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糸牽引推進式内視鏡装置 コモンズ

国内特許コード P110002154
整理番号 H21-025
掲載日 2011年4月5日
出願番号 特願2010-027020
公開番号 特開2011-160986
登録番号 特許第5445953号
出願日 平成22年2月9日(2010.2.9)
公開日 平成23年8月25日(2011.8.25)
登録日 平成26年1月10日(2014.1.10)
発明者
  • 植木 賢
  • 八島 一夫
出願人
  • 国立大学法人鳥取大学
発明の名称 糸牽引推進式内視鏡装置 コモンズ
発明の概要 【課題】内視鏡遠位端を牽引して消化管に挿入することができ、深部消化管に挿入されても、内視鏡本体や細径内視鏡を容易に進ませることができる糸牽引式内視鏡装置を提供すること。
【解決手段】内視鏡本体11の遠位端側外周には内視鏡本体挿入器具固定用バルーン14を有し、スライディングチューブ12の遠位端側外周には外筒固定用バルーン15を有する、糸牽引式内視鏡装置10Mにおいて、内視鏡本体11の遠位端から所定距離離間した外周部の固定位置P1に固定された第1の糸S1が、スライディングチューブ12の遠位端側においてスライディングチューブ12の内部側から外周側へと導出されて、内視鏡操作部まで延びており、スライディングチューブ12の遠位端側内周部P2に固定された第2の糸が、内視鏡本体11の遠位端側に設けられた糸通し孔18を通って内視鏡操作部まで延びている。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



内視鏡は、主に人体内部を観察することを目的とした医療機器であり、現在では内視鏡観察下で直接治療や検体の採取などを行う内視鏡的処置のための各種デバイスを備えたものも開発・実用化されている。内視鏡は、構造によって硬性鏡、軟性鏡、カプセル型に大別され、特に大腸や小腸などの消化管を観察する際には、診断だけで無く治療も同時に行える軟性鏡が現在の主流となっている。





一般的な内視鏡(軟性鏡)は、柔軟な素材でできた管の先端側(内視鏡操作部側から見た遠位端側。以下、「遠位端側」と表現する。)に観察のための光学系や超音波センサ等が取り付けられており、管の中には光源や検出器用の配線、内視鏡的処置を実施するための各種デバイス操作用のケーブルが通された構造をしており、経口・経鼻的もしくは経肛門的に消化管内に挿入され、目的の箇所まで導入されて観察・各種処置が行われる。消化管の中でも、小腸は口からも肛門からも遠く、複雑に屈曲しているために摩擦力も大きくなり、特に深部小腸の病変部になると、従来であれば内視鏡が深部まで到達できず、観察が困難であった。また、例えば大腸内視鏡装置を用いた大腸の内視鏡検査に際しても、大腸内視鏡操作者の技量にもよるが、約10%の症例で深部大腸への大腸内視鏡の挿入が困難な例が存在する。





その理由としては、

(ア)軟性の内視鏡に対して押す力を活用しているために内視鏡が撓んで遠位端側に力が加わらないこと、

(イ)内視鏡は、内視鏡操作部を手元で把持して操作するため、力の作用点が内視鏡の手元側にあるので、軟性の内視鏡の遠位端側に力が加わらないこと、

(ウ)内視鏡と消化管との間の摩擦力が大きいこと、

等にあるものと考えられる。





例えば、図9は経肛門的に内視鏡を挿入している状態を示す図であるが、S状結腸が大きく屈曲しているため、矢印で示した箇所で内視鏡が大きく撓んでしまっている状態を模式的に示している。この状態では、より強く押し込んでも、S状結腸を過度に伸展させるだけで、内視鏡の遠位端側を前進させる方向へは殆ど力が伝わらないことがわかる。





このような従来の内視鏡が抱える問題点に対し、バルーン内視鏡と総称される小腸深部の観察・治療を可能にした内視鏡が、実用化されている。バルーン内視鏡は、内視鏡の遠位端側にバルーンが備えられており、備えているバルーンの数で、シングルバルーン式又はダブルバルーン式と呼ばれるが、いずれも、内視鏡の挿入操作中に適宜バルーンを膨らませることで、外筒部と消化管内壁を摩擦力で固定させることができる。





例えば、下記特許文献1には、遠位端側外周に本体固定用バルーンを取り付けた内視鏡本体と、遠位端側外周にチューブ固定用バルーンを取り付け、内部に内視鏡本体を挿通させて内視鏡本体挿入時のガイドを行うスライディングチューブを有すると共に、各バルーンにエアを供給するポンプ装置を有し、各ポンプ装置は、各バルーン内のエアの圧力を測定して各バルーン内の圧力を制御する制御手段を有する、ダブルバルーン式内視鏡の発明が開示されている。





