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プロトン伝導性膜およびその製造方法、電気化学セル

国内特許コード P110002375
整理番号 S2009-0530-N0
掲載日 2011年4月14日
出願番号 特願2009-063776
公開番号 特開2010-218859
登録番号 特許第5366131号
出願日 平成21年3月17日(2009.3.17)
公開日 平成22年9月30日(2010.9.30)
登録日 平成25年9月20日(2013.9.20)
発明者
  • 幅崎 浩樹
  • 青木 芳尚
  • ダミアン コバルスキー
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 プロトン伝導性膜およびその製造方法、電気化学セル
発明の概要 【課題】200℃程度でも高いプロトン伝導性を有し、厚さを数十~数百nmの範囲にすることができ、かつこの範囲の厚みであってもガスリークがないアモルファス酸化膜、及びこれを用いた電気化学セルを提供する。
【解決手段】アモルファス構造を有するタングステン酸化物系複合酸化物からなり、かつプロトン伝導性を示すプロトン伝導性膜であり、タングステン系合金の部材の少なくとも一部をアノード酸化して、アノード酸化用の電解液と接する表面にアモルファス構造を有するタングステン酸化物系複合酸化物層を形成し、形成した酸化物層からプロトン伝導性膜が製造される。さらに、プロトン伝導性電解質として、上記のプロトン伝導性膜を用い、アノード、カソードと積層することにより電気化学セルを構成する。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要


イオン伝導体は、電池、センサー、燃料電池等の電気化学セルに利用されている。燃料電池の電解質膜となるイオン伝導体としては、100℃以下で使われる固体高分子形燃料電池用のプロトン伝導性高分子膜、および800~1000℃で使われる固体酸化物形燃料電池の酸化物イオン伝導性酸化物膜が代表的である。



前者の燃料電池では、白金などの貴金属が電極触媒として不可欠であり、後者では燃料電池システム全体に高い耐熱性が要求され、低コストを阻む要因となっている。低コストな燃料電池として、200~600℃で作動する燃料電池の開発が必要とされている[非特許文献1]。この実現にはこの温度域で高いプロトン伝導性を有し、安定なイオン伝導体が必要となる。



300℃以上で燃料電池の電解質として使えるイオン伝導体としてBaCeO3系ペロブスカイト型酸化物が提案されている[たとえば、特許文献1]。必要な電解質膜のイオン伝導性を確保する方法として電解質膜の薄膜化がある。



従来の固体酸化物形燃料電池の電解質膜の膜厚は数10~100μmであり、これを100nmあるいはそれ以下にまで薄膜化できれば、それだけで2、3桁の膜抵抗の低減となる。100nm以下の膜厚でガスリークのない無欠陥な薄膜を作製することは容易ではない。アモルファス酸化膜は結晶性酸化膜でポア等の生じやすい結晶粒界等を含まず、ガスリークをない薄膜作製に有利である。既に非特許文献2において、プロトン伝導性アモルファスシリケート膜が報告されている。

産業上の利用分野


本発明は、プロトン伝導性膜およびその製造方法、並びに電気化学セルに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アモルファス構造を有するタングステン酸化物系複合酸化物からなり、かつプロトン伝導性を示す膜である、プロトン伝導性膜。

【請求項2】
前記タングステン酸化物系複合酸化物が、ZrO2-WO3系複合酸化物、TiO2-WO3系複合酸化物、HfO2-WO3系複合酸化物、Nb25-WO3系複合酸化物、Ta25-WO3系複合酸化物から選ばれる請求項1に記載のプロトン伝導性膜。

【請求項3】
前記プロトン伝導性は、プロトン伝導率が10-4~10-6/Scm-1の範囲である請求項1または2のいずれかに記載のプロトン伝導性膜。

【請求項4】
前記膜は、実質的にピンホールを有さない膜である請求項1~3のいずれかに記載のプロトン伝導性膜。

【請求項5】
膜厚が20~200nmの範囲である請求項1~4のいずれかに記載のプロトン伝導性膜。

【請求項6】
タングステン系合金の部材の少なくとも一部をアノード酸化して、アノード酸化用の電解液と接する表面にアモルファス構造を有するタングステン酸化物系複合酸化物層を形成し、形成した酸化物層から請求項1~5のいずれかに記載のプロトン伝導性膜を得る、プロトン伝導性膜の製造方法。

【請求項7】
タングステン系合金の部材が基板表面に設けられたものであり、タングステン系合金の部材の全量をアノード酸化することを含む、請求項6に記載の製造方法。

【請求項8】
タングステン系合金の部材は、基板表面にスパッタリング法により層として設けられる請求項7に記載の製造方法。

【請求項9】
基板が、電気化学セルのカソードもしくはアノードとして用いられるものである、請求項7または8に記載の製造方法。

【請求項10】
アノード酸化の後に、アモルファス構造を有するタングステン酸化物系複合酸化物層の表面を物理的もしくは化学的に研磨またはエッチングして、複合酸化物層の膜厚を調整する請求項7~9のいずれかに記載の製造方法。

【請求項11】
形成した酸化物層の下層のタングステン系合金部分を除去して、プロトン伝導性膜を得る請求項6に記載の製造方法。

【請求項12】
アノード酸化の後であって、タングステン系合金部分の除去の前または後に、アモルファス構造を有するタングステン酸化物系複合酸化物層の表面を研磨またはエッチングして、複合酸化物の膜厚を調整する請求項11に記載の製造方法。

【請求項13】
アノード、プロトン伝導性電解質およびカソードが積層された電気化学セルであって、前記プロトン伝導性電解質が、請求項1~5のいずれかに記載のプロトン伝導性膜である、前記電気化学セル。

【請求項14】
前記アノードは、水素透過性を有する水素分離膜である請求項13に記載の電気化学セル。

【請求項15】
前記電気化学セルは、少なくとも200~600℃の温度域で作動する請求項13または14に記載の電気化学セル。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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