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円偏光発光性ナノ微粒子 外国出願あり

国内特許コード P110002054
整理番号 S2008-0210-N0
掲載日 2011年3月29日
出願番号 特願2008-088945
公開番号 特開2009-242501
登録番号 特許第5382489号
出願日 平成20年3月29日(2008.3.29)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
登録日 平成25年10月11日(2013.10.11)
発明者
  • 内藤 昌信
  • 岩堀 健治
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 円偏光発光性ナノ微粒子 外国出願あり
発明の概要 【課題】円偏光発光特性を示す化合物半導体ナノ微粒子を提供する。
【解決手段】籠状タンパク質であるフェリチンのコア内で調整したCdSが高い円偏光発光(CPL)を示す。また、この円偏光発光(CPL)の波長は、レーザ照射により調整することができ、これによりバイオナノテクノロジー分野における化合物半導体のナノ微粒子の利用として、WORM(Write-Once Read-Many times)メモリの創成など利用可能となる。なお、籠状タンパク質は、空洞が形成されたタンパク質であり、アポフェリチンなどのフェリチンタンパク質ファミリーやその組み換え体を用いることができる。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要


近年、バイオテクノロジー分野の発展はめざましく他の領域への応用も模索されており、半導体微細加工技術への応用(バイオナノテクノロジー)も研究が進められている。バイオテクノロジーでは「DNA」という設計図をもとに分子レベルでの生成物(アミノ酸残基)の制御が可能であり、そのさまざまなアミノ酸残基からなる全てのタンパク質は、自己集合能によってサイズ分散のない「ナノブロック」を形成することができる。このようにバイオテクノロジーを用いれば、ナノスケールでの生成物の形成を制御することができ、当該生成物として半導体の構成要素を作り込めば、バイオテクノロジーの半導体微細加工技術への応用が見えてくる。



ここに、バイオテクノロジーを半導体微細加工に応用した技術として、フェリチンという生体内に存在する籠状タンパク質を用いて量子ドットを形成する技術が開示されている(特許文献1、特許文献2を参照)。
フェリチンは、図1に示すように、単量体24個のタンパク質で構成された直径12nmの球状のタンパク質外殻部分2Aと、当該外殻部分の中心部分であって生体内のFeイオンを吸収して酸化物の形で保持せしめた直径6nm程度のコア部分1Aとを有する構造を持っている。タンパク質の外殻部分とコア部分を持つため籠状タンパク質と呼ばれている。フェリチンは吸収したFeイオンを酸化させる活性部位を持ち、Feイオンは5Fe・9HOの酸化物となって蓄えられる。



また、かかるフェリチンから金属酸化物のコアが抜けたものは、アポフェリチンと呼ばれており、アポフェリチンは上記したFeの他、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)など種々の金属からなる微粒子をコアに蓄えることもできる。図2に、アポフェリチン中に作製された種々の金属ナノ微粒子のTEMイメージを示す。



上記のようにフェリチンはコア部分に金属酸化物を持つとともに、外殻は単量体のタンパク質が24個組み合わさった構造をしている。このフェリチンは自己集合能を持つために均一な膜として形成しやすく、かつ、外殻のタンパク質はUVオゾン熱処理などで分解・除去しやすいという特徴を有する。
ここに、フェリチンの自己集合能を活かしてフェリチンの半導体基板上での吸着位置を制御し、フェリチンの外殻タンパク質を選択的に除去すれば、図2に示したように、コアである金属酸化物を二次元マトリックス状に配列させた構造物を製作することができるのである。



また、フェリチンはコア部分に、2種類以上の元素からなる化合物半導体のナノ微粒子を作製できることも知られている(特許文献3を参照)。
化合物半導体のナノ微粒子は、量子閉じ込め効果によりバルク状態とは大きく異なる物性を発現する。中でも、高い輝度、高い耐光性、広い励起スペクトル、狭い蛍光スペクトルといった理想的な蛍光特性を備えていることから、次世代のオプトエレクトロニクス材料として注目を集めている。一方、親水性被覆分子を用いた水溶性の化合物半導体のナノ微粒子が開発されて以来、バイオイメージングやイムノアッセイなど、化合物半導体のナノ微粒子のバイオテクノロジーへの応用も盛んに研究されている。
特許文献3に開示された技術により、半導体からなる微粒子の量子サイズ効果を利用したり、励起された場合に蛍光を発する化合物半導体の微粒子の場合は生体物質の標識方法などへの利用が可能となっている。図3に、アポフェリチン中に作製された種々の化合物半導体のナノ微粒子のTEMイメージを示す。



