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空圧式除振台システムの振動抑制制御方法 コモンズ

国内特許コード P110002094
整理番号 N10097
掲載日 2011年4月1日
出願番号 特願2011-059975
公開番号 特開2012-193820
登録番号 特許第5762069号
出願日 平成23年3月18日(2011.3.18)
公開日 平成24年10月11日(2012.10.11)
登録日 平成27年6月19日(2015.6.19)
発明者
  • 千田 有一
  • 小池 雅和
  • 中澤 裕司
  • 茶圓 秀一郎
出願人
  • 国立大学法人信州大学
  • ヘルツ株式会社
発明の名称 空圧式除振台システムの振動抑制制御方法 コモンズ
発明の概要 【課題】大変位の振動、例えば数mmレベルの振動をアクティブ制御により迅速に抑制するのに適した空圧式除振台システムの振動抑制制御方法を提案すること。
【解決手段】空圧式除振台システムは複数の開閉弁のon-off操作により規定される多値の量子化流量により空気ばねに対する流量を制御して除振台の振動を制御する。空圧制御において配管を用いているため、むだ時間を状態予測制御(F)により除去する。開閉弁のon-off操作を考慮して、制御系にFBMを追加すると共にFBMの前段に不感帯関数Ψと飽和関数Γを追加し、さらに、不感帯関数Ψに不感帯補償器Hを追加する。数mmレベルの大振動を従来の機構に比べて迅速に抑制でき、開閉弁のon-off駆動による制御はサーボ弁を用いた線形制御に比較して高速応答性に優れ、安価に実現できる。
【選択図】図12
従来技術、競合技術の概要


精密部品の製造、測定分野では、床からの振動を抑制するために除振台が広く使用されている。特に空圧式除振台は大重量を低エネルギーで支持でき、高い除振性能を有することから広く使用されている。また、除振台に直接加わる直動外乱によって発生する振動を抑制するために、空圧式除振台へのアクティブ制御についてこれまで種々の提案および研究がなされている。



特許文献1には空圧式除振台のアクティブ制御方法および装置が提案されている。また、微分圧力情報を利用しノズルフラッパー型サーボ弁を用いて空気ばねの内圧をアクティブに制御する手法(非特許文献1)、絶対変位センサを利用しボイスコイルモータを用いて除振台に外力を加えることで制振性能を高める手法(非特許文献2)、位置、速度、加速度情報をフィードバックし、さらにフィードフォワードを組み合わせることで空気ばねの内圧を制御し位置決めの高速化をはかる手法(非特許文献3、4)が提案されている。さらに、ボイスコイルモータを多点配置することで制御帯域を広げる手法(非特許文献5)、加速度センサノイズを軽減させることで性能を向上させる手法(非特許文献6、7)、補助タンクを用いたり、空気ばねの形状を工夫して性能を向上させる手法(非特許文献8、9)、スプール型サーボバルブを用いて低消費流量でアクティブに制御する手法(非特許文献10)なども提案されている。一方、本発明に関連する先行技術として非特許文献11~18において提案されているものがある。

産業上の利用分野


本発明は空圧式除振台システムの振動抑制制御方法に関し、特に、大変位の振動、例えば数mmレベルの振動をアクティブ制御により迅速に抑制するのに適した空圧式除振台システムの振動抑制制御方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
空圧式除振台システムの振動抑制制御方法であって、
前記空圧式除振台システムは、
除振台と、
前記除振台を支持している空気ばねと、
on-offの2値を取る少なくとも1つの吸気用開閉弁およびon-offの2値を取る少なくとも1つの排気用開閉弁を介して前記空気ばねに対する圧縮空気の供給および排出を行う空圧回路と、
前記除振台の除振方向の変位(z)または速度に関する情報および前記空気ばね内の空気の圧力変化(ΔP)をフィードバックして前記除振台の振動を抑制するために要求される前記空気ばねに対する圧縮空気の指令流量を算出し、当該指令流量を、前記吸気用開閉弁および前記排気用開閉弁のon-off操作によって得られる離散的な多値の操作流量に変換し、当該操作流量を前記空気ばねに与える制御系とを有しており、
前記制御系に圧力フィードバックをマイナーフィードバックとして施して、
前記制御系に入力される操作量として指令圧力変化(ΔPc)を採用し、当該指令圧力変化(ΔPc)とマイナーフィードバックされた圧力変化(ΔP)との誤差圧力変化信号(u)を、変換定数ゲイン(p)を介して、前記指令流量(u)に変換することにより、
前記圧力フィードバックを施した後の前記制御系および前記制御対象を含むシステムを、x=z、xドット=zの一次微分、および、u=ΔPcを制御入力として、式(A)で表される状態方程式で規定し、
式(A)