下記特許文献1に開示されているダブルバルーン式内視鏡50は、図10に示すように、内視鏡本体51及び内視鏡本体51が挿通されているスライディングチューブ52のそれぞれの遠位端側に、本体固定用バルーン53及びチューブ固定用バルーン54を備えている。このダブルバルーン式内視鏡50は、まず本体固定用バルーン53及びチューブ固定用バルーン54を萎ませた状態(図10A)で消化管内へ挿入されるが、上述したように深部へ進むに従って挿入させることが困難になる。





そこで、チューブ固定用バルーン54を膨らませてスライディングチューブ52を消化管に固定した上で、内視鏡本体51を進ませる操作(図10B)と、本体固定用バルーン53を膨らませて内視鏡本体を消化管に固定した上で、スライディングチューブ52の遠位端を内視鏡本体51の遠位端付近まで進ませる操作(図10C)とを、繰り返すことで、深部への挿入を進めていくことができるものである。





例えば、深部小腸へ挿入する際には、以下に述べる(a)~(f)の操作を繰り返すことで、従来よりも深く挿入することができる。すなわち、

(a)内視鏡本体51を、従来どおりの方法で(挿入部付近から押し込んで)挿入していく、

(b)それ以上押し込めなくなったところで、内視鏡本体51の遠位端側に取り付けられている本体固定用バルーン53を膨らませて内視鏡本体51を固定する(図10C)。

(c)内視鏡本体51が固定されている状態で、内視鏡本体をガイドとしてスライディングチューブ52を挿入部付近から押し込むことで、スライディングチューブ52の遠位端側を本体固定用バルーン53の位置まで進める(図10C矢印)。

(d)スライディングチューブ52の遠位端側に取り付けられているチューブ固定用バルーン54を膨らませて、スライディングチューブ52を固定する(図10B)。

(e)スライディングチューブ52が固定されている状態で、内視鏡本体51及びスライディングチューブ52を引き戻すと、固定箇所より手前側の小腸が縮み、固定箇所より奥側の小腸が伸展する。

