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細胞増殖促進活性を有するペプチド

国内特許コード P110002053
整理番号 S2008-0212-N0
掲載日 2011年3月29日
出願番号 特願2008-052139
公開番号 特開2009-209064
登録番号 特許第5360738号
出願日 平成20年3月3日(2008.3.3)
公開日 平成21年9月17日(2009.9.17)
登録日 平成25年9月13日(2013.9.13)
発明者
  • 谷原 正夫
  • 古谷 嘉章
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 細胞増殖促進活性を有するペプチド
発明の概要

【課題】新規な細胞増殖促進活性を有するペプチド、細胞増殖促進活性とヘパリン結合活性を有するペプチド、ならびにそれらの生理学的に許容される塩を提供する。
【解決手段】以下の(1)~(4)のいずれかに示すペプチド、又はその塩:
(1)下記一般式(I)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
Phe Phe X1 Arg X2 Glu Ser Asn X3 Tyr (I)
(式(I)において、X1はGluまたはAspを表し;X2はLeuまたはPheを表し;X3はAsnまたはGlnを表す);
(2)上記一般式(I)で表されるアミノ酸配列において、1~3個のアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、水溶性を示し、且つ細胞増殖促進活性を有するペプチド。
(3)下記一般式(II)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
Phe Phe X4 Arg X5 Glu Ser Asn X6 Tyr X7 Thr Tyr Arg Ser Arg Lys (II)
(式(II)において、X4はGluまたはAspを表し;X5はLeuまたはPheを表し;X6はAsnまたはGlnを表し;X7はAsnまたはGlnを表す);
(4)上記一般式(II)で表されるアミノ酸配列において、1~3個のアミノ酸が置換、欠失、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、ヘパリン結合性であって、且つ細胞増殖促進活性を有するペプチド。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


胚性幹細胞や体性幹細胞を用いる再生医療は、従来回復が不可能と考えられていた神経変性疾患などの難病の治療に希望を与えるものであり、既に先駆的な臨床試験も開始されている。しかし、神経疾患の治療においても、移植する神経幹細胞の供給源、数量、神経への分化効率などの多くの問題があり、神経幹細胞等の有効な増殖・分化方法が求められている(例えば、非特許文献1を参照)。



上記のような、細胞の増殖促進活性を示す物質は数多く知られているが、一方で無制限な増殖は細胞の癌化や腫瘍の悪性化を引き起こすことも知られている。代表的な増殖因子である繊維芽細胞増殖因子(FGF)はヘパリンやヘパラン硫酸結合性ならびに強力な細胞増殖、移動、分化、血管新生を示すとともに、種々の癌遺伝子産物との相同性が指摘されている。(例えば、非特許文献2を参照)
塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)の受容体結合部位とヘパリン結合部位の探索がなされ、FGF-(24-68)-NH2とFGF-(106-115)-NH2がbFGFの作用を阻害すること、これらのペプチド単独で弱いbFGF様活性を示すことが報告されている。(例えば、非特許文献3を参照)
マルチドメイン合成ペプチドF2A4-K-NSが、FGF受容体と結合しFGF様活性、即ち細胞増殖、移動、血管新生作用を示すとともにヘパリン結合性を持つことが報告されている。(例えば、非特許文献4を参照)
絹タンパクの非結晶部から分離、分収された分子量が1万以下のペプチドが細胞接着剤、細胞増殖促進剤、創傷治癒促進剤、化粧料として有用であることが知られている。(例えば、特許文献1を参照)
新しい血管の増殖、ヒト内皮細胞の遊走の誘導作用を持つIGDペプチド、特にGGIGDGGを含む組成物が知られている。(例えば、特許文献2を参照)
酸性繊維芽細胞増殖因子(aFGF)を含むスキンケア用組成物が知られている。(例えば、特許文献3を参照)
上記のaFGFやbFGFなどは、活性は高いが分子量が大きいタンパク質であるので、抗原性、投与方法、安定性に問題がある。一方、低分子量ペプチドは活性が低い、特異性が十分でないなどの問題がある。

【特許文献1】特開2004-339189

【特許文献2】特開2005-518409

【特許文献3】特開2006-265221

【非特許文献1】実験医学、Vol.20(9),1276-1279、2002

【非特許文献2】Methods in Enzymology, 147, 106-119, 1987

【非特許文献3】Proc Natl Acad Sci USA, 85, 2324-2328, 1988

【非特許文献4】Int J Mol Med, 17, 833-839, 2006

産業上の利用分野


本発明は新規な細胞増殖促進活性を有するペプチド、細胞増殖促進活性とヘパリン結合活性を有するペプチド、ならびにそれらの生理学的に許容される塩に関する。さらに詳しくは、本発明は胚性幹細胞や神経幹細胞、造血幹細胞などの幹細胞、皮膚繊維芽細胞や神経細胞、血管内皮細胞の増殖、分化制御、皮膚疾患や神経疾患、皮膚潰瘍などの治療に有用なペプチドならびにその薬学的に許容される塩に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(1)又は(2)に示すペプチド、又はその塩:
(1)下記一般式(I)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド
Phe Phe X1 Arg X2 Glu Ser Asn X3 Tyr (I)
(式(I)において、X1はGluまたはAspを表し;X2はLeuを表し;X3はAsnまたはGlnを表す);
(2)Phe Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn(配列番号4)からなるペプチド。

【請求項2】
下記一般式(II)で表されるアミノ酸配列からなるペプチド、又はその塩
Phe Phe X4 Arg X5 Glu Ser Asn X6 Tyr X7 Thr Tyr Arg Ser Arg Lys (II)
(式(II)において、X4はGluまたはAspを表し;X5はLeuを表し;X6はAsnまたはGlnを表し;X7はAsnまたはGlnを表す)。

【請求項3】
下記配列のいずれかからなる請求項1または2に記載のペプチド又はその塩:
(i) Phe Phe Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr(配列番号1);
(ii) Phe Phe Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys(配列番号2);
(iii) Phe Phe Asp Arg Leu Glu Ser Asn Gln Tyr Gln Thr Tyr Arg Ser Arg Lys(配列番号3)。

【請求項4】
ミノ酸配列のアミノ末端のアミノ基の水素が、アセチル基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、1~3残基のペプチドで置換された、請求項1~3のいずれかに記載のペプチド又はその塩。

【請求項5】
ミノ酸配列のカルボキシ末端のカルボキシル基が、アミド基、メチルエステル基、ブチルエステル基、1~3残基のペプチドで置換された、請求項1~3のいずれかに記載のペプチド又はその塩。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のペプチド又はその塩、及び薬学的に許容される基材又は担体を含む医薬製剤。

【請求項7】
請求項1~5のいずれかに記載のペプチド又はその塩が、生分解性基材に担持されている、請求項6に記載の医薬製剤。

【請求項8】
生分解性基材がアルギン酸ゲルである、請求項7に記載に医薬製剤。

【請求項9】
幹細胞、皮膚線維芽細胞、神経細胞又は血管内皮細胞の増殖又は分化制御用である、請求項6~8のいずれかに記載の医薬製剤。

【請求項10】
幹細胞が、胚性幹細胞、神経幹細胞、骨髄幹細胞及び造血幹細胞からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項9に記載の医薬製剤。

【請求項11】
血管新生用である請求項6~10のいずれかに記載の医薬製剤。

【請求項12】
皮膚潰瘍の予防又は治療用である請求項6~11のいずれかに記載の医薬製剤。

【請求項13】
皮膚潰瘍が、褥瘡、糖尿病性潰瘍及び熱傷潰瘍からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項12に記載の医薬製剤。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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