group)を花粉親として、両者をかけ合わせ、前記ロイレイ種植物由来の細胞質を有する雑種植物を得る工程
(2)工程(1)で得られた植物由来の細胞の染色体を倍加し、4倍体植物を得る工程
(3)工程(2)で得られた4倍体植物を種子親とし、前記シャロットを花粉親として、両者をかけ合わせ、前記ロイレイ種植物由来の細胞質を有する異質3倍体植物を得る工程
(4)工程(3)で得られた異質3倍体植物を種子親とし、タマネギ(Allium cepa Common onion group)を花粉親として、両者をかけ合わせ、得られた子孫植物の染色体を調査して、前記ロイレイ種植物由来の細胞質を有し前記ロイレイ種植物の染色体を持たない核置換植物を得る工程(戻し交配工程)
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008151573thum.jpg
出願権利状態 登録
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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