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硬質発芽穀類加工食品およびその製造方法 実績あり

国内特許コード P110002275
整理番号 S2009-0719-N0
掲載日 2011年4月11日
出願番号 特願2009-115164
公開番号 特開2010-263793
登録番号 特許第5414100号
出願日 平成21年5月12日(2009.5.12)
公開日 平成22年11月25日(2010.11.25)
登録日 平成25年11月22日(2013.11.22)
発明者
  • 大坪 研一
  • 中村 澄子
  • 佐藤 光
出願人
  • 国立大学法人 新潟大学
発明の名称 硬質発芽穀類加工食品およびその製造方法 実績あり
発明の概要

【課題】小麦粉食品生地を用いて製造する食品(特にパン、麺状食品、饅頭の皮、菓子など)において、‘通常の小麦粉以外の穀類(特に玄米)への代替率を向上させる’とともに、‘製造した食品の食味、物性、栄養を顕著に向上できる’技術を提供する。
【解決手段】澱粉全量の1~20%がレジスタントスターチであり、且つ、3.5~30乾燥重量%の食物繊維、及び、0.005乾燥重量%以上のγ-アミノ酪酸、を含有することを特徴とする発芽穀類糊化澱粉組成物、;前記発芽穀類糊化澱粉組成物と小麦粉とを、乾燥重量に換算して20:80~70:30の割合で均一に含有する、小麦粉食品生地、;および前記小麦粉食品生地の製造方法。また、前記生地を用いて製造された小麦粉食品(パン、麺状食品、饅頭の皮、菓子など)。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


わが国は高齢社会となり、医療費が増加している。高血圧、糖尿病、肥満などの生活習慣病が増加し、医療技術や有効な薬品の開発が必要とされているほか、適正な食事や運動によって、生活習慣病の発症を予防することが必要である。
生活習慣病の発症を予防するためには、適正な運動をすることに加えて、デンプン、タンパク質、脂質のカロリーバランスを、「日本型食生活」と呼称される、昭和50年代の比率(炭水化物:57~68%、タンパク質:12~13%、脂質:20~30%)に戻すことが勧められており、食物繊維、アミノ酸、ポリフェノールなどの摂取も有効とされている。
現在、わが国では、白米の米飯や小麦粉によるパンや麺が食生活におけるカロリー摂取源の中心であり、上記健康を指向した食品として、玄米食、発芽玄米食、雑穀食、アマランサスを用いる食品などがあるが、さらに、調理が簡単でおいしく、かつ保存性に優れた新しい健康指向食品の開発が求められている。



健康を指向した食品の例として、玄米食があるが、玄米は白米に比べて硬く、白度が低く、調理前の吸水時間を長くしたり、圧力釜で炊飯したりするなどの手間がかかるという問題がある。
また、健康を指向した食品の例として、全粒粉パンがあるが、パンに胚芽が認識され、白度や食感が通常のパンより劣るとされている。
また、小麦粉に米粉を添加するパンがあるが、従来の研究報告では、小麦粉に米粉を添加してパンを製造する場合には、米が小麦と異なり、グルテン形成能を持たないため、品質を損なわない添加限度が約20%であり、麺を製造する場合には、官能検査の点から添加限度が5%と報告されている(非特許文献1)。



小麦粉食品における小麦粉を他の穀類に代替する技術としては、多くの技術開発が行われてきた。例えば、米粉の4~8質量部を加熱糊化させて残りの未糊化米粉と混合してパン生地を調製する特許文献1や、穀類から単離された全デンプンの30%以下をα化させて残りの未糊化デンプンと混合混練りして麺生地を調製する特許文献2、が挙げられる。
また、本発明者らも、これまでに、発芽玄米(特許文献3)や膨化玄米(特許文献4)に関する技術開発を行い、超硬質米の特性(非特許文献2、特許文献5)の解明を行ってきた。
しかしながら、小麦粉生地を用いて製造する食品(特にパン、麺状食品、饅頭の皮、菓子など)において、通常の小麦粉以外の穀類への代替率を向上させるとともに、製造した食品の食味、物性、栄養を顕著に向上できる、さらなる改良技術の開発が求められてきた。