但し、
m:除振台の質量
k:空気ばねのバネ定数
c:空気ばねの粘性定数
S:除振台と空気ばねの接触面積
L:むだ時間(開閉弁に対するon-off指令の発生時点から空気ばね内の圧力変動の開始時点までの応答遅れ)
前記開閉弁のon-off操作に伴う前記空気ばねの圧力制御性能の劣化を防止するために、前記制御系における前記変換定数ゲイン(p)の後段にフィードバック変調器(FBM)を追加し、
前記フィードバック変調器(FBM)において、前記開閉弁のon-off操作によって得られる前記操作流量(Gd)の量子化規則を表す飽和関数および量子化器と同一特性の飽和関数および量子化器を設けると共に、当該量子化器の入力信号および出力信号の誤差を当該入力信号にフィードバックし、
前記フィードバック変調器(FBM)から出力される流量指令変調信号を前記指令流量(u)として用いることを特徴とする空圧式除振台システムの振動抑制制御方法。

【請求項2】
請求項1において、
前記むだ時間(L)に起因する前記空気ばねの圧力制御性の劣化を防止するために、前記制御系に入力される前記指令圧力変化(ΔPc)に対して、Fを状態フィードバック制御ゲインとして式(B)で表される状態フィードバックを施し、
式(B)


前記むだ時間(L)を含む前記制御系の安定性を保証するための状態フィードバックゲイン(F)の値を、LMI(Linear Matrix Inequality)により求めることを特徴とする空圧式除振台システムの振動抑制制御方法。

【請求項3】
請求項1または2において、
前記制御系による制御が前記誤差圧力変化信号(u)に含まれているノイズ成分に過剰に反応することを防止するために、前記制御系における前記変換定数ゲイン(p)の前段に、式(C)で表される不感帯関数(Ψ)を追加し(u、u:不感帯関数の前後の信号、u=u)、
式(C)


前記フィードバック変調器FBMの入力信号(u)と出力信号(u)の誤差を抑制するために、前記変換定数ゲイン(p)と前記フィードバック変調器(FBM)の間に、式(D)で表される飽和関数Γを追加して、前記変換定数ゲイン(p1)を介して前記
フィードバック変調器(FBM)に供給される入力信号(u)を、飽和制限を加えた入力信号(u)として当該フィードバック変調器(FBM)に供給することを特徴とする空圧式除振台システムの振動抑制制御方法。
式(D)



【請求項4】
請求項3において、
前記制御系による制御結果に生ずる圧力偏差を抑制するために、前記不感帯関数(Ψ)に、式(E)で表される不感帯補償器(H)を追加し、
式(E)


但し、
α:設計パラメータ
ξ:不感帯関数の前後の信号u、uの差分
不感帯関数(Ψ)で除かれた信号成分をフィードバックして前記誤差圧力変化信号(u)に加えた入力信号(u1)を、前記不感帯関数(Ψ)に入力することを特徴とする空圧式除振台システムの振動抑制制御方法。

【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれか一つの項において、
前記空圧回路は、1つの前記吸気用開閉弁と1つの前記排気用開閉弁を備えており、
前記指令流量(u)の値に応じて、式(F)で規定される飽和関数と量子化器の特性を備えた規則に従って、前記空気ばねに対する操作流量(Gd)が3値(G、G、0)に量子化されることを特徴とする空圧式除振台システムの振動抑制制御方法。
式(F)



【請求項6】
請求項1ないし4のうちのいずれか一つの項において、
前記空圧回路は、並列接続された2つの吸気用開閉弁(Val.#1、Val.#2)と、並列接続された4つの排気用開閉弁(Val.#3~Val.#6)とを備えており、
前記指令流量(u)の値に応じて、以下の表に示す各開閉弁のon-off操作の駆動パターンにより、式(G)で規定される飽和関数と量子化器の特性を備えた規則に従って、前記空気ばねに対する操作流量(Gd:Control input)が5値(G2+、G1+、G1-、G2-、0)に量子化されることを特徴とする空圧式除振台システムの振動抑制制御方法。


式(G)


産業区分
  • 機械要素
  • 機構・伝動
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011059975thum.jpg
出願権利状態 登録
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