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核酸類の配列選択的な精製方法

国内特許コード P110002085
整理番号 S2008-0538-N0
掲載日 2011年3月31日
出願番号 特願2008-106642
公開番号 特開2009-254279
登録番号 特許第4814904号
出願日 平成20年4月16日(2008.4.16)
公開日 平成21年11月5日(2009.11.5)
登録日 平成23年9月2日(2011.9.2)
発明者
  • 藤本 健造
  • 吉村 嘉永
出願人
  • 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 核酸類の配列選択的な精製方法
発明の概要 【課題】
ごく短時間で行うことができ、高い配列選択性と回収率を両立させた、特定の塩基配列を備えた核酸類の精製及び回収の方法を提供すること。
【解決手段】
塩基部分として式Iで表される基を有する光連結性核酸類と、核酸類混合物中に含まれる特定の塩基配列を有する標的核酸類とを、ハイブリッド形成させる工程、ハイブリッド形成した光連結性核酸類と標的核酸類に、光照射を行って、光連結させる工程、光連結されていない核酸類を洗浄によって除去する工程、ハイブリッド形成した光連結性核酸類と標的核酸類に、光照射を行って、光開裂させる工程、を含む、核酸類混合物中に含まれる特定の塩基配列を有する標的核酸類を、精製する方法。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


特定の塩基配列を備えた核酸類の精製と回収は、遺伝子工学でも重要な基本的な手段のひとつである。特定の塩基配列を備えた核酸類の精製と回収には、その特定の配列と相補的な塩基配列を有する核酸プローブとのハイブリッド形成(ハイブリダイゼーション)が、特定の塩基配列の特異的な認識を可能にする基本的原理として、永らく利用されてきている(例えば、非特許文献1参照)。



しかし、実際のハイブリッド形成の条件下においては、核酸プローブ分子との会合を、完全な相補鎖としてハイブリッド形成する標的塩基配列の核酸類のみで生じさせることは難しい。すなわち、相補鎖として不完全な非標的塩基配列の核酸類に対しても、一定のミスマッチを含む不完全なハイブリッド形成をしてしまい、核酸プローブ分子との会合が生じることが知られている。このような核酸プローブとの意図しない会合(エラー)は、後の回収段階でノイズ(不純物)として出現する。このようなノイズが出現しないように、検出の特異性を高めようとすれば、不完全なハイブリッド形成を排除することが必要となる。



一方で、ノイズ(不純物)を低減させるためには、不完全なハイブリッド形成ができるだけ生じない条件下で処理を行うことになるが、このような条件下では目的とするハイブリッド形成もまた不安定なものとなって、その結果、標的とする核酸類の回収率が低下してしまう。



しかしながら、ハイブリッド形成による識別は平衡系における熱的安定性の差を利用しているものであって、完全なハイブリッド形成も不完全なハイブリッド形成もその違いは熱的安定性の違いに過ぎない。そのために、両者を区別する適切な条件は目的の塩基配列によって異なり、さらに適切な条件下でもなお、熱的安定性を変化させる条件は両者に均等に作用する。厳密な温度管理を行った実験条件下であっても、この点はかわらない。すなわち、平衡系におけるハイブリッド形成の熱的安定性の差のみを、両者の区別の原理として使用する限りは、温度管理等の条件を厳密に設定した実験条件下であってもなお、精製の純度と回収率のバランスで妥協して、一定のノイズ(不純物)を甘受せざるを得なかった。



さらに、近年では、新規創薬や遺伝子診断のために、一塩基置換した塩基配列を有する核酸類の精製と回収をするための技術が求められている。特に、DNAの一塩基多型をタイピングする技術には、医療診断の分野での期待が大きい。このために、一塩基の置換を識別できるほどの高い配列選択性と、実用可能な回収率とを両立させた精製と回収の技術が特に求められている。



また、近年では、非コードRNA(ncRNA)と総称される翻訳を受けないRNAの精製と回収をするための技術が求められている。このncRNAには、サイズが小さいためにマイクロRNA(miRNA)と呼ばれる一群があり、また、従来はpolyAを有してしばしばスプライシングを受けることから単純にmRNAとされてきた分子の相当の割合がmRNA型ncRNAと呼ばれる一群に属するとも言われている。しかし、これらのRNAは、分子数が少なく多種類が存在していることに加えて、分解を受けやすく短命であるために、ごく短時間で精製と回収を進めなければならない。このために、ごく短時間で処理可能なRNAの配列選択的な精製及び回収の技術が特に求められていた。
【非特許文献1】
Lambert, K. N.; Williamson, V. M. Nucleic Acids Res. 1993, 21, pp775-776.

産業上の利用分野


本発明は、核酸類の配列選択的な精製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
塩基部分、次の式I:
【化1】


(ただし、式I中、Raは、シアノ基、アミド基、カルボキシル基、C2~C7のアルコキシカルボニル基、又は水素であり、
R1及びR2は、それぞれ独立に、シアノ基、アミド基、カルボキシル基、C2~C7のアルコキシカルボニル基、又は水素である。)
で表される基であるヌクレオシドが組み込まれてなる、光連結性核酸類(ただし、核酸類には、核酸、ペプチド核酸が含まれる)と、
核酸類混合物中に含まれる特定の塩基配列を有する標的核酸類とを、ハイブリッド形成させる工程、
ハイブリッド形成した光連結性核酸類と標的核酸類に、光照射を行って、光連結させる工程、
光連結されていない核酸類を洗浄によって除去する工程、
ハイブリッド形成した光連結性核酸類と標的核酸類に、光照射を行って、光開裂させる工程、
を含む、核酸類混合物中に含まれる特定の塩基配列を有する標的核酸類を、精製する方法。

【請求項2】
光連結されていない核酸類を洗浄によって除去する工程が、相補的二重鎖が解離する洗浄条件で洗浄することによって行われる、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
光連結性核酸類が、標識部位を備えている、請求項1~2の何れかに記載の方法。

【請求項4】
光連結性核酸類が、担体に固定化されている、請求項1~2の何れかに記載の方法。

【請求項5】
光連結させる工程の光照射が、350~380nmの範囲の波長の光照射によって行われる、請求項1~4の何れかに記載の方法。

【請求項6】
光開裂させる工程の光照射が、310~345nmの範囲の波長の光照射によって行われる、請求項1~5の何れかに記載の方法。

【請求項7】
光連結させる工程が、緩衝作用のある塩を含む反応溶液中で行われる、請求項1~6の何れかに記載の方法。

【請求項8】
塩基部分、次の式I:
【化2】


(ただし、式I中、Raは、シアノ基、アミド基、カルボキシル基、C2~C7のアルコキシカルボニル基、又は水素であり、
R1及びR2は、それぞれ独立に、シアノ基、アミド基、カルボキシル基、C2~C7のアルコキシカルボニル基、又は水素である。)
で表される基であるヌクレオシドが組み込まれてなる、標識部位を備えている、光連結性核酸類(ただし、核酸類には、核酸、ペプチド核酸が含まれる)。

【請求項9】
塩基部分、次の式I:
【化3】


(ただし、式I中、Raは、シアノ基、アミド基、カルボキシル基、C2~C7のアルコキシカルボニル基、又は水素であり、
R1及びR2は、それぞれ独立に、シアノ基、アミド基、カルボキシル基、C2~C7のアルコキシカルボニル基、又は水素である。)
で表される基であるヌクレオシドが組み込まれてなる、担体に固定された、光連結性核酸類(ただし、核酸類には、核酸、ペプチド核酸が含まれる)。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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