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がん治療用の遊走阻害剤

国内特許コード P110002239
整理番号 S2009-0563-N0
掲載日 2011年4月8日
出願番号 特願2009-074991
公開番号 特開2010-229037
登録番号 特許第5580544号
出願日 平成21年3月25日(2009.3.25)
公開日 平成22年10月14日(2010.10.14)
登録日 平成26年7月18日(2014.7.18)
発明者
  • 石内 勝吾
  • 都筑 馨介
出願人
  • 国立大学法人群馬大学
発明の名称 がん治療用の遊走阻害剤
発明の概要 【課題】固形がんで解決しなければならない転移、浸潤、播種に対する、放射線増感剤、遊走阻害を兼ねるがん治療剤、がん転移予防剤を提供する。
【解決手段】マトリックスメタロプロテアーゼの産生抑制活性を有する化合物を有効成分として含有することを特徴とする。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



従来より、がん治療を目的として臨床の現場で放射線の照射が行われてきており、近年では、X線だけでなくα線(陽子線)、炭素線、ネオン線など、多様な重粒子線の照射の有効性が注目されてきている。





ただ、放射線治療についての臨床的な検討が進むにつれて、改めてその有効性をより確実なものとし、また、より高めるための方策が求められてきている。実際、本発明者によって行われた実験的検討によれば、X線や多種類の重粒子線(炭素線、ネオン線、アルゴン線)を用いて腫瘍細胞に対して照射を行うと、放射線の照射が、逆に、腫瘍細胞の遊走性を亢進させるという現象が確認されてもいるからである。





また、これまでにも、臨床においては、難治性のがんはX線抵抗性であることが知られている。たとえば、文献的に低線量の放射線(X線で1~3Gy)がラットの腫瘍細胞の遊走と浸潤を亢進することが知られている(非特許文献1)。





また、マウスLM8osteosarcoma細胞では、X線を照射した細胞では腹腔内接種した腫瘍細胞の肺転移が促進されるとともに、重粒子線の一種である炭素線を照射した細胞では肺転移が減じると報告されている(非特許文献2)。





しかしながら、ヒトのがん細胞においてX線や複数の重粒子線が細胞の走行性にどのような生物学的効果をもたらすか詳細に解析した報告は見当らないのが実情である。本発明者の確認したところでは、従来よりX線抵抗性とされている難治性の神経膠芽腫細胞にX線と多種類の重粒子線(炭素線、ネオン線、アルゴン線)を低線量および高線量(10Gy)照射しても、細胞の遊走性が返って亢進することを、腫瘍細胞の走行性を解析する複数の実験系を用いて見出しているが、特に照射後3日まではX線10Gy照射により通常の2倍、重粒子線(炭素線、ネオン線、アルゴン線ともに10Gy)照射では3倍の速度で腫瘍細胞の遊走性が促進される現象が見られる。また、照射後の長期解析では高線量(10Gy)の重粒子線照射後10日目においても遊走する紡錘形腫瘍細胞を確認できる。





このことは、照射野内に存在する細胞が照射野外に移動しそこで腫瘍形成する可能性を示唆している。してみると、高い生物学的効果を持つとされる重粒子線を用いても単独では腫瘍細胞の根治は難しく、逆に髄腔内播種や浸潤性増殖を促進する可能性がある。このことは大きな問題であって、21世紀のがん治療を担うと期待される重粒子線がその高い生物学的効果から逆に腫瘍を強力に照射外に追い立て、その結果、治療を行うと返って播種や転移が従来のX線治療よりも出現し易くなることになる。このため、放射線治療における放射線増感や遊走阻害を可能とする方策が強く求められている。





従来、がんの治療や研究はもっぱら細胞増殖を抑制すると言う観点から推進されてきており、抗がん剤や放射線は現在でもがん治療の主要な治療手段であり、DNAに障害をもたらし細胞増殖を抑制するという観点からの研究開発がなされてきている。このような従来の観点では、放射線治療に反応せず照射野外に浸潤あるいは転移した腫瘍に関しては放射線抵抗性細胞として片付けられてきている。たとえば、悪性脳腫瘍の代表であるグリオーマにしても、放射線抵抗性である理由としてDNA合成を活発に行う細胞と遊走する細胞とは別物であるという、Go(遊走)or Grow(増殖)hypothesisまたはproliferation(増殖)とmigration(遊走)のDichotomy(二元論)が主張されている(非特許文献3、4)。すなわち、神経膠芽腫細胞のうちの分裂し増殖している細胞は放射線感受性が比較的高く、一方、遊走している細胞は別物で放射線抵抗性でありアポトーシスに陥りづらいので照射野外に浸潤し増殖すると考えられている。





しかし、これは現状での認識の限界を示しているに過ぎないと言える。放射線照射に伴う「遊走」による転移、浸潤の機序や、これを抑止し阻害するための方策の手掛かりが解明されていないからである。

産業上の利用分野



本発明は、放射線等を用いてのがん治療における腫瘍細胞の遊走性の亢進を抑制、阻害する遊走阻害剤に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
N-ヒドロキシ-2(R)-{[(4-メトキシフェニル)スルフォニル]-[ベンジルアミノ]}-4-メチルペンタンアミド(N-Hydroxy-2(R)-{[(4-methoxyphenyl)sulfonyl]-[benzylamino]}-4-methylpentanamide)を有効成分として含有することを特徴とする放射線がん治療用の放射線増感性遊走阻害剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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