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三次元シースフロー形成構造及び微粒子集束方法

国内特許コード P110002159
整理番号 WASEDA-961
掲載日 2011年4月6日
出願番号 特願2009-135665
公開番号 特開2010-279908
登録番号 特許第5700189号
出願日 平成21年6月5日(2009.6.5)
公開日 平成22年12月16日(2010.12.16)
登録日 平成27年2月27日(2015.2.27)
発明者
  • 庄子 習一
  • 水野 潤
  • 後藤 峰生
  • 加藤 友也
  • 篠原 秀敏
  • 船津 高志
  • 荒川 貴博
  • 小原 收
  • 白崎 善隆
出願人
  • 公益財団法人かずさDNA研究所
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 三次元シースフロー形成構造及び微粒子集束方法
発明の概要 【課題】極めて簡便で方法で容易に作製することが可能であり、シース液を流し込むだけで試料溶液の流路中央部への集束が可能となるシースフロー形成構造を提供すること。
【解決手段】
第一集束領域又は第二集束領域の少なくともいずれか一つの領域において、試料溶液流を含む流路の第一の面と共通する面を有し且段差(深さ)が異なるシ-ス液導入流路を該試料溶液流を含む流路の両側方から合流させ、シース液流によって該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第一の構造を含む、試料溶液流を流路中央方向に集束させるシースフロー形成構造。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要


近年のマイクロファブリケーション技術の発展により、ガラスや樹脂などのチップ上にミクロンオーダーの液体流路を形成し、この液体流路に試料を流すことによって、試料の分析、反応または分離を行わせるマイクロシステムの開発が進められている。このようなマイクロシステムは、試料が少量であっても試料の分析が可能であること、また、試料をチップ内に閉じ込めたまま操作することが出来るなどの利点を有している。



ところで、一般に、細胞を蛍光標識する場合、蛍光は極めて弱くブレやボケなどなしにこの蛍光を検出するのは極めて困難である。従って、検出を確実に行うには高倍率なレンズを使用し、S/N比を上げることが不可欠となる。しかし、高倍率なレンズは焦点深度が浅く、焦点面から離れた蛍光物質はぼやけて見えるため、輝度が落ちてしまう。



又、このようなマイクロシステムにおいて、検出物が検出エリアを低速で通り抜ければ検出物は二重検出され、高速で通り抜ければ検出されない可能性がある。このように検出物が検出エリアを異なる速度で通り抜けることは正確な検出を妨げる。



更に、このようなマイクロシステムにおいて流路を形成する素材として最も一般的に使用されるポリジメチルシロキサン(PDMS)は吸着性が強く試料流のみを流路に流し込めば、検出物の多くが流路壁面に吸着することが考えられる。さらに回収物が検出エリア内で壁面に張り付けば,検出エリア内では常に蛍光が検出されることとなり、これではソーティングができない。



シースフローは、微小流路をポアズイユ流として知られる放物曲線状の流速分布の頂点付近に試料溶液及び微粒子を集束するため、微粒子が特定の領域を通過する時間を均一にすることが可能である。従って、このようなマイクロシステムにおいて、特に、細胞などの微粒子を流し、個々に分析する場合、シースフローによって試料溶液及び微粒子を微小流路中央に集束させるシースフロー構成を用いることによって、焦点深度の幅を小さくでき、流路壁面におけるせん断力を受けず、試料の流速を一定とすることができ、更に、PDMSによる試料の吸着の防止・流路壁面におけるせん断力を回避し、上記の問題を解消することができる。



このように、シースフローは、例えば個々の微粒子から生じる光学的情報の定量的分析や、個々の微粒子の高精度の分別に重要である。



マイクロシステムにおけるシースフローの形成方法及び微粒子の集束方法はこれまでにも多数報告されている。例えば、3次元的に微小流路を加工し、4方向から試料溶液及び微粒子をシース液流によって囲う方法(例えば、特許文献1、非特許文献1,2)や、2次元的に加工された曲がりを有する微小流路において、流速の分布を利用して微粒子を微小流路の中央に集束させる方法(非特許文献3)などが挙げられる。更に、単一の転写工程により加工が可能な多段構造によって試料溶液及び微粒子を集束させる方法(非特許文献4)は、流路上部および側部の3方向から試料溶液及び微粒子を流路下部中央へと集束する片面構造を提供している。

産業上の利用分野


本発明は、三次元シースフロー構造、特に、中空構造を含まない多段構造であって単一の転写工程による加工によって経済的に作製することが可能な三次元シースフロー形成構造及び該構造を有するマイクロシステム(マイクロ流体装置又はマイクロチップ等)、並びに、これらを用いた粒子集束方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第一集束領域及び第二集束領域を有する、試料溶液流を流路中央方向に集束させるシースフロー形成構造であって:
(1)該第一集束領域又は第二集束領域の少なくともいずれか一つの領域において、試料溶液流を含む流路の第一の面と共通する面を有し且段差が異なるシ-ス液導入流路を該試料溶液流を含む流路の両側方から合流させ、シース液流によって該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第一の構造;
(2)第一の構造を有していない該第一集束領域又は第二集束領域において、試料溶液流を含む流路の第一の面以外の3つの面からシ-ス液を合流させ、シース液流によって第一の面と対向する第二の面及び第一の面に対する側面の3方向から該試料溶液流を流路の中央方向へ集束させる第二の構造、を有することを特徴とする前記シースフロー形成構造、を有するマイクロチップ

【請求項2】
第一の構造において、試料溶液流を含む流路の第一の面と共通する面を有し且段差が異なるシ-ス液導入流路が該試料溶液流を含む流路と該流路方向に対して直交方向から合流することを特徴とする、請求項1記載のマイクロチップ

【請求項3】
第一の面が試料溶液流を含む流路の上面又は下面に相当することを特徴とする、請求項1又は2に記載のマイクロチップ

【請求項4】
第一の構造において、試料溶液流を含む流路の段差がシ-ス液導入流路の段差の5倍以上であることを特徴とする、請求項1ないし3いずれか一項に記載のマイクロチップ

【請求項5】
第一の構造が第二集束領域に、及び、第二の構造が第一集束領域に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし4いずれか一項に記載のマイクロチップ

【請求項6】
シース液が上流で分岐した後に第一集束領域及び第二集束領域で試料溶液流を含む流路に合流する、請求項1ないし5いずれか一項に記載のマイクロチップ

【請求項7】
更に、第二集束領域において形成されたシースフローが流れる流路の段差を小さくし、シースフローのより中央部に試料溶液流が流れるようにする第三の構造を有する第三集束領域を含むことを特徴とする、請求項1ないし6いずれか一項に記載のマイクロチップ

【請求項8】
第一の構造が第一集束領域又は第二集束領域のいずれか一つの領域のみに設けられた、請求項1ないし7いずれか一項に記載のマイクロチップの作製方法であって、段差構造が設けられた基板及び平面基板を接合することによって第一の構造における段差を形成することを含む、前記方法。

【請求項9】
段差構造が設けられた基板がフォトリソグラフィを用いて作製した鋳型から転写された樹脂から成り、平面基板がガラス基板である、請求項8記載の作製方法。

【請求項10】
樹脂がポリジメチルシロキサンである、請求項9記載の作製方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009135665thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) S2009-0785-N0
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