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ジンクフィンガーを用いた新規標識方法及び被検物質の測定方法

国内特許コード P110002337
整理番号 S2009-0636-N0
掲載日 2011年4月13日
出願番号 特願2009-059430
公開番号 特開2010-207181
登録番号 特許第5626673号
出願日 平成21年3月12日(2009.3.12)
公開日 平成22年9月24日(2010.9.24)
登録日 平成26年10月10日(2014.10.10)
発明者
  • 池袋 一典
  • 早出 広司
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 ジンクフィンガーを用いた新規標識方法及び被検物質の測定方法
発明の概要 【課題】ルシフェラーゼ等のような化学修飾法による直接標識法が適用困難な標識酵素に対しても好ましく適用可能であり、且つ標識操作も簡便で検出系構築の際の自由度が高い新規な標識方法、並びにこれを用いた被検物質測定方法を提供すること。
【解決手段】本発明のポリヌクレオチドの標識方法は、ジンクフィンガー領域を有する標識物質と、該ジンクフィンガー領域の認識部位を有するポリヌクレオチドとを接触させることにより、ジンクフィンガー領域とその認識部位との間の結合を介してポリヌクレオチドに標識物質を結合させることを含む。被検物質測定方法では、ジンクフィンガー領域の認識部位を含み被検物質に特異的に結合するポリヌクレオチドを用いる。該ポリヌクレオチドに標識物質と被検物質が結合して形成された複合体を分離し、該複合体中の標識物質からのシグナルを測定することにより、被検物質を測定できる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



核酸分子であるDNAに対する標識技術は、抗体に対する標識技術を基礎とし、DNAプローブと共に進歩してきた。DNAプローブは標的塩基配列に相補的に結合することで、標識を介してDNA断片を検出することを可能にする。DNAプローブは分子生物学や遺伝子工学の研究に無くてはならない技術として頻用されてきた(非特許文献1)。





一方、任意の分子と特異的に結合するオリゴヌクレオチドであるアプタマーが知られている。所望の標的分子と特異的に結合するアプタマーは、SELEX (Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment)と呼ばれる方法により作出可能である(非特許文献2)。この方法では、標的分子を担体に固定化し、これに膨大な種類のランダムな塩基配列を有する核酸から成る核酸ライブラリを添加し、標的分子に結合する核酸を回収し、これをPCRにより増幅して再び標的分子を固定化した担体に添加する。この工程を5~10回程度繰り返すことにより、標的分子に対して結合力の高いアプタマーを濃縮し、その塩基配列を決定して、標的分子を認識するアプタマーを取得することができる。この特異的結合性という特性から、標識したDNAアプタマーを用いれば、標的分子を特異的に検出することができる。





どちらの場合においても、最終的にはDNAの標識物を介して標的物の有無を識別する。標識物質としては、放射性同位元素が古くから用いられているが、放射性同位元素に替わる非放射性標識物質として、酵素が大いに利用されてきた。酵素は、放射性同位元素の種々の問題点を克服し、同程度あるいはそれ以上の感度を有する(非特許文献3)。酵素を用いた検出法としては、代謝産物の吸光や代謝時に発せられる化学発光、生物発光の検出法が用いられている。また近年では、検出法として迅速、簡便な蛍光法が多く用いられている。





ルシフェラーゼは、生物発光を触媒する代表的な酵素であり、レポーター遺伝子アッセイで頻用されている。ルシフェラーゼおよびその基質を有している生物が少ないことから、アルカリフォスファターゼやセイヨウワサビペルオキシダーゼなどの酵素と比較し、バックグラウンドが非常に低い。過剰量の補酵素-A(CoA)の存在下で、持続した発光による検出が可能であり、既に、この補酵素-Aを含む基質溶液が市販されている。さらに、種々のルシフェラーゼ変異体が報告されており、熱安定性の改良、および複数の波長の光を放出する変異体の構築がなされてきた。





ルシフェラーゼを標識酵素として用いる場合、化学修飾法による直接標識法は適していない。これは、ルシフェラーゼの活性中心付近で化学修飾が起こる確率が高く、ルシフェラーゼが活性を失ってしまうためである(非特許文献4)。このため、間接標識法が多く用いられ、ビオチン化ルシフェラーゼ、Protein A (SpA)融合ルシフェラーゼ、RNA結合タンパク質融合ルシフェラーゼ等が構築されてきた(非特許文献5~8)。





