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ポリヌクレオチドの標識方法及び被検物質の測定方法

国内特許コード P110002338
整理番号 S2009-0637-N0
掲載日 2011年4月13日
出願番号 特願2009-059689
公開番号 特開2010-207189
登録番号 特許第5747260号
出願日 平成21年3月12日(2009.3.12)
公開日 平成22年9月24日(2010.9.24)
登録日 平成27年5月22日(2015.5.22)
発明者
  • 池袋 一典
  • 早出 広司
  • 高瀬 まどか
  • 阿部 公一
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 ポリヌクレオチドの標識方法及び被検物質の測定方法
発明の概要 【課題】標識酵素の活性を低下させることなく分子認識素子を酵素標識することができる新規な手段を提供すること。
【解決手段】本発明のポリヌクレオチドの標識方法は、標識物質と、該標識物質に特異的に結合する標識結合性アプタマー領域を含むポリヌクレオチドとを接触させることにより、該アプタマー領域を介して標識物質をポリヌクレオチドに結合させることを含む。該標識方法を利用した本発明の被検物質測定方法は、標識物質と、該標識物質に特異的に結合する標識結合性アプタマー領域及び被検物質に特異的に結合する被検物質結合性アプタマー領域を含むポリヌクレオチドと、被検物質を含み得る試料とを接触させ、次いで、前記標識物質及び前記被検物質を結合した前記ポリヌクレオチド中の該標識物質の活性を測定することを含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


血液中のバイオマーカーの検出は、疾患の早期発見や診断において非常に重要である。バイオマーカーにより求められる検出範囲は異なるが、例えば腫瘍マーカーの場合、多くの重要なマーカータンパク質(CRP, VEGF等)はpMレベルの検出限界が求められる。こういった血液中に微量にしか存在しないバイオマーカーを高感度に検出するためには、シグナルの増幅が必須である。



シグナルの増幅のためには酵素等の標識物質が用いられている。現在バイオマーカーの検出に多用されているELISA法も酵素によるシグナル増幅を行っており、アルカリフォスファターゼやセイヨウワサビペルオキシダーゼ等の発色反応を触媒する酵素が主に用いられている。また、血糖を電気化学的に検出するグルコースセンサーでは、グルコースオキシダーゼやピロロキノリンキノングルコースデヒドロゲナーゼ等の酸化還元酵素が用いられている。



ピロロキノリンキノングルコースデヒドロゲナーゼ(PQQGDH)は、グルコースに対する触媒活性がおよそ5000U/mgと非常に高く、溶存酸素の影響を受けない、また、補酵素との結合が安定であり、EDTA耐性を示すといった利点を持つ。既に確立しているグルコースセンサーのセンシングシステムを利用できるという利点もあり、既存の酵素の中ではセンシング素子として非常に有効な酵素であると考えられる。



現在の主な酵素の固定化方法には、吸着法、包括法、架橋法、共有結合法の4種類がある。吸着法は、酵素活性が保てる場合が多いが、はがれ易いという欠点がある。また、包括法もよく用いられているが、やはり酵素の漏出が多い。一方、共有結合法、架橋法は強く固定化ができるもの、酵素が失活して活性がなくなってしまうという問題がある。そこで、昔から酵素に対する抗体を使って酵素を固定化できないかという試みが行われてきた。しかし、現在までに、抗体を使って酵素活性を保持したまま酵素を固定化できたという報告はない。



一方、任意の分子と特異的に結合するオリゴヌクレオチドであるアプタマーが知られている。所望の標的分子と特異的に結合するアプタマーは、SELEX (Systematic Evolution of Ligands by EXponential Enrichment)と呼ばれる方法により作出可能である(非特許文献1)。この方法では、標的分子を担体に固定化し、これに膨大な種類のランダムな塩基配列を有する核酸から成る核酸ライブラリを添加し、標的分子に結合する核酸を回収し、これをPCRにより増幅して再び標的分子を固定化した担体に添加する。この工程を5~10回程度繰り返すことにより、標的分子に対して結合力の高いアプタマーを濃縮し、その塩基配列を決定して、標的分子を認識するアプタマーを取得することができる。