(f)固定箇所より奥側の小腸が伸展されているので、本体固定用バルーン53を萎ませると、内視鏡本体51を更に奥へと押し込むことが可能となる(図10矢印)。

産業上の利用分野



本発明は、糸牽引推進式内視鏡装置に関し、詳しくは、深部消化管まで容易に挿入することができ、深部まで挿入される場合であっても被検者の苦痛が少ない糸牽引推進式内視鏡装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
外筒と、前記外筒内に挿通される挿入器具とを備え、
前記外筒の遠位端部外周には前記外筒固定用バルーンが形成され、
前記挿入器具の遠位端部外周には前記挿入器具の固定用バルーンが形成された、ダブルバルーン式内視鏡装置において、
前記挿入器具の遠位端側から所定距離離間した位置の外周部に固定された第1の糸が、前記外筒の遠位端側に設けられた糸通し孔又は前記外筒の遠位端より前記外筒の外周側へ導出されて前記内視鏡装置の操作部まで延在されており、
前記外筒の遠位端側から所定距離離間した位置の内周部に固定された第2の糸が、前記挿入器具の遠位端側に設けられた糸通し孔を通って、前記挿入器具の内部に形成された通路を経て、前記内視鏡操作部まで延在されていることを特徴とする糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項2】
前記挿入器具の外周には外径が前記外筒の内径より小径の第1Oリングが固定されており、前記第1Oリングよりも前記内視鏡操作部側に外径が前記外筒の内径よりも小径の第2Oリングが前記挿入器具の外周に沿って摺動可能に取り付けられており、前記第1の糸は前記第2Oリングに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項3】
前記外筒の外周部には、先端が前記外筒の遠位端側に位置すると共に後端が前記内視鏡操作部まで延在する前記外筒よりも細い糸ガイドチューブが固定されており、
前記第1の糸は前記糸ガイドチューブ内を通されて前記内視鏡操作部まで延在されていることを特徴とする請求項1に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項4】
前記第1の糸は、前記外筒の遠位端側よりも前記内視鏡操作部側に形成された別の糸通し孔を経て、前記外筒と前記挿入器具との間を通って前記内視鏡操作部側まで延在されていることを特徴とする請求項1に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項5】
前記外筒の外周側に位置する前記第1の糸は、前記外筒の周囲に形成された前記外筒よりも小径のチューブ内を通されていることを特徴とする請求項4に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項6】
前記第2の糸は、更に、前記挿入器具の遠位端側に設けられた糸通し孔よりも内視鏡操作部側に形成された別の糸通し孔を通され、前記挿入器具と前記外筒との間を通って前記内視鏡操作部まで延在されていることを特徴とする請求項1に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項7】
前記第1の糸は前記挿入器具の外周部の互いに離間した位置に複数本固定されており、前記第2の糸は前記外筒の内周部の互いに離間した位置に複数本固定されており、前記複数本の第1及び第2の糸のそれぞれは個別に、或いは前記第1の糸同士及び前記第2の糸同士で束ねられて、前記内視鏡操作部側まで延在されていることを特徴とする請求項1に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項8】
前記挿入器具の遠位端から、前記第1の糸の固定位置までの距離をA、前記挿入器具の遠位端側に設けられた第2の糸の糸通し孔までの距離をBとし、
前記外筒の遠位端から前記第2の糸の固定位置までの距離をCとしたとき、
B>A かつ B>C
の関係を満たすようになされていることを特徴とする請求項1に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項9】
前記第1及び第2の糸は合成繊維、炭素繊維又は鋼線からなることを特徴とする、請求項1~8の何れかに記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項10】
前記外筒は内視鏡本体であり、前記挿入器具は細径内視鏡であることを特徴とする請求項1~9の何れかに記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項11】
前記外筒はスライディングチューブであり、前記挿入器具は内視鏡本体であることを特徴とする請求項1~9の何れかに記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項12】
外筒と、前記外筒内に挿通される挿入器具とを備え、
前記外筒の遠位端部外周には前記外筒固定用バルーンが形成され、
前記挿入器具の遠位端部外周には前記挿入器具の固定用バルーンが形成された、ダブルバルーン式内視鏡装置において、
第1の糸の一端が、前記挿入器具の遠位端側から所定距離離間した位置又は前記外筒の遠位端側に固定され、
前記第1の糸の他端が、前記外筒の遠位端側又は前記挿入器具の遠位端側から所定距離離間した位置に配置された第1のマイクロモーターにより駆動される前記第1の糸の巻き取り及び繰り出し手段に結合され、
前記第2の糸の一端が、前記外筒の遠位端側から所定距離離間した位置又は前記挿入器具の遠位端側に固定され、
前記第2の糸の他端が、前記挿入器具の遠位端側又は前記外筒の遠位端側から所定距離離間した位置に配置された第2のマイクロモーターにより駆動される前記第2の糸の巻き取り及び繰り出し手段に結合され、
ていることを特徴とする糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項13】
前記第1の糸の巻き取り及び繰り出し手段ないし前記第2の糸の巻き取り及び繰り出し手段は、それぞれ前記外筒の外周部又は前記挿入器具の内部に配置されており、前記第1の糸ないし前記第2の糸はそれぞれ前記外筒又は前記挿入器具に形成された糸通し孔を経てそれぞれ前記第1の糸の巻き取り及び繰り出し手段ないし前記第2の糸の繰り出し手段に結合されていることを特徴とする請求項12に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項14】
前記挿入器具の外周には外径が前記外筒の内径より小径の第1Oリングが固定されており、前記第1Oリングよりも前記内視鏡操作部側に外径が前記外筒の内径よりも小径の第2Oリングが前記挿入器具の外周に沿って摺動可能に取り付けられており、前記第1の糸は前記第2Oリングに固定されていることを特徴とする請求項12に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項15】
前記挿入器具の遠位端から、前記挿入器具における前記第1の糸の最も遠位端側となる位置までの距離をA、前記挿入器具における前記第2の糸の最も遠位端側となる位置までの距離をBとし、
前記外筒の遠位端から前記外筒における前記第2の糸の遠位端となる位置までの距離をCとしたとき、
B>A かつ B>C
の関係を満たすようになされていることを特徴とする請求項12に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項16】
前記第1及び第2の糸及び前記第1及び第2の糸の巻き取り及び繰り出し手段はそれぞれ複数配置されていることを特徴とする請求項12に記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項17】
前記第1及び第2の糸は合成繊維、炭素繊維又は鋼線からなることを特徴とする、請求項12~16の何れかに記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項18】
前記外筒は内視鏡本体であり、前記挿入器具は細径内視鏡であることを特徴とする請求項12~17の何れかに記載の糸牽引推進式内視鏡装置。

【請求項19】
前記外筒はスライディングチューブであり、前記挿入器具は内視鏡本体であることを特徴とする請求項12~17の何れかに記載の糸牽引推進式内視鏡装置。
産業区分
  • 治療衛生
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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