しかしながら、このようなルシフェラーゼ融合タンパク質を用いて標識を行なう場合には、標識する側の物質を予めビオチンや抗原等で修飾しておく必要があり、標識操作やコストが増える。また、標識仲介物が増えると非特異的吸着が増え、検出感度を低下させる要因となる。ルシフェラーゼ等の標識酵素をアプタマーの標識に活用できれば有利であるが、上記したルシフェラーゼ融合タンパク質をアプタマーの標識に応用した例は無く、標識酵素の活性を十分に保持した状態で好ましくアプタマーを酵素標識する方法は今までに報告がない。

産業上の利用分野



本発明は、ジンクフィンガーとその認識配列とを用いたポリヌクレオチドの標識方法、及び該標識方法を利用した被検物質の測定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ジンクフィンガー領域を有する標識物質と、該ジンクフィンガー領域の認識部位が導入され、所望の標的分子に特異的に結合するアプタマーとを接触させることにより、ジンクフィンガー領域とその認識部位との間の結合を介して前記アプタマーに標識物質を結合させることを含み、前記認識部位は、前記アプタマーの両末端のハイブリダイゼーションによる二本鎖部分に導入され、又は前記アプタマーのループ部分で該アプタマーを分断し、その分断部に付加することにより導入され、かつ、前記認識部位は、前記アプタマーの特異結合性を維持したまま該アプタマーに導入される、アプタマーの標識方法。

【請求項2】
前記標識物質が標識タンパク質であり、前記ジンクフィンガー領域を有する標識物質がジンクフィンガータンパク質と標識タンパク質との融合タンパク質である請求項1記載の標識方法。

【請求項3】
前記標識タンパク質が蛍光タンパク質又は酵素である請求項2記載の標識方法。

【請求項4】
被検物質を含み得る試料と、ジンクフィンガー領域を有する標識物質を含む被検物質結合性アプタマーの標識試薬と、該標識試薬中に含まれる前記ジンクフィンガー領域の導入された認識部位を含み前記被検物質に特異的に結合するアプタマーであって、前記認識部位が、前記アプタマーの両末端のハイブリダイゼーションによる二本鎖部分に導入され、又は前記アプタマーのループ部分で該アプタマーを分断し、その分断部に付加することにより導入されたアプタマーとを同時又は逐次的に接触させ、次いで、標識物質とアプタマーと被検物質とを含む複合体を分離後、該複合体中の標識物質からのシグナルを測定し、該シグナルを指標として被検物質を測定することを含む、試料中の被検物質の測定方法。

【請求項5】
固相上に固定化されたアプタマーであって、前記被検物質結合性アプタマーとは異なる部位において前記被検物質と特異的に結合する固相アプタマーを、前記試料、前記標識試薬及び前記被検物質結合性アプタマーと同時又は逐次的に接触させ、次いで、固相を洗浄することにより前記複合体を分離する請求項記載の測定方法。

【請求項6】
前記試料と前記標識試薬と前記被検物質結合性アプタマーとを同時又は逐次的に接触させ、次いで、前記固相アプタマーを接触させる請求項記載の測定方法。

【請求項7】
ジンクフィンガー領域を有する標識物質を含む、被検物質結合性アプタマーの標識試薬と、該標識試薬中に含まれる前記ジンクフィンガー領域の認識部位を含む測定すべき被検物質に特異的に結合する被検物質結合性アプタマーであって、該認識部位が、該アプタマーの両末端のハイブリダイゼーションによる二本鎖部分に導入され、又は該アプタマーのループ部分で該アプタマーを分断し、その分断部に付加することにより導入された被検物質結合性アプタマーとを含む、被検物質の測定キット。

【請求項8】
前記被検物質結合性アプタマーとは異なる部位において前記被検物質に特異的に結合する第2のアプタマーをさらに含む、請求項記載の測定キット。

【請求項9】
前記第2のアプタマーが固相に固定化されている請求項記載の測定キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009059430thum.jpg
出願権利状態 登録
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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