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再生絹材料及びその製造方法

国内特許コード P110002046
整理番号 S2008-0436-N0
掲載日 2011年3月29日
出願番号 特願2008-069291
公開番号 特開2009-221401
登録番号 特許第5317030号
出願日 平成20年3月18日(2008.3.18)
公開日 平成21年10月1日(2009.10.1)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発明者
  • 朝倉 哲郎
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 再生絹材料及びその製造方法
発明の概要

【課題】天然絹繊維と同等の強度と伸びを持ち、生体内での分解が早い絹繊維を得ることができる絹溶解液、及びそれを用いた新規な再生絹繊維の製造方法の提供。
【解決手段】絹フィブロインを塩化カルシウム水溶液に溶解し、次いで脱塩して得られる絹フィブロイン溶解物を、塩化カルシウムと共に有機溶媒に溶解してなる絹溶解液。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


絹糸は高い生体親和性を有しており、細くて強く適度な弾性と柔軟性を持ち、糸の滑りがよく、結びやすく解けにくい特性を持っていることから、手術用の縫合糸として用いられる天然繊維である。タンパク質である絹は、生体内での分解性は極めて低く、一般には、抜糸を必要とする非吸収性縫合糸とされている。
一方、抜糸が不要な生体内分解吸収性の再生コラーゲンなどの縫合糸は、強度は絹糸の10分の1で、コシがなく結び難い等の問題がある。



近年、絹の高い生体適合性を利用した様々な再生絹材料が開発され、医療、生化学、食品、化粧料など幅広い分野での利用が期待されている。特に、再生医療のための材料として注目されている。
これら再生絹材料の作製において、家蚕絹フィブロインを溶解する際に臭化リチウム等の中性塩や、銅エチレンジアミン等の錯塩水溶液などの溶媒が頻用されている。しかしながら、これらの溶媒中に長時間置くと絹フィブロイン分子鎖が分解し、再生絹糸が得られたとしても力学物性は極めて低いなどの欠点がある。さらに、透析によって、塩を取り除き絹水溶液とした場合は、再生絹糸は得られないか、得られたとしても力学物性は極めて低い。



これに対し、分子量の低下が起こりにくく、優れた力学特性を有する再生絹材料を得るための溶媒としてヘキサフロロイソプロパノール(HFIP)が知られており、天然の家蚕絹繊維を一旦臭化リチウム等の塩水溶液に溶解し、透析によって塩を除去した後、流延乾燥して得られた絹フィブロインフィルムをHFIPに溶解させて絹フィブロイン繊維を製造する方法(特許文献1)が報告されている。また、HFIPでは溶解に長時間を要することから、HFIPの代わりにヘキサフロロアセトン(HFA)を用いる方法が報告されている(特許文献2)。
HFIPやHFAを用いて作製された再生絹材料は、天然の絹との同様の性質、強い強度と伸びを持つ点で有用であるが、生分解性は低い。再生絹材料を医療分野、特に再生医療に利用するには、高い生分解性あるいは生分解性を個別の再生医療材料に応じてコントロールできることが望ましい。



生分解性の絹材料としては、絹フィブロインにセルロースなど特定の物質を複合させた生分解性生体高分子材料が知られている(特許文献3)。
しかしながら、生分解速度及び引っ張り強度が十分とはいえず、天然の絹糸と同等の強度を維持したまま、優れた生分解性能を兼ね備えた絹繊維が強く要望されていた。

【特許文献1】特表平7-503288号公報

【特許文献2】特開2004-68161号公報

【特許文献3】特開2004-18757号公報

産業上の利用分野


本発明は、絹溶解液及びそれを用いた新規な再生絹材料の製造方法に関する。詳しくは、天然絹繊維に近い強度と伸びを持ち、生体内での分解が早い絹繊維を得ることができる絹溶解液及びそれを用いた再生絹繊維の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
絹フィブロインを塩化カルシウム水溶液に溶解し、次いで脱塩して得られる絹フィブロイン溶解物を、絹溶解液中の塩化カルシウムの濃度が1~11w/v%となるように塩化カルシウムと共にヘキサフロロイソプロパノール(HFIP)及び/又はヘキサフロロアセトン(HFA)に溶解してなる絹溶解液。

【請求項2】
請求項記載の絹溶解液から紡糸し、必要に応じて延伸することを特徴とする再生絹繊維の製造方法。

【請求項3】
前記紡糸の方法が、絹溶解液を凝固浴中に紡出する湿式紡糸法である請求項記載の製造方法。

【請求項4】
前記凝固浴が、メタノール又はエタノールである請求項記載の製造方法。

【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項記載の方法により製造された再生絹繊維。
産業区分
  • 高分子化合物
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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