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四級化アミノ基を有する架橋ポリマー由来のポリマー微粒子と核酸の複合体

国内特許コード P110002287
整理番号 S2009-0119-N0
掲載日 2011年4月11日
出願番号 特願2009-004710
公開番号 特開2010-163364
登録番号 特許第5317105号
出願日 平成21年1月13日(2009.1.13)
公開日 平成22年7月29日(2010.7.29)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発明者
  • 長崎 幸夫
  • 大石 基
  • 田村 篤志
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 四級化アミノ基を有する架橋ポリマー由来のポリマー微粒子と核酸の複合体
発明の概要

【課題】核酸の効果的な動物細胞への導入手段の提供。
【解決手段】エチレン性不飽和重合性基から形成される主鎖を有し、側鎖に四級化された第三級アミン部分を有する架橋ポリマー由来のポリマー微粒子と、核酸分子の複合体であり、精製水中に分散させて動的光散乱粒子解析(DLS)を行った場合に平均粒径が30nm~10μmの範囲にあり、該核酸がプラスミドDNA、siRNA、アンチ-microRNA、アンチセンス核酸、デコイ核酸、アプタマーおよびリボザイムからなる群より選ばれる複合体。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


近年、生体内での遺伝子発現やその機能のコントロールにおいて、アンチセンスDNA、small interfering RNA(siRNA)、micro RNA(miRNA)といった塩基対の短い一本鎖、もしくは二本鎖のDNA、RNAが非常に重要な役割を示すことが明らかとなり、そのメカニズムの解明のみならず疾病治療への応用を目指した研究開発が活発に行われている。中でも18~27塩基対程度の比較的短い二本鎖RNA(siRNA)がセントラルドグマ中間体であるmRNAを配列特異的に切断し、当該遺伝子の発現を選択的に抑制するRNA干渉(RNAi)は、癌、HIV、C型肝炎をはじめとした難治性疾患に対する遺伝子レベルでの治療方法として注目を集め、その実用化が期待されている。一方で、このsiRNAはすでに分子生物学や細胞生物学の創薬開発の分野では遺伝子やタンパク質の機能解明のためのツールとして利用されている。



しかしながら、DNAやRNAといった核酸分子はリン酸基がマイナス電荷を有するため、同様にアニオン性の細胞膜との相互作用が低く、単独では細胞内導入が困難である。この問題を解決するためにカチオン性の脂質からなるリポソームがオリゴ核酸導入用試薬としてすでに市販されており、このカチオン性リポソームを用いた細胞内導入が最も一般的方法である。同様に、より安価に大量合成が可能なポリエチレンイミン、ポリ-L-リシン、ポリアミドアミンデンドリマーに代表されるカチオン性合成高分子を用いた方法も提唱されている。しかしながら、これらのカチオン性リポソームやカチオン性ポリマーはポリカチオンに由来する細胞毒性を示すことが知られており本来の目的の妨げになるばかりでなく、血清成分や共存するタンパク質の影響を受けやすいため、細胞実験の際に血清不含の特殊な培地などの消耗品を必要とする場合があり、その利用範囲がin vitroの実験に限定されるといった問題がある。



これらの問題に対し、血清成分との非特異的な相互作用の抑制や、核酸との複合体の水溶性向上、また細胞毒性の低減を目的として、ポリエチレングリコール(PEG)に代表される水溶性高分子で修飾したカチオン荷電性ポリマーが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。しかしながら、PEGなどの水溶性高分子は、一般的に、同時に核酸分子の細胞内への導入を妨げることが知られており(非特許文献1)、オリゴ核酸の細胞内導入には不向きである場合もある。

産業上の利用分野


本発明は、エチレン性不飽和重合性基から形成される主鎖を有し、側鎖に四級化された第三級アミン部分を有する架橋ポリマー由来のポリマー微粒子と核酸の複合体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エチレン性不飽和重合性基から形成される主鎖を有し、側鎖に四級化された第三級アミン部分を有する架橋ポリマー由来のポリマー微粒子と、核酸分子の複合体であって、該ポリマー微粒子が、
(a)式I:
【化学式1】


式中、Xは水素原子、-COOZ(ここで、Zは水素原子または有機基を表す)、-CHR(ここで、RおよびRは、独立して、C1-6アルキルオキシ基、フェニルオキシ基もしくはフェニル-C1-3アルキルオキシ基を表すか、またはRおよびRは一緒になって-OCHR′-CHO-であって、R′が水素原子もしくはC1-6アルキル基である基を表す)または-CH=Oを表し、
は水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
はメチレン基またはカルボニル基を表し、
はカルボニル基、C1-3アルキレン基またはC1-3アルキルフェニレン基を表すか、あるいは
【化学式2】


は、一体となって水素原子またはC1-6アルキル基を表し、
nは2~10,000の整数であり、そして
pは1~5の整数である、
で表されるポリ(エチレングリコール)マクロモノマーと、
(b)式II:
【化学式3】


式中、RおよびRは、独立してC1-6アルキル基を表し、Rは水素原子またはC1-6アルキル基を表し、Yは-O-または-NH-を表し、そしてqは2~6の整数である、
で表されるコモノマーと、
(c)2個または3個以上の重合性不飽和基を有する架橋剤、
を含んでなるモノマーの共重合により得られ、そして上記式(II)の第三級アミン部分の少なくとも10%がC1-6アルキル基もしくはハロゲン原子により1以上置換されていてもよいフェニル置換もしくは未置換C1-6アルキル基またはアリル基により四級化されており、かつ、
精製水中に分散させて動的光散乱粒子解析(DLS)を行った場合に平均粒径が30nm~10μmの範囲にある、上記複合体。

【請求項2】
(b)のコモノマーと(a)のマクロモノマーが、モル比で1/2~400/1である、請求項1記載の複合体。

【請求項3】
架橋剤が、式III
【化学式4】


式中、Rは水素原子またはC1-6アルキル基を表し、Y′は原子価結合、カルボニル基または-NH-を表し、Aはフェニレン基、-(CH-(ここで、rは1~4の整数である)または-(OCHCHO)-(ここで、sは1~4の整数である)を表す、
で表される、請求項1記載の複合体。

【請求項4】
式(II)の第三級アミン部分の少なくとも50%がC1-3アルキル基により四級化されている、請求項1記載の複合体。

【請求項5】
核酸がオリゴもしくはポリ二本鎖RNA、オリゴもしくはポリ二本鎖DNA、オリゴもしくはポリ一本鎖DNAおよびオリゴもしくはポリ一本鎖RNAおよびオリゴペプチド核酸からなる群より選ばれる、請求項1記載の複合体。

【請求項6】
核酸がプラスミドDNA、siRNA、アンチ-micro RNA、アンチセンス核酸、デコイ核酸、アプタマーおよびリボザイムからなる群より選ばれる請求項1記載の複合体。

【請求項7】
ポリマー微粒子中の第三級アミン部分のN原子と核酸のリン酸部分のP原子の比、N/Pが0.1~50となるように、核酸がポリマー粒子に担持されている、請求項1記載の複合体。
産業区分
  • 薬品
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
この特許について質問等ある場合は、電子メールによりご連絡ください。


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