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タンパク質又はポリペプチドの生産方法

国内特許コード P110002329
整理番号 00031
掲載日 2011年4月13日
出願番号 特願2009-060692
公開番号 特開2010-213577
登録番号 特許第5513759号
出願日 平成21年3月13日(2009.3.13)
公開日 平成22年9月30日(2010.9.30)
登録日 平成26年4月4日(2014.4.4)
発明者
  • 劉 生浩
  • 荒 勝俊
  • 名取 陽祐
  • 河村 富士夫
出願人
  • 花王株式会社
  • 学校法人立教学院
発明の名称 タンパク質又はポリペプチドの生産方法
発明の概要 【課題】より効率よく目的のタンパク質又はポリペプチドを生産する方法、及びそのための組換え微生物の提供。
【解決手段】下記の遺伝子を欠失若しくは不活性化し、且つ目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入してなる組換え微生物を培養し、得られた培養物から当該目的のタンパク質又はポリペプチドを採取することを特徴とする、タンパク質又はポリペプチドの生産方法:(1)枯草菌遺伝子relA又は当該遺伝子に相当する遺伝子;又は、(2)枯草菌遺伝子relA又は当該遺伝子に相当する遺伝子、並びに枯草菌遺伝子ywaC若しくは当該遺伝子に相当する遺伝子及び/又は枯草菌遺伝子yjbM若しくは当該遺伝子に相当する遺伝子。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



微生物による有用物質の工業的生産は、アルコール飲料や味噌、醤油等の食品類をはじめとし、アミノ酸、有機酸、核酸関連物質、抗生物質、糖質、脂質、タンパク質等、その種類は多岐に渡っており、またその用途についても食品、医薬や、洗剤、化粧品等の日用品、或いは各種化成品原料に至るまで幅広い分野に広がっている。





こうした微生物による有用物質の工業生産においては、その生産性の向上が重要な課題の一つであり、その手法として、突然変異等の遺伝学的手法による生産菌の育種が行われてきた。特に最近では、微生物遺伝学、バイオテクノロジーの発展により、遺伝子組換え技術等を用いたより効率的な生産菌の育種が行われるようになっている。さらに、近年のゲノム解析技術の急速な発展を受けて、対象とする微生物のゲノム情報を解読し、これらを積極的に産業に応用しようとする試みもなされている。ゲノム情報の公開されている産業的に有用な宿主微生物としては、枯草菌Bacillus subtilis Marburg No.168(非特許文献1)、大腸菌Escherichia coli K-12 MG1655(非特許文献2)、コリネバクテリウムCorynebacterium glutamicum ATCC132032などが挙げられ、これらのゲノム情報を利用し、改良を加えた菌株が開発されている。





緊縮応答は、アミノ酸飢餓などに応答してタンパク質の合成が抑制される現象として最初発見されたが、現在では、細胞分裂の停止やDNA複製の阻害など、様々な生理活動の変化を伴う現象であることが分かっている。緊縮応答の中心になる分子が、グアノシン5リン酸(pppGpp)とグアノシン4リン酸(ppGpp)である。この二つの分子は機能的に大きな違いがないため、一般的に(p)ppGppと表記される。

(p)ppGppの合成にはRelAと呼ばれる酵素が関与していることが知られている。RelAはリボソーム上に存在し、アミノアシル化していないtRNAを介してアミノ酸の補給状態を監視している。すなわち、アミノ酸飢餓によってアミノアシル化していないtRNAが増加し、リボソームに結合すると、RelAタンパク質が活性化し、ATPとGDP/GTPから(p)ppGppが合成される。そして、合成された(p)ppGppはグローバルなレギュレーターとして転写、翻訳及びDNA複製に関連する多くの酵素の活性を制御する。大腸菌においては、(p)ppGpp を合成するRelA以外にSpoTという主に(p)ppGppを分解する酵素が存在し、この二つの酵素により細胞内の(p)ppGppの濃度がコントロールされることが知られている(非特許文献3)。





