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幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導促進剤 新技術説明会

国内特許コード P110002309
整理番号 2011-003
掲載日 2011年4月12日
出願番号 特願2010-290024
公開番号 特開2012-135261
登録番号 特許第5822189号
出願日 平成22年12月27日(2010.12.27)
公開日 平成24年7月19日(2012.7.19)
登録日 平成27年10月16日(2015.10.16)
発明者
  • 米田 幸雄
  • 檜井 栄一
  • 高田 紗矢
  • 中村 由香里
  • 橋詰 翔太
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導促進剤 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明は、幹細胞から褐色脂肪細胞を効率よく選択的に分化誘導するための、分化誘導促進剤および分化誘導方法を提供することを目的とする。
【解決手段】Gdfを有効成分とする、幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導促進剤および、Gdfの存在下で細胞を培養することを含む、褐色脂肪細胞の分化誘導方法による。さらに本発明は、糖尿病、メタボリックシンドローム、及び/又は肥満の予防及び/又は改善においても、応用が可能である。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


脂肪組織は、生体に存在する重要な臓器の一つであり、その主な役割はエネルギーを脂肪として蓄えること、外界からの物理的衝撃を吸収して器官を保護すること、外界の温度を断熱して体温を保つことなどである。脂肪組織は、白色脂肪組織と褐色脂肪組織の2つのタイプに大別される。



白色脂肪組織は、エネルギーを中性脂質として細胞内に貯蓄する白色脂肪細胞から構成されており、白色脂肪細胞は生体内の余剰エネルギーを蓄える働きがある。白色脂肪細胞は生体がエネルギーを必要とする際に、中性脂質を遊離脂肪酸へと分解し、ミトコンドリアに存在する電子伝達系を介してATP(アデノシン三リン酸)を合成してエネルギーを生体へ補給する役割を持つ。



褐色脂肪組織は褐色脂肪細胞から構成されている。褐色脂肪細胞は、白色脂肪細胞と同様に細胞内に中性脂質を貯蓄するが、ミトコンドリア脱共役タンパク質1(uncoupling protein-1:UCP1)の働きにより、電子伝達系におけるATP合成を経ずに、中性脂質を熱へと変換することができる。生体内においては、白色脂肪細胞によるエネルギーの貯蔵およびATP合成系を介したエネルギーの補給と、褐色脂肪細胞による熱産生によるエネルギーの消費により、全身のエネルギー消費や体脂肪量の調節が行われていると考えられている。



近年、メタボリックシンドロームが著しい社会問題となっており、そのリスクファクターとして肥満の病態解析と対策が求められている。肥満やメタボリックシンドロームは、エネルギー摂取の増大(例えば多食など)とともに、エネルギー消費の減少が大きな原因であると考えられている。肥満等の対策として生体内のエネルギー消費増大が重要であることが認識されつつあり、そのターゲットとして、熱産生によりエネルギーを消費することのできる褐色脂肪細胞が着目されている。



生体内では褐色脂肪細胞は、肩甲骨周辺と首の後ろ、わきの下など限られた場所にしかなく、少量しか存在しない。さらに、褐色脂肪細胞は加齢と共に年々少なくなっていくことが知られている。褐色脂肪細胞を生体内において増加させることができれば、エネルギー消費を増大させることが可能となる。



褐色脂肪細胞は、生体内に存在する幹細胞と呼ばれる未分化な細胞から分化すると考えられている(非特許文献1)。幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導因子として、BMP7等のいくつかの因子が報告されている(非特許文献2)。また、培養レベルにおいて、幹細胞から褐色脂肪細胞以外の細胞を分化誘導せずに、褐色脂肪細胞を選択的に分化させるような因子として、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPARα)などのリガンドが報告されている(特許文献1)。しかしながら、in vitroおよびin vivoのいずれにおいても、褐色脂肪細胞の分化誘導のメカニズムの詳細は未だ不明のままである。幹細胞から褐色脂肪細胞の選択的分化誘導に関する研究は、肥満やメタボリックシンドロームの予防・改善のための新しい手法の開発に結びつくことが期待され、注目されている。

産業上の利用分野


本発明は、幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導促進剤、幹細胞から褐色脂肪細胞の分化誘導方法、当該方法により生成された細胞、前記分化誘導促進剤および/または前記細胞を含む医薬組成物、並びに、糖尿病等の予防剤及び/又は改善剤のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)~(c)のいずれかから選択されるタンパク質であるGdf5を有効成分とする、幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導促進剤
(a) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(b) 配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導を促進する機能を有するタンパク質;
(c) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導を促進する機能を有するタンパク質。

【請求項2】
間葉系幹細胞から褐色前駆脂肪細胞への分化能を増強する、請求項に記載の分化誘導促進剤。

【請求項3】
褐色前駆脂肪細胞から褐色脂肪細胞への分化能を増強する、請求項1または2に記載の分化誘導促進剤。

【請求項4】
幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導を促進する機能を有する、以下の(a)~(c)のいずれかから選択されるタンパク質であるGdf5の存在下で、細胞を培養することを含む、褐色脂肪細胞の分化誘導方法
(a) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
(b) 配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個以上のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導を促進する機能を有するタンパク質;
(c) 配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ幹細胞から褐色脂肪細胞への分化誘導を促進する機能を有するタンパク質。

【請求項5】
前記細胞が、間葉系幹細胞および/または褐色前駆脂肪細胞である、請求項に記載の褐色脂肪細胞の分化誘導方法。

【請求項6】
請求項1~のいずれか1に記載の分化誘導促進剤と、薬学的に許容される担体とを含む、糖尿病、メタボリックシンドローム、及び/又は肥満の予防及び/又は改善のための医薬組成物。

【請求項7】
請求項もしくはに記載の分化誘導方法を用いる、糖尿病、メタボリックシンドローム、及び/又は肥満の予防剤及び/又は改善剤のスクリーニング方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 高分子化合物
  • 薬品
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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