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波長が制御されたルシフェラーゼの発光基質および製造方法 コモンズ 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P110002311
整理番号 S2009-0459-N0
掲載日 2011年4月12日
出願番号 特願2009-064595
公開番号 特開2010-215795
登録番号 特許第5550035号
出願日 平成21年3月17日(2009.3.17)
公開日 平成22年9月30日(2010.9.30)
登録日 平成26年5月30日(2014.5.30)
発明者
  • 牧 昌次郎
  • 小島 哲
  • 丹羽 治樹
出願人
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 波長が制御されたルシフェラーゼの発光基質および製造方法 コモンズ 新技術説明会 実績あり
発明の概要 【課題】 本発明は、ホタルルシフェリン類似体に関する。より詳細には、本発明は、所望の発光波長を有するルシフェラーゼの基質の製造方法および該製造方法によって製造されたホタルルシフェリン類似体に関する。
【解決手段】 本発明は、所望の発光波長を有するルシフェラーゼの基質の製造方法であって、発光波長をシフトさせるために、ルシフェリンもしくはルシフェリン類似体における-OH基もしくは-NR1R2基(式中、R1およびR2は、それぞれ独立してHまたはC1-4アルキルである)の一方が他方と化合物を製造する工程、発光波長をシフトさせるために、ルシフェリンもしくはルシフェリン類似体における二重結合の数nが増加もしくは減少された化合物を製造する工程、および/または発光波長をシフトさせるために、前記二重結合部分もしくはベンゼン環の一方が他方と置換された化合物を製造する工程を含む方法を提供する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


ホタルルシフェリン
近年、生物学的事象および現象の可視化が重要視され、可視化のための材料の拡大が望まれてきている。これに伴い、標識技術にも多様化が求められている。特に分子イメージングのための標識技術は、診断および検査機器の進歩と相まって大きく発展している。たとえば、癌や心疾患などに対する個別化医療などの先端技術に応用するための標識技術が精力的に研究されている。また、計測技術の進歩に伴い、より高感度および高性能な機器や標識材料に対する需要が急速に高まっている。



周知のように、ホタル生物発光系は、発光効率が非常に高く、最も効率よくエネルギーを光に変換することができる系といわれている。また、生物発光の分子機構解釈も進んでいる。



このホタル生物発光は、発光基質であるルシフェリンが発光酵素ルシフェラーゼの作用で化学反応することによって光を放出することが知られている。この反応では、発光基質が発光酵素内でアデノシン三リン酸(ATP)および2価のマグネシウムイオン(Mg2+)の存在下で、アデニリル化(AMP化)されて、活性型基質であるアデニリル体へと誘導される。次に、これが酸素化されてペルオキシドアニオンとなり、高エネルギー過酸化物であるジオキセタノンへと変換される。不安定なジオキセタノンは、分解しながらプロトンと二酸化炭素とを放出し、励起1重項状態となる。このジアニオン型励起1重項状態からの発光は、黄緑色であり、これがホタルの発光であるとされている。また、発光後の生成物は、オキシルシフェリンと称される。



上記のように、発光効率が非常に高く、また生物発光の分子機構の解明が進んでいる。また、可視化が望まれる対象も拡大しており、多様な材料に対する標識が望まれている。これらの事情から、ホタル生物発光系を利用した多岐にわたる発光材料が多くの企業から販売されている。



上記のように、発光効率が非常に高く、また生物発光の分子機構の解明が進んでいる。これらの事情から、ホタル生物発光系を利用した多岐にわたる発光材料が多くの企業から販売されている。しかし、ホタル生物発光関連の発光材料開発は、医学生化学的分野を中心に実用化が進んでいるため、一般にタンパク質(酵素)側からの研究開発は盛んであるが、低分子化合物(基質)側からのアプローチは非常に少ない。特に、発光基質の骨格変換を行ったような構造と活性の相関研究はほとんど存在しない。



さらに、発光酵素を組換え技術によって安価に供給できるにもかかわらず、キット製品などのホタル生物発光系を応用した発光標識材料が安価ではない。これは、発光基質がルシフェリンであることに起因する。現在、天然の発光基質であるD体のルシフェリンは、非天然アミノ酸であるD-システインから合成されているが、D-システインは、非常に高価である。



