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注意欠陥/多動性障害モデルラット

国内特許コード P110002163
整理番号 S2009-1019-N0
掲載日 2011年4月6日
出願番号 特願2009-188152
公開番号 特開2011-036204
登録番号 特許第5668997号
出願日 平成21年8月14日(2009.8.14)
公開日 平成23年2月24日(2011.2.24)
登録日 平成26年12月26日(2014.12.26)
発明者
  • 廣瀬 伸一
  • 高崎 浩太郎
出願人
  • 学校法人福岡大学
発明の名称 注意欠陥/多動性障害モデルラット
発明の概要 【課題】ヒトの注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) に非常に近似する行動障害を呈する注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) モデル非ヒト哺乳動物を提供すること。
【解決手段】
この発明の注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) モデル非ヒト哺乳動物は、ヒト常染色体優性夜間前頭葉てんかんに関連するニューロンニコチン性アセチルコリン受容体α4サブユニット (CHRNA4) 遺伝子もしくはβ2サブユニット (CHRNB2) 遺伝子の非ヒト哺乳動物のDNAに遺伝子異常である遺伝子変異を変異導入し、かつ、特定のプローブを導入して得られる変異遺伝子を有している。てんかんモデル非ヒト哺乳動物を注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) モデル非ヒト哺乳動物を使用することによって、被験物質のAD/HDに対する有効性を確認してAD/HD予防薬または治療薬をスクリーニングするこができるとともに、被験薬剤のAD/HDに対する有効性を評価することもできる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


注意欠陥/多動性障害(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder: AD/HD) は、多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害の一つと言われていて、注意力を維持しにくく、時間感覚がずれていて、かつ、様々な情報をまとめることが苦手などの特徴がある、主に幼児期から学齢期の児童の数パーセントに認められる精神疾患である。



注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の発症原因は不明であるが、現在、中枢神経刺激薬塩酸メチルフェニデートがAD/HDの第一選択薬として繁用されている。しかしながら、塩酸メチルフェニデートは、習慣性が強く、頭痛や不眠症等の副作用が報告されている。また、ニコチンスキンパッチ療法がAD/HD症状を減少することが報告されているが(非特許文献1)、ニコチンにも習慣性があるという欠点がある。さらに、ニコチン受容体アゴニストABT-418がAD/HDの不注意症状を改善することが報告されているが(非特許文献2)、適応を取得するには至っていない(例えば、特許文献1参照)。この他、ネフィラセタムは、脳卒中易発症高血圧自然発症ラット (SHRSP) の自発的交替行動を指標とした注意力の側面を包含する短期記憶処理効率の低下を改善し、注意欠陥多動性障害、特にその不注意症状の治療に有効であると記載されている (例えば、特許文献1参照)。しかしながら、今のところAD/HDの治療法は確立されていないのが現状である。



AD/HDの原因解明と予防・治療法の確立のためには、この疾患の動物モデルの樹立が急務であり、そのために各種の動物モデルが開発されている。かかるAD/HD動物モデルとしては、例えば、選択交配によって確立されたラット2系統(SHRとNHE)、ジーンターゲティングにより作製されたマウス1系統(DAT-KO)、中性子照射 (neutron irradiation) による染色体欠損で作製されたマウス1系統 (Coloboma mutant mouse)、脳梁離脱 (acallosal) の表現型を示す近交系マウス1系統 (I/LnJ)(例えば、非特許文献3参照)、肝炎・肝癌・ヒトWilson病モデルLEC ラットをWistar系WKAHラットに戻し交配することによって樹立したコンジェニック系統の多動性障害モデルラット(特許文献2)などが知られている。



上記各種動物モデルのうち、現在では、高血圧自然発症ラット(SHR)が最もよく利用されている(例えば、非特許文献4参照)。しかしながら、SHRにみられる多動性障害が、ヒトにおける多動性障害を必ずしも反映するものではなく、また遺伝性に関しても未だ不明である(例えば、非特許文献5参照)。また、SHRの後継種である脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)は、Y字迷路による自発的交替行動の障害を示し、不注意、多動性および衝動性といったADHDモデルとしての行動学的および薬理学的特徴を有しているとの報告がある (例えば、非特許文献6参照)。



上記のような先行技術の現状に鑑み、ヒトのAD/HDにより近似する行動障害を呈するAD/HD動物モデルの樹立が未だに求められている。そこで、本発明者らは、本発明者の一人である廣瀬伸一らがてんかんモデル動物として既に樹立したてんかんモデルラットである、夜間のてんかん発作を特徴とする家族性てんかんの1つである常染色体優性夜間前頭葉てんかんの原因遺伝子異常としてのニューロンアセチルコリン受容体のα4ならびにβ2サブユニットの遺伝子である CHRNA4 ならびに CHRNB2 の遺伝子の変異(例えば、非特許文献7~14参照)を有するラットについて、その行動バターンを調べたところ、非常に驚いたことに、そのてんかんモデルラットがヒトのAD/HDにより近似する行動障害を呈することを見出して、この発明を完成した。

産業上の利用分野


この発明は、注意欠陥/多動性障害モデル非ヒト哺乳動物に関するものである。更に詳細には、この発明は、ヒト常染色体優性夜間前頭葉てんかんに関連する遺伝子と相同の遺伝子異常を有する注意欠陥/多動性障害モデル非ヒト哺乳動物であって、ヒトの注意欠陥/多動性障害に関連した行動障害を示す注意欠陥多動性障害モデル非ヒト動物に関するものである。また、この発明は、注意欠陥/多動性障害モデル非ヒト哺乳動物を使用した注意欠陥/多動性障害予防薬または治療薬のスクリーニング方法ならびに被験薬剤の注意欠陥/多動性障害に対する評価方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
ヒトのてんかん遺伝子異常と同じ遺伝子異常を有する注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) モデルラットであって、ヒト常染色体優性夜間前頭葉てんかんに関連するニューロンアセチルコリン受容体遺伝子のβ2サブユニットCHRNB2の非ヒト哺乳動物のChrnb2に、変異導入によって、その cDNAの856番のG(グアニン) が C(シトシン)(c.856G>C)または A(アデニン)(c.856G>A)に変異導入した配列番号19または22でそれぞれ表される塩基配列を有することを特徴とする注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) モデルラット

【請求項2】
請求項1に記載の注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) モデルラットであって、前記変異導入によって前記Chrnb2にc.856G>Cまたはc.856G>Aが変異導入されて、前記β2サブユニットCHRNB2のp.286番と相同のアミノ酸残基Valがそれぞれ、LeuまたはMetに置換されていることを特徴とする注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) モデルラット
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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