産業上の利用分野


本発明は、特定の組成を有する発芽穀類糊化澱粉組成物、;前記発芽穀類糊化澱粉組成物と小麦粉とを特定の割合で含有する小麦粉食品生地、;前記小麦粉食品生地の製造方法、;前記小麦粉食品生地を用いた食品(特にパン、麺状食品、饅頭の皮、菓子など)、;に関する。
詳しくは、本発明は、‘通常の小麦粉以外の穀類(特に玄米)への代替率を向上する’ことを可能とするとともに、‘製造した食品の食味、物性、栄養が顕著に向上された’小麦粉食品生地の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
グルコース重合度6~12のアミロペクチン短鎖の割合が全アミロペクチン鎖の20%以下である硬質米の玄米、硬質大麦あるいは硬質小麦を発芽させたものを、10重量%以上含有する発芽穀類を、乾燥重量100重量部あたり200~2000重量部の水分を含むように炊飯し、澱粉糊化度が90%以上のかゆ状の状態で、食物繊維含有素材と高タンパク質含有素材とを均一に混合することにより発芽穀類糊化澱粉組成物を調製し、;当該発芽穀類糊化澱粉組成物と小麦粉とを、乾燥重量に換算して20:80~70:30の割合で均一に含有させることにより、加水することなく小麦粉食品生地を調製し、;当該小麦粉食品生地を用いて小麦粉食品を製造すること、並びに、
前記食物繊維含有素材が、リンゴ、ミカン、オレンジ、ブドウ、ナシ、グレープフルーツ、パイナップル、及びイチゴである果実、;ダイコン、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、タマネギ、赤タマネギ、ネギ、ショウガ、ゴーヤ、ニンジン、ホウレンソウ、及びコマツナである野菜、;ダイズ、リョクトウ、インゲン、エンドウ、及びササゲである豆類、並びに前記豆類の発芽処理物及び加熱処理物;海藻の藻体、担子菌類子実体および甲殻類の殻;から選ばれる1種類以上のものであり、
前記高タンパク質含有素材が、豆類、肉および卵から選ばれる1種類以上のものであり、
前記小麦粉食品が、ラスク、うどん、パスタ、スナック菓子、饅頭の皮又は餃子の皮であること、
を特徴とする小麦粉食品の製造方法。
【請求項2】
担子菌類子実体が、シイタケ、マツタケ、エノキタケ、シメジ、ナメコ、ハツタケ、マイタケ、キクラゲ、及びエリンギから選ばれる1種類以上のものである、請求項1に記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項3】
高タンパク質含有素材が、ダイズ、リョクトウ、インゲン、エンドウ、及びササゲである豆類、並びに前記豆類の発芽処理物及び加熱処理物、;豚ロース肉、ベーコン、牛バラ肉、鶏手羽肉、及び鶏モモ肉である肉、;鶏卵、アヒルの卵、ウズラの卵、及びダチョウの卵である卵;から選ばれる1種類以上のものである、請求項1又は2に記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項4】
発芽穀類が、硬質大麦を発芽させたものを10重量%以上含有するものである、請求項1~3のいずれかに記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項5】
小麦粉食品がラスクである、請求項1~4のいずれかに記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項6】
小麦粉食品がうどんである、請求項1~4のいずれかに記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項7】
小麦粉食品がパスタである、請求項1~4のいずれかに記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項8】
小麦粉食品がスナック菓子である、請求項1~4のいずれかに記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項9】
小麦粉食品が饅頭の皮である、請求項1~4のいずれかに記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項10】
小麦粉食品が餃子の皮である、請求項1~4のいずれかに記載の小麦粉食品の製造方法。
【請求項11】
グルコース重合度6~12のアミロペクチン短鎖の割合が全アミロペクチン鎖の20%以下である硬質米の玄米、硬質大麦あるいは硬質小麦を発芽させたものを、10重量%以上含有する発芽穀類を、乾燥重量100重量部あたり200~2000重量部の水分を含むように炊飯し、澱粉糊化度が90%以上のかゆ状の状態で、食物繊維含有素材と高タンパク質含有素材とを均一に混合すること、並びに、
前記食物繊維含有素材が、リンゴ、ミカン、オレンジ、ブドウ、ナシ、グレープフルーツ、パイナップル、及びイチゴである果実、;ダイコン、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、タマネギ、赤タマネギ、ネギ、ショウガ、ゴーヤ、ニンジン、ホウレンソウ、及びコマツナである野菜、;ダイズ、リョクトウ、インゲン、エンドウ、及びササゲである豆類、並びに前記豆類の発芽処理物及び加熱処理物;海藻の藻体、担子菌類子実体および甲殻類の殻;から選ばれる1種類以上のものであり、
前記高タンパク質含有素材が、豆類、肉および卵から選ばれる1種類以上のものであること、
を特徴とする、発芽穀類糊化澱粉組成物の製造方法。
【請求項12】
担子菌類子実体が、シイタケ、マツタケ、エノキタケ、シメジ、ナメコ、ハツタケ、マイタケ、キクラゲ、及びエリンギから選ばれる1種類以上のものである、請求項11に記載の発芽穀類糊化澱粉組成物の製造方法。
【請求項13】
高タンパク質含有素材が、ダイズ、リョクトウ、インゲン、エンドウ、及びササゲである豆類、並びに前記豆類の発芽処理物及び加熱処理物、;豚ロース肉、ベーコン、牛バラ肉、鶏手羽肉、及び鶏モモ肉である肉、;鶏卵、アヒルの卵、ウズラの卵、及びダチョウの卵である卵;から選ばれる1種類以上のものである、請求項12又は13に記載の発芽穀類糊化澱粉組成物の製造方法。
【請求項14】
発芽穀類が、硬質大麦を発芽させたものを10重量%以上含有するものである、請求項11~13のいずれかに記載の発芽穀類糊化澱粉組成物の製造方法。
【請求項15】
請求項11~14のいずれかに記載の方法により発芽穀類糊化澱粉組成物を調製し、当該発芽穀類糊化澱粉組成物と小麦粉とを、乾燥重量に換算して20:80~70:30の割合で均一に含有させることにより、加水することなく小麦粉食品生地を調製することを特徴とする、小麦粉食品生地の製造方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 食品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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