上述したように、化合物半導体のナノ微粒子は次世代のオプトエレクトロニクス材料として注目を集めている。しかし、現在のところ、バイオテクノロジー分野における化合物半導体のナノ微粒子の利用は、発光性有機分子の代替にとどまっているのが現状である。
これまで発明人らは、高輝度な円偏光性発光分子の創成を目指し、光学活性かつ発光性のらせん高分子、芳香族低分子、化合物半導体ナノ粒子を創成し、その円偏光発光(CPL:Circularly Polarized Luminescence)特性について検討してきた。
円偏光発光(CPL)とは、光学活性分子から発せられる右円偏光と左円偏光の発光強度の差分を指すものである(図4参照)。かかる円偏光発光(CPL)は、従来から励起状態における有機分子の立体構造の評価に利用されてきたが、近年では高輝度液晶ディスプレイ用の偏光光源をはじめとして、3次元ディスプレイ、記憶材料、光通信など高度な光情報プロセッシングへの利用が期待されている。



この円偏光発光(CPL)を示す物質としては、生物発光、発光性希土類や光学活性共役高分子などが知られている。また化合物半導体では、GaAsなどが円偏光レーザーで励起すると円偏光発光を示す報告がある。しかしながら、化合物半導体ナノ微粒子ではこれまで達成されたという報告はない(例えば、非特許文献1を参照)。化合物半導体が円偏光発光(CPL)を示すか否かの試みとして、光学活性チオール化合物によって合成された円二色性(CD)活性なCdSに関して示されているが、この報告の中では、化合物半導体ナノ微粒子はCPL不活性であると報告されている(非特許文献2を参照)。



【特許文献1】
特開平11-45990号公報
【特許文献2】
特開2003-086715号公報
【特許文献3】
国際公開WO2007/032241号公報
【非特許文献1】
J. Am. Chem.Soc., 128, 9030 (2006).
【非特許文献2】
Chem.Commun.,M.P.Moloney,et al.,2007,page 3900

産業上の利用分野


本発明は、円偏光発光性を示す微粒子に関するもので、特に、フェリチン(アポフェリチン)内に内包された化合物半導体ナノ微粒子から成る円偏光発光性ナノ微粒子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アポフェリチンに内包されたCdS又はZnSのナノ微粒子から成り、所定時間のレーザ照射により、円偏光発光波長が制御された円偏光発光性ナノ微粒子。

【請求項2】
アポフェリチンに内包されたCdS又はZnSのナノ微粒子に、
所定時間、レーザ照射することにより、
円偏光発光波長を制御し得る、
ことを特徴とする円偏光発光性ナノ微粒子の波長制御方法。

【請求項3】
前記レーザ照射によりCdS又はZnSに光酸化反応を起こさせて
円偏光発光波長長波長シフトさせる、
ことを特徴とする請求項に記載の円偏光発光性ナノ微粒子の波長制御方法。

【請求項4】
前記レーザ照射により直線偏光励起させ
発光波長短波長シフトさせる、
ことを特徴とする請求項に記載の円偏光発光性ナノ微粒子の波長制御方法。

【請求項5】
請求項1の円偏光発光性ナノ微粒子が、二次元的に絶縁膜層内部に配置されている、ことを特徴とする量子ドットメモリ。

【請求項6】
請求項1の円偏光発光性ナノ微粒子、から成るWORM型単一量子ドットメモリ。

【請求項7】
請求項1の円偏光発光性ナノ微粒子、を含むセキュリティ用ペイント材。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008088945thum.jpg
出願権利状態 登録
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