この特異的結合性という特性から、アプタマーは分子認識素子としての利用が期待されている。酵素等で標識したDNAアプタマーを用いれば、標的分子を特異的に検出することができる。しかしながら、上記したように、現在用いられている酵素固定化法は、強固な固定化と標識酵素の活性保持とを両立するのが困難である。酵素の活性を低下させずに、酵素を分子認識素子に結合させる方法が求められている。

産業上の利用分野


本発明は、アプタマーを介して標識物質をポリヌクレオチドに結合させる新規なポリヌクレオチドの標識方法及び該標識方法を利用した被検物質の測定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
標識物質と、該標識物質に特異的に結合する標識結合性アプタマー領域を含むポリヌクレオチドとを接触させることにより、該アプタマー領域を介して標識物質をポリヌクレオチドに結合させることを含み、前記標識物質が酵素であり、前記標識結合性アプタマー領域は、該酵素の酵素活性を保持した状態で該酵素を結合でき、前記ポリヌクレオチドが所望の標的分子に特異的に結合するアプタマーである、ポリヌクレオチドの標識方法。

【請求項2】
前記酵素がピロロキノリンキノングルコースデヒドロゲナーゼである請求項記載の標識方法。

【請求項3】
標識物質と、該標識物質に特異的に結合する標識結合性アプタマー領域及び被検物質に特異的に結合する被検物質結合性アプタマー領域を含むポリヌクレオチドと、被検物質を含み得る試料とを接触させ、次いで、前記標識物質及び前記被検物質を結合した前記ポリヌクレオチド中の該標識物質の活性を測定することを含み、前記標識物質が酵素であり、前記標識結合性アプタマー領域は、該酵素の酵素活性を保持した状態で該酵素を結合できる、試料中の被検物質の測定方法。

【請求項4】
前記ポリヌクレオチドは、被検物質が存在しない状態では前記標識結合性アプタマー領域への標識物質の結合が阻害されるが、被検物質が存在する状態では前記標識結合性アプタマー領域に標識物質が結合できるポリヌクレオチドである請求項記載の測定方法。

【請求項5】
前記ポリヌクレオチドは、該ポリヌクレオチド分子内でハイブリダイズして二本鎖形成可能な二本鎖形成領域をさらに含み、被検物質が存在しない状態では該二本鎖形成領域が二本鎖を形成して前記標識物質の標識結合性アプタマー領域への結合が阻害される請求項記載の測定方法。

【請求項6】
前記二本鎖形成領域は、前記いずれかのアプタマー領域内の部分配列とその相補配列とを含む請求項記載の測定方法。

【請求項7】
前記二本鎖形成領域は、前記標識結合性アプタマー領域内の部分配列とその相補配列を含む請求項記載の測定方法。

【請求項8】
前記二本鎖形成領域は、前記標識結合性アプタマー領域内の部分配列とその相補配列とからなる請求項記載の測定方法。

【請求項9】
前記ポリヌクレオチドが固相に固定化されており、前記標識物質と、前記ポリヌクレオチドと、前記試料とを接触させ、次いで固相を洗浄し、該固相上に捕捉された標識物質の活性を測定する請求項ないしのいずれか1項に記載の測定方法。

【請求項10】
前記標識物質が酵素である請求項ないしのいずれか1項に記載の測定方法。

【請求項11】
前記酵素がピロロキノリンキノングルコースデヒドロゲナーゼである請求項10記載の測定方法。

【請求項12】
標識物質に特異的に結合する標識結合性アプタマー領域及び被検物質に特異的に結合する被検物質結合性アプタマー領域を含むポリヌクレオチドを含み、前記標識物質が酵素であり、前記標識結合性アプタマー領域は、該酵素の酵素活性を保持した状態で該酵素を結合できる、被検物質の測定試薬。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009059689thum.jpg
出願権利状態 登録
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