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胎生肝細胞のスフェロイドを含む培養細胞構築物

国内特許コード P110002286
整理番号 S2009-0231-N0
掲載日 2011年4月11日
出願番号 特願2008-328057
公開番号 特開2010-148386
登録番号 特許第5522340号
出願日 平成20年12月24日(2008.12.24)
公開日 平成22年7月8日(2010.7.8)
登録日 平成26年4月18日(2014.4.18)
発明者
  • 長崎 幸夫
  • 小島 綾太
  • 吉本 敬太郎
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 胎生肝細胞のスフェロイドを含む培養細胞構築物
発明の概要 【課題】胎生肝細胞のスフェロイドを含む細胞構築物、ならびにその作成方法および成熟肝細胞スフェロイドへの誘導方法を提供する。
【解決手段】基材表面上の小領域に接着したフィーダー細胞の培養物と、その上に形成された胎生肝細胞のスフェロイドを含んでなる培養細胞構築物であって、該小領域は直径約20~約300μmの円またはその円に相当する面積を有する他の形状をしており、該スフェロイドは該フィーダー細胞と胎生肝細胞の共培養によって形成されたものである。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



肝臓は多種多様な物質の代謝機能を有するため、肝臓をin vitroの細胞レベルで取り扱う技術の確立は極めて重要であり、ハイスループットな創薬スクリーニングや人工臓器のための組織作製、肝臓再生のメカニズム解明など、その技術確立がもたらす各分野への波及効果は大きい。こうして、生体内の肝細胞の機能により近似する機能を有するものとして成体(または成熟した)動物由来の肝細胞(単に、「肝細胞」という場合あり)をフィーダー細胞上で培養することにより形成された肝細胞のスフェロイドの培養構築物が提供されている(例えば,特許文献1)。





一方、大量に肝細胞を培養する、例えば、人工肝臓モジュールを作製するために多孔質ポリマー樹脂を基材に用いて肝細胞を培養した系も提供されているものの、培地として血清の使用量の低減やより長期にわたる培養を可能にするものとして、該肝細胞に代え、胎生肝細胞(fetal liver cellls)を用いることも提案されている(非特許文献1)。非特許文献1には、記載されている多孔質ポリマー樹脂上で、培地として血清とホルモンが補足された最少必須培地アルファ(αMEM)とウイリアムズE培地(William’s E medium:WE培地とも称する)を用いてマウスの胎生肝細胞を静置培養した結果が報告されている。それによると、肝細胞の培養に広く使用されてきたWE培地を用いて胎生肝細胞を培養すると、細胞数が経時的に徐々に低下し、細胞当たりのアルブミン産生速度は一端急激に低下した後徐々に増加することが記載されている。これに対し、αMEMを用いるとWE培地を用いる場合に比べて、初期段階では細胞数の増加が向上するが、アルブミンの分泌レベルは同様であることが明らかにされている。かような結果を考慮し、非特許文献1の筆者らは、胎生肝細胞を、初期段階ではαMEMを用い一定期間培養した後、WE培地に培地交換して培養することにより、胎生肝細胞が高いアルブミン分泌レベルを維持したまま培養できることを示している。





非特許文献1のように、ポリマー樹脂上での胎生肝細胞の静置培養も報告されているものの、その後もなお、スフェロイドを形成することを目的としては、初代肝細胞,肝細胞株細胞、初代癌細胞、癌細胞株細胞の培養方法が検討され、提案されている(特許文献2)。上述のような特徴をもつ胎生肝細胞は、また、未分化期間が比較的長期であるため、細胞の分化機構を研究する上で非常に有用な細胞であり、現在までに数多くの研究がなされてきた。しかしながら、胎児マウス肝細胞は元来凝集し難く、in vitroにおける未分化状態の胎生肝細胞の活性や分化誘導等についての知見は、単層培養系で主として得られてきた。例えば、非特許文献1では、培養に先立ち基材と細胞を遠心処理して基材表面上での胎生肝細胞の高密度化を図っている。非特許文献1に加え、三次元の高分子ゲル中に封入されたマウス胎生肝細胞凝集体の評価を行った例が報告されているが、(非特許文献2)。この報告の方法では、細胞凝集体を2週間ほどの短期間で評価したものであり、また、記載された方法ではスフェロイドの大きさを均一に制御することは不可能である。すなわち、均一かつ、所期の大きさをもつ胎生肝細胞スフェロイドの作成自体が困難であったため、胎生肝細胞スフェロイドの研究はほとんど行われていないのが現状である。





【特許文献1】

O 03/010302 A1

【特許文献2】

開2008-22743

【非特許文献1】

.Miyoshi,et al.ASAIO Journal,2000,p.397-402

【非特許文献2】

iomaterials,28,(2007),256-270

産業上の利用分野



本発明は、胎生肝細胞のスフェロイド(または細胞凝集体)を含む細胞構築物、ならびにその作製方法および使用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基材表面上の小領域に接着したフィーダー細胞の培養物とその上に形成された胎生肝細胞のスフェロイドを含んでなる培養細胞構築物であって、該小領域が直径2~300μmの円またはその円に相当する面積を有する他の形状をしており、該スフェロイドが該フィーダー細胞と胎生肝細胞の共培養によって形成されたものであり、かつ、該フィーダー細胞が線維芽細胞である、上記の培養細胞構築物。

【請求項2】
フィーダー細胞が胎児線維芽細胞である、請求項1記載の培養細胞構築物。

【請求項3】
スフェロイドが培養胎生肝細胞を少なくとも50個含む、請求項1記載の培養構築物。

【請求項4】
スフェロイドが少なくとも20μmの横断面の直系を有する、請求項1~3のいずれかに記載の培養細胞構築物。

【請求項5】
スフェロイドが60~70μmの大きさを有する、請求項1~4のいずれかに記載の培養細胞構築物。

【請求項6】
スフェロイドが培養中にオンコスタチンM(OSM)の刺激によりシトクロム450(CYP)1A2を発現するようになる、請求項1~5のいずれかに記載の培養細胞構築物。

【請求項7】
小領域が同一平面上に複数存在し、かつ,各小領域が、連続する細胞非接着性材料の表面により、相互に少なくとも30μmの間隔において分離されている請求項1~6のいずれかに記載の培養細胞構築物。

【請求項8】
基材表面上の連続する細胞非接着性材料の表面により少なくとも30μmの間隔において分離されている複数の小領域上でフィーダー細胞を培養して該小領域に接着したフィーダー細胞層を形成するステップであって該フィーダー細胞が線維芽細胞である、ステップ、および
形成されたフィ-ダー細胞層上で胎生肝細胞を培養して胎生肝細胞のスフェロイドを形成するステップ
を含んでなる胎生肝細胞のスフェロイドを含有する培養構築物の作製方法。

【請求項9】
小領域が直径2~300μmの円またはその円に相当する面積を有する請求項8記載の作製方法。

【請求項10】
フィ-ダー細胞層上で1.00×104cells/mm2以上の細胞密度において胎生肝細胞を培養する、請求項8または9記載の作製方法。

【請求項11】
請求項1記載の培養細胞構築物を必須構成員として含んでなる成熟肝細胞またはシトクロム450(CYP)1A2を発現する肝細胞を誘導するための細胞調製用キット。

【請求項12】
培養構築物の培地およびオンコスタチンMから選ばれるいずれか1種または両者をさらに含み、該フィーダー細胞が線維芽細胞である、請求項11記載のキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008328057thum.jpg
出願権利状態 登録
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