生物発光系を利用した多色発光のニーズと状況
多現象を観測するために、標識を利用した検出系においても、多色発光が求められている。このため、検出系に利用できる標識材料の波長域は、幅広い方が望ましい。また、生体内深部標識における用途では、短波長光よりも長波長光のほうが優れた光透過性を有するという観点から、赤色発光標識材料が望まれている。たとえば、多色発光を利用した研究には、標識として450nm以下程度~650nm以上程度の波長にわたる発光を有する標識材料が準備されることが望ましい。



現在、ホタル生物発光系のための発光基質として入手可能なものには、いくつかの発光波長をもつ基質が存在する。これらの基質の最短および最長の両端の波長は、セレンテラジン系の青色(約480nm)とホタル系の赤色(約613nm)である。これらは、プロメガ社から入手可能であり、製品化されている。また、鉄道虫発光酵素を利用したより長波長の赤色発光材料(約630nm)が、東洋紡から最近市販されている。しかし、これらの発光波長だけでなく、発光波長の最短および最長の両端の波長のさらなる拡張には、潜在的需要が見込まれる。



生物発光系を利用した赤色と青色発光の既存製品の例を以下に示す:
1.プロメガ社:Chroma-Luc:約613nm(非特許文献1)
この系は、ヒカリコメツキ虫(クリックビートル)の突然変異体および天然型ホタル発光基質を利用した系である。
2.東洋紡績(株):MultiReporter Assay System-Tripluc: 約630nm(非特許文献2)
この系は、鉄道虫赤色発光酵素および天然型ホタル発光基質を利用した系である。緑色発光ルシフェラーゼ(SLG、最大発光波長550nm)、橙色発光ルシフェラーゼ(SLO、580nm)および赤色発光ルシフェラーゼ(SLR、630nm)の色のルシフェラーゼ遺伝子を使用して発光色を変化させている。これは、異なる発光色を与える発光酵素を利用している。
3.東京大学:アミノルシフェリン:約610nm(特許文献1)
これは、ルシフェリン誘導体を開示している。
4.プロメガ社:Chroma-Luc:約480nm(非特許文献3)
この系は、セレンテラジンおよびウミシイタケルシフェラーゼを利用した系である。
5.ATTO社:ウミホタル生物発光 約460nm(非特許文献4)
セレンテラジン系基質およびウミホタルルシフェラーゼを利用した系である。



また、本発明者らも、特許文献2および3において、ルシフェリン類似化合物を開示している。これらの化合物は、ルシフェリンと同様の骨格を有する化合物である。



しかし、これまでの発光波長を改変するための手法は、ランダムに構造を変更して試行錯誤を繰り返すだけであった。生物発光系は、酵素内での化学反応であることから、現代のエネルギー計算や理論的な構造解析に基づいた予測によっても、実際の発光波長を予測することができていない。したがって、ホタル生物発光系のための発光基質の発光波長を予測するための体系的な変換指標の開発が望まれている。また、所望の波長を有する発光基質の製造方法の開発も望まれている。
【特許文献1】
特開2007-091695号公報
【特許文献2】
国際公開公報第2007/116687号パンフレット
【特許文献3】
特開2006-219381号公報
【非特許文献1】
プロメガ社総合カタログ2008-9 12.6
【非特許文献2】
Upload vol. 79, 2005 p 1-10, Toyobo Biochemicals for Lifescience 2006/2007 p4-67.
【非特許文献3】
プロメガ社総合カタログ2008-9 12.14
【非特許文献4】
アトー総合カタログ2008-2009 p 247

産業上の利用分野



本発明は、ルシフェリンおよびルシフェリン類似体の発光波長を制御する方法に関する。また、本発明は、波長が制御されたルシフェラーゼの発光基質の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式IIIのルシフェリン類似体:
【化1】


式中、
R1、R2およびR3は、それぞれ独立してHまたはC1-4アルキルであり、
XはNであり、YSであり
nは、2である。

【請求項2】
R1R2N-基がOH-基であり、R3がHである、請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
請求項1または2に記載のルシフェリン類似体からなる発光基質。

【請求項4】
請求項1または2に記載のルシフェリン類似体を含む、発光検出キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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