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植物育成用施設

国内特許コード P110002043
整理番号 602-1133
掲載日 2011年3月29日
出願番号 特願2010-187063
公開番号 特開2012-044873
登録番号 特許第5515118号
出願日 平成22年8月24日(2010.8.24)
公開日 平成24年3月8日(2012.3.8)
登録日 平成26年4月11日(2014.4.11)
発明者
  • 高山 弘太郎
  • 仁科 弘重
  • 松岡 明日香
  • 有馬 誠一
  • 羽藤 堅治
  • 三好 譲
  • 上加 裕子
出願人
  • 国立大学法人愛媛大学
発明の名称 植物育成用施設
発明の概要 【課題】太陽光を利用する施設において、植物を育成する環境を適切な温度かつ高二酸化炭素濃度の状態に維持することができる植物育成用施設を提供する。
【解決手段】太陽光を利用する温室2と、温室2内に設けられた、植物Pを収容した状態で植物Pを育成する育成室10と、を備えており、育成室10は、植物Pを囲むように設けられた、光透過性部材からなる被覆部11と、被覆部11内に配置された、被覆部11内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段とを備えており、被覆部11には、被覆部11内の空気と温室2の空気とを換気するための換気部が設けられており、被覆部11内の空気の湿度が、温室2の空気の湿度よりも高く維持されている。被覆部11内が換気されると、被覆部11内に供給される熱以上の熱を外部に排出させることができるから、日射量の多い夏場などあっても、被覆部11内を植物Pが生育可能な気温に維持することができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



近年、世界的に異常気象が発生しており、植物の生産に影響を与えることが危惧されている。このため、天候に左右されず野菜などを栽培できる植物工場の普及が望まれている。





植物工場として、太陽光の利用を基本として、ガラス温室等の半閉鎖環境で植物を生産する「太陽光利用型」の施設が開発されている。太陽光利用型植物工場は、従来の温室を用いた施設園芸の発展型としても位置づけられており、環境情報と栽培している植物の生体情報の両方を計測し、それに基づいて環境制御を行う高度な環境制御システムを有する。例えば、北欧では、日照時間が非常に短い季節があるため、「太陽光利用型」の施設に日照不足を補うための人工光源を設置し、この人工光源によって太陽光を補光しながら植物を生産することが以前から行われており、それを基礎として、オランダ等の欧州各地で植物工場を使用した高度な園芸が発展している。





上記のごとき植物工場では、植物が温室等の外殻(被覆資材)によって外気から遮断されているため、光合成が盛んに行われる日中において二酸化炭素の量が不足状態となる可能性がある。二酸化炭素の量が不足すると十分な光合成が行われず植物が十分に発育しない可能性があるため、二酸化炭素の量が不足することを防ぐために、植物に人為的に二酸化炭素を与える「二酸化炭素施用」が行われる。しかも、この二酸化炭素施用により、温室内の二酸化炭素濃度を大気の二酸化炭素濃度よりも高くすれば、植物の光合成をより活発にさせることができるから、収穫量を増大させることも可能である。

例えば、温室等の内部に張り巡らせたエアダクトから二酸化炭素を供給し、温室等の内部全体の空気中の二酸化炭素濃度を高める方法や、温室等の内部にカーテン等によって仕切られた複数の空間を形成し、各空間を最適な二酸化炭素濃度に調整する方法(特許文献1)、炭酸水を植物体に散布して二酸化炭素施用する方法(特許文献2)などが開発されている。





ところで、北欧等の国と比べ、日本などでは、春から秋までの長期間にわたり,晴天日の昼間は植物工場内が高温になる。植物工場内の気温が高くなりすぎると、植物の栽培において、徒長、着花不良、不稔などの様々な生育不良が起こる。さらに、これらに加えて、植物の呼吸量の増大や生理障害果実の多発などにより、収穫量が減少するといった悪影響がでる。

このため、植物工場内の気温をある程度の範囲に維持するために、天窓や側窓を開けて、外気との空気の交換、すなわち換気が行われる。かかる換気を行えば、植物工場内の高温の空気と低温の外気を入れ替えることによって、植物工場内の熱を外部に排出することができる(以下、これを熱交換とよぶ)。





しかし、かかる熱交換により、植物工場内の気温をある程度制御することはできるものの、植物工場内の空気が排出されるため、熱交換と同時にガス交換も行われてしまう。すると、植物工場内に施用した二酸化炭素も換気により植物工場外へ排出されてしまうため,植物工場内を高二酸化炭素濃度環境に維持することは困難になる。

特許文献1の技術でも、カーテン等によって複数の空間に仕切られてはいるものの、各空間における熱交換は、温室の換気窓を通じて行われるため、換気を行っている場合、各空間に施用した二酸化炭素は換気窓を通じて温室外へ排出されてしまう。このため、換気を行う場合には、従来の温室と同様に、各空間内、つまり、植物の周囲の環境を高二酸化炭素濃度の状態に維持することは困難である。





以上のごとく、植物工場内が高温となるような環境では、植物工場内の気温を適切な温度に維持しつつ、植物の周囲の環境を常に高二酸化炭素濃度の状態に維持しておくことは困難であり、両状況を維持し得る環境を実現できる施設の開発が望まれている。

産業上の利用分野



本発明は、植物育成用施設に関する。さらに詳しくは、トマトやキュウリ、ナス、パプリカなどの植物に二酸化炭素を与えることで光合成量を増大させて、収量増大および品質向上を達成する二酸化炭素施用を行う植物育成用施設に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
太陽光を利用する温室と、
該温室内に設けられた、植物を収容した状態で該植物を育成する育成室と、を備えており、
該育成室は、
前記植物を囲むように設けられた、光透過性部材からなる被覆部と、
該被覆部内に配置された、該被覆部内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段と、を備えており、
該被覆部には、
該被覆部内の空気と温室の空気とを換気するための換気部が設けられており、
該被覆部は、
該被覆部内の空気の湿度が、前記温室の空気の湿度よりも高く維持されている
ことを特徴とする植物育成用施設。

【請求項2】
前記換気部は、
該育成室の換気回数が、前記温室の換気回数よりも少なくなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の植物育成用施設。

【請求項3】
前記被覆部を形成する光透過性部材は、該被覆部に照射された光を散乱し得る構造を有している
ことを特徴とする請求項1または2記載の植物育成用施設。

【請求項4】
前記温室内には、前記被覆部の外面に対して水滴を噴霧する水噴霧手段が設けられている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の植物育成用施設。
産業区分
  • 農林
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010187063thum.jpg
出願権利状態 登録
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