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サリドマイドまたはその誘導体を有効成分とする統合失調症の治療薬

国内特許コード P110002271
整理番号 S2009-0080-N0
掲載日 2011年4月11日
出願番号 特願2008-287997
公開番号 特開2010-111650
登録番号 特許第5339588号
出願日 平成20年11月10日(2008.11.10)
公開日 平成22年5月20日(2010.5.20)
登録日 平成25年8月16日(2013.8.16)
発明者
  • 那波 宏之
出願人
  • 国立大学法人 新潟大学
発明の名称 サリドマイドまたはその誘導体を有効成分とする統合失調症の治療薬
発明の概要

【課題】統合失調症やそれに類似するの精神病の患者における精神病症状や精神機能障害を改善するのに有用な薬物の提供。
【解決手段】サリドマイドまたは、その誘導体であるレナリドマイド、をポマリドマイド統合失調症治療薬として用いる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


統合失調症は、かつて精神分裂病とよばれ、人口の0.7~1.0%の人に発症し、日本でも数十万人に及ぶ長期入院患者を生み出している極めて重大な慢性疾患である。本疾患の主な症状は、妄想、幻覚、幻聴といった陽性症状に加えて、知覚異常といった認知障害や、引きこもりや鬱症状といった陰性症状に至るまで、多用な精神的異常を伴うものである。現在のところ、その発症原因の解明はおろか、生物学的な病態の理解さえはっきりしていない。



統合失調症は青年期から壮年期にかけて知覚・思考・感情・行動面に特徴的な症状で発病し、多くは慢性に経過し、社会適応にさまざまな困難を生じる精神障害である。その精神症状については、陽性症状(幻覚、妄想、減弱思考、緊張症状、奇異な行動等)、陰性症状(感情の平板化、意欲低下、社会的引きこもり等)、認知機能障害(作業記憶障害、言語障害、注意欠陥)等に分類され、各患者において多様な形態をとる。社会的には、本疾患の病態の特殊性から早期発見、治療、社会復帰活動、再発予防といった一貫した包括的治療体系の確立が望まれているが、多くの場合、根治治療はなかなか難しいのが現状とされている。現在では、統合失調症は精神病理学的に細分化されていて、統合失調症に類似した精神機能障害を示す精神病として、短期精神病性障害、統合失調症様障害、統合失調感情障害、共有精神病性障害、妄想性障害、統合失調型人格障害が含まれる。類似した精神症状が、アルツハイマー病や脳血管障害等を含む認知症患者でも観察されることがあるが、これらの疾患は脳神経細胞が死ぬ「神経変性疾患」として厳格に統合失調症と区分されている。



これまでは、統合失調症の陽性症状を改善する治療薬として、神経伝達物質ドパミンと拮抗する薬物が有用だとされており、種々の治療薬が開発されてきている。古くより第一選択薬として用いられてきたハロペリドールやクロロプロマジン等の定型抗精神病薬は、強力なドパミンD2受容体遮断作用により、統合失調症の陽性症状の改善効果を見る。しかし、これらの薬物は陰性症状や認知障害に対してはごく限られた効果しか発揮できない。更に多くの場合には年余にわたるこれらの薬物の長期投与が不可欠であり、パーキンソン症状、アカシジア、ジスキネジア等に代表される錐体外路症状と呼ばれる副作用が問題視されていた。



近年では、ドパミンとセロトニンの両者に拮抗して比較的上記錐体外路症状を起こしにくい統合失調症治療薬が開発され、非定型抗精神病薬と呼ばれるそれら一群の治療薬としてクロザピンやリスペリドン等が挙げられる。非定型抗精神病薬は陰性症状の改善にも有効とされるが、クロザピンでは無顆粒球症等の重大な副作用の危険性も秘めていた。また、リスペリドンも高用量では定型抗精神病薬と同様の錐体外路症状等の副作用をきたし得る。



統合失調症の多様な病態改善を目指し、これらを含め、現在、フェノチアジン系化合物、チオキサンチン系化合物、ブチロフェノン系化合物、ベンザアミド系化合物が複数開発され、患者に適用されている。これらの多くの抗精神病薬も、根治治療に結びつく症例は限られていた。

【非特許文献1】Harrison PJ, Weinberger DR. Mol Psychiatry 10(1):40-68(2005)

【非特許文献2】Haley, J et al.: Neuron 8, 211-216(1992)

【非特許文献3】Chen J, et al. Biol Psychiatry. 59(12):1180-1188(2006)

【非特許文献4】Giovannoni G, Baker D. Curr Opin Neurol. 16(3):347-350(2003)

【非特許文献5】Potvin S, et al., Biol Psychiatry. 63(8):801-808(2008)

【非特許文献6】Geyer MA. Neurotox Res. 2008 Aug;14(1):71-78 (2008)

【非特許文献7】Rebeck, G.W. et al.: Neuroscience letters 152, 165-168(1993)

【非特許文献8】Webber MA, Marder SR. Curr Psychiatry Rep. 10(4):352-358(2008)

【非特許文献9】Wood MD, Wren PB..Prog Brain Res. 172:213-230(2008)

【特許文献1】国際公開第1993/15779号パンフレット(特表平7-503722号公報)

産業上の利用分野


本発明は、サリドマイドまたはその誘導体を有効成分として含有する抗精神病薬、及び統合失調症を代表とする精神病の治療薬に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
サリドマイド[2-(2,6-dioxo-3-piperidinyl)-1H-isoindole-1,3(2H)-dione]を有効成分とする統合失調症に対する治療薬。

【請求項2】
レナリドマイド[4-(amino)-2-(2-oxo-3-piperidinyl)-1H-isoindole-1,3(2H)-dione]を有効成分とする統合失調症に対する治療薬。

【請求項3】
ポマリドマイド[4-(amino)-2-(2,6-dioxo(3-piperidyl))-isoindoline-1,3-dione]を有効成分とする統合失調症に対する治療薬。


産業区分
  • 薬品
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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