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ツバキ由来のアントシアニン色素、その製造方法及び用途、並びにツバキの品種識別方法

国内特許コード P110002007
整理番号 S2008-0047-N0
掲載日 2011年3月24日
出願番号 特願2007-302353
公開番号 特開2009-126810
登録番号 特許第5190926号
出願日 平成19年11月22日(2007.11.22)
公開日 平成21年6月11日(2009.6.11)
登録日 平成25年2月8日(2013.2.8)
発明者
  • 橋本 文雄
  • 李 建賓
  • 坂田 祐介
  • 侯 徳興
出願人
  • 国立大学法人 鹿児島大学
発明の名称 ツバキ由来のアントシアニン色素、その製造方法及び用途、並びにツバキの品種識別方法
発明の概要

【課題】ツバキの花又は花弁の抽出物から、赤色を発現するアントシアニン色素を分離する方法、また、分離された色素の化学構造を知ることによって、ツバキ品種間での色素分布の違いを知る方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ツバキの花又は花弁の抽出物から、新規アントシアニン色素を含む種々のアントシアニン色素を得る方法、及び当該得られたアントシアニン色素を標品として、高速液体クロマトグラフィー分析を行うことによって、ツバキを種類分けする方法に関する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


ツバキは、観賞用花木として世界的に親しまれているのみならず、種子を椿油の原料として用い、また、花は開花直前に採集して日干ししたものを、腸出血の救急薬や、滋養・強壮のため煎じて服用され、常用すれば美容上にも好ましいなど、民間薬として用いられている(非特許文献1)。



紅色ツバキにはその花色を発現する色素として、アントシアニン色素が含まれていることが報告されている。1953年に林らは紅色ツバキより初めてアントシアニン色素を単離し、その化学構造をcyanidin 3-O-β-glucopyranoside(6)であることを明らかにした(非特許文献2)。また、斉藤らはカンツバキ、ヤブツバキ、山茶花の紅花からcyanidin 3-O-(6-O-(E)-p-coumaroyl)-β-glucopyranoside(8)を単離し(非特許文献3)、寺原らは、紅花茶の葉からcyanidin 3-O-β-galactopyranoside(15)、delphinidin 3-O-β-galactopyranoside、delphinidin 3-O-(6-O-(E)-p-coumaroyl)-β-galactopyranosideを単離した報告がある(非特許文献4)。



本発明者の一人である坂田は、1988年その学位論文の中で薄層クロマトグラフによりツバキ花弁中に15種類のアントシアニン色素が存在することを明らかにしている(非特許文献5)。また、著書の中では、紅色ツバキの花弁には、cyanidin 3-O-β-sophoroside、cyanidin 3、5-di-O-β-glucosideが存在するとの記載がある(非特許文献6)。更に、ヤブツバキ系の品種では、cyanidin 3-O-β-glucosideの花弁中の含量が増せばより赤色になることや、トウツバキ系品種では、cyanidin 3-O-β-sophorosideの花弁中の含量が増せばより赤色に変化することの記載がある。



従来において、ツバキの花や植物体には以下のような活性又は利用方法があることが開示されている。



特許文献1には、ツバキ科ツバキ属植物、特に、ツバキ(Camellia japonica)、サザンカ(Camellia sasanqua)の抽出物がヒアルロニダーゼの活性阻害剤作用を有することが開示されている。



特許文献2には、ツバキ科植物の根と茎を除く、該植物由来の、水及び有機溶媒にともに溶解性を示す抽出物がセラミド産生を促進することが開示されている。



特許文献3には、ツバキの花から抽出されたフラボノイド成分を経口又は静注することによって、心臓病又は脳血管症の治療を可能とすることが開示されている。



特許文献4には、ツバキの花など10種類の漢薬を配合した外用製剤が神経痛、頭痛などに有効であることが開示されている。



特許文献5には、山茶花の抽出物などが美白効果と皮膚のメラニン色素合成を抑制することが開示されている。



特許文献6には、クエン酸やリンゴ酸を添加することによって、ツバキの花から効率よく色素を抽出する方法が開示されている。



特許文献7には、ツバキの花をローストすることによって、カカオ豆と同じ香り、色、味を出すことのできる粉末を製造する方法が開示されている。



特許文献8には、ツバキの花を漬物として保存する製造方法が開示されている。
特許文献9には、ツバキの花を発酵させることによってツバキ茶を製造する方法が開示されている。