枯草菌では、従来、(p)ppGppの合成と分解の両方に関わるRelAの存在しか知られていなかったが、最近、Nanamiyaらは新たな(p)ppGpp合成酵素であるYwaC及びYjbMを発見した(非特許文献4)。従って、枯草菌においては、(p)ppGppの合成酵素YwaCとYjbM及び合成と分解の両方に機能するRelAの三つの酵素が存在することが分かった。しかし、これらの酵素がどのように連携して(p)ppGpp合成を調節し、緊縮応答におけるタンパク質合成等を制御しているのかについての詳しい機序は不明である。

産業上の利用分野



本発明は、有用なタンパク質又はポリペプチドの生産方法、及び当該生産方法に用いる組換え微生物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の遺伝子を欠失若しくは不活性化し、且つ目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入してなる組換えバチルス属細菌を培養し、得られた培養物から当該目的のタンパク質又はポリペプチドを採取することを特徴とする、タンパク質又はポリペプチドの生産方法:
枯草菌遺伝子relA又はこれと塩基配列において90%以上の同一性を有し、且つ緊縮応答関連機能を有する遺伝子、
枯草菌遺伝子ywaC又はこれと塩基配列において90%以上の同一性を有し、且つ緊縮応答関連機能を有する遺伝子、及び
枯草菌遺伝子yjbM又はこれと塩基配列において90%以上の同一性を有し、且つ緊縮応答関連機能を有する遺伝子。

【請求項2】
目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子の上流に転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌用シグナル領域からなる3領域を結合した請求項1記載の生産方法。

【請求項3】
分泌シグナル領域がバチルス属細菌のセルラーゼ遺伝子由来のものであり、転写開始制御領域及び翻訳開始制御領域が当該セルラーゼ遺伝子の開始コドンから始まる長さ0.6~1kbの上流領域由来のものである請求項記載の生産方法。

【請求項4】
転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌シグナル領域からなる3領域が、配列番号1で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1~659の塩基配列、配列番号3で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1~696の塩基配列又は当該塩基配列のいずれかと90%以上の同一性を有し、転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌シグナル領域としての機能を有する塩基配列からなるDNA断片である請求項2又は3記載の生産方法。

【請求項5】
バチルス属細菌が枯草菌である請求項1~4のいずれか1項記載の生産方法。

【請求項6】
目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子がセルラーゼ遺伝子である請求項1~5のいずれか1項に記載の生産方法。

【請求項7】
下記の遺伝子を欠失若しくは不活性化し、且つ目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子を導入してなる組換えバチルス属細菌
枯草菌遺伝子relA又はこれと塩基配列において90%以上の同一性を有し、且つ緊縮応答関連機能を有する遺伝子、
枯草菌遺伝子ywaC又はこれと塩基配列において90%以上の同一性を有し、且つ緊縮応答関連機能を有する遺伝子、及び
枯草菌遺伝子yjbM又はこれと塩基配列において90%以上の同一性を有し、且つ緊縮応答関連機能を有する遺伝子。

【請求項8】
目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子の上流に転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌用シグナル領域からなる3領域が結合された請求項記載の組換えバチルス属細菌

【請求項9】
分泌シグナル領域がバチルス属細菌のセルラーゼ遺伝子由来のものであり、転写開始制御領域及び翻訳開始制御領域が当該セルラーゼ遺伝子の開始コドンから始まる長さ0.6~1kbの上流領域由来のものである請求項8記載の組換えバチルス属細菌。

【請求項10】
転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌シグナル領域からなる3領域が、配列番号1で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1~659の塩基配列、配列番号3で示される塩基配列からなるセルラーゼ遺伝子の塩基番号1~696の塩基配列又は当該塩基配列のいずれかと90%以上の同一性を有し、転写開始制御領域、翻訳開始制御領域及び分泌シグナル領域としての機能を有する塩基配列からなるDNA断片である請求項8又は9記載の組換えバチルス属細菌。

【請求項11】
バチルス属細菌が枯草菌である請求項7~10のいずれか1項記載の組換えバチルス属細菌。

【請求項12】
目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子がセルラーゼ遺伝子である請求項7~11のいずれか1項に記載の組換えバチルス属細菌。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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