【特許文献1】特開2003-012489号公報

【特許文献2】特開2004-189683号公報

【特許文献3】CN1775249号公報

【特許文献4】CN1279091号公報

【特許文献5】特開2000-302634号公報

【特許文献6】特開昭55-123655号公報

【特許文献7】特開昭55-111758号公報

【特許文献8】特開昭55-111751号公報

【特許文献9】特開昭55-099180号公報

【非特許文献1】主婦の友社、主婦の友生活シリーズ、「身近にあり、効きめの確かな「薬草カラー図鑑」」、1985年、p.29-30

【非特許文献2】Hayashi、K.とAbe、Y.「Studien uber Anthocyane、XXIII」、資源科学研究所彙報(Misc.Rep.Res.Inst.Natur.Resources)、1953年、第29巻、p.1-8

【非特許文献3】Saito、N.、Yokoi、M.、Yamaji、M. and Honda、T.「Cyanidin 3-p-coumaroylglucoside in Camellia species and cultivars」、Phytochemistry、1987年、第26巻(10号)、p.2761-2762

【非特許文献4】Terahara、N.、Takeda、Y.、Nesumi、A. and Honda、T.「Anthocyanins from red flower tea (Benibana-cha)、Camellia sinensis」、Phytochemistry、2001年、第56巻、p.359-361

【非特許文献5】坂田祐介、学位論文「ツバキ属植物の花色素に関する研究」、1988年、p.10-12

【非特許文献6】坂田祐介、植物色素研究会編、大阪公立大学共同出版会、植物色素研究法「ツバキの花色素と花色育種」、2004年、p.191-206

産業上の利用分野


本発明は、アントシアニン色素、その製造方法及び用途、並びにツバキの品種識別方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ツバキの花又は花弁の抽出物から
次式(I)
【化学式1】


(式中、Rはアセチル基を表す。)
で示される化合物、
次式(II)
【化学式2】


(式中、Rは(Z)-p-クマロイル基、(E)-p-クマロイル基、(E)-カフェオイル基又はアセチル基を表す。)
で示される化合物、又は
次式(III)
【化学式3】


(式中、Rは(Z)-p-クマロイル基、(E)-p-クマロイル基又は(E)-カフェオイル基を表す。)
で示される化合物(但し、シアニジン-3-p-クマロイルガラクトシドを除く。)を単離及び精製し、前記式(I)、式(II)又は式(III)で示される化合物を採取することを特徴とするアントシアニン色素の製造方法。

【請求項2】
前記ツバキがホンコンツバキ(Camellia hongkongensis Seem.)であり、アントシアニン色素がcyanidin 3-O-(6-O-(E)-caffeoyl)-β-galactopyranosideである請求項記載の製造方法。

【請求項3】
前記ツバキが園芸品種のツバキ:大理茶(Dalicha)であり、アントシアニン色素がcyanidin 3-O-(2-O-β-xylopyranosyl-6-O-acetyl)-β-glucopyranoside、cyanidin 3-O-(2-O-β-xylopyranosyl-6-O-(Z)-p-coumaroyl)-β-galactopyranoside、cyanidin 3-O-(2-O-β-xylopyranosyl-6-O-(E)-p-coumaroyl)-β-galactopyranoside、cyanidin 3-O-(2-O-β-xylopyranosyl-6-O-(E)-caffeoyl)-β-galactopyranoside又はcyanidin 3-O-(2-O-β-xylopyranosyl-6-O-acetyl)-β-galactopyranosideである請求項記載の製造方法。

【請求項4】
前記単離及び精製手段がカラムクロマトグラフィーである請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項5】
抽出溶媒が酢酸-メタノール混合溶媒である請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007302353thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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