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緑膿菌の薬剤排出ポンプの機能を阻害する方法及び薬剤 外国出願あり

国内特許コード P110002454
掲載日 2011年4月21日
出願番号 特願2007-557763
登録番号 特許第5314286号
出願日 平成19年2月9日(2007.2.9)
登録日 平成25年7月12日(2013.7.12)
国際出願番号 JP2007000072
国際公開番号 WO2007091395
国際出願日 平成19年2月9日(2007.2.9)
国際公開日 平成19年8月16日(2007.8.16)
優先権データ
  • 特願2006-033522 (2006.2.10) JP
発明者
  • 良原 栄策
  • 猪子 英俊
出願人
  • 学校法人東海大学
発明の名称 緑膿菌の薬剤排出ポンプの機能を阻害する方法及び薬剤 外国出願あり
発明の概要

本発明は、緑膿菌の薬剤排出ポンプの機能を効率的に阻害できる方法並びに薬剤を提供することを目的とする。本発明は、成熟OprMタンパク質のアミノ酸配列における第100番目から第109番目のいずれか、あるいは第311番目から第320番目のアミノ酸のいずれかを改変することからなる緑膿菌の薬剤排出ポンプ機能を阻害する方法を提供する。また本発明は、前記阻害作用を有する薬剤及びその薬剤をスクリーニングする方法も提供する。

従来技術、競合技術の概要


緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とともに院内感染症の主要起因菌であり、これらの菌は多剤耐性を示すために感染症の治療が難しく大きな問題となっている。この菌の薬剤耐性獲得に大きく貢献しているのが薬剤排出ポンプである。このポンプは、菌内部に入った薬剤をエネルギーを使って積極的に細胞外に輸送、排出する。緑膿菌が具備する薬剤排出ポンプは、構造が異なる種々の抗生剤を排出する機能を有するため、緑膿菌の多剤耐性化が起こる。



緑膿菌はグラム陰性菌で内膜と外膜の二つの膜とを備えているので、薬剤を細胞外に排出するにはこの二つの膜を介して薬剤を能動的に輸送することが必要である。
薬剤排出ポンプは幾つかのファミリーに分類され、それらの中で、様々な抗生剤を排出することが知られているRND(resistance nodulation division)ファミリーのポンプは3種類のサブユニットから構成されている。緑膿菌には複数のRND型ポンプが存在するが、そのうちで主要なポンプはMexAB-OprMポンプである。



図1に模式的に示すように、MexAB-OprMポンプは、薬剤トランスポーターとして働くMexBが内膜にあり、薬剤透過孔を形成するOprMが外膜にあり、内膜と外膜とを結合するMexAがペリプラズムに存在する複合体を形成している。この複合体を介して、細胞内の薬剤が直接細胞外に排出される。



MexAB-OprMポンプを構成するタンパク質のアミノ酸配列は既に決定されており、その立体構造もX線解析等の手法を用いて研究されている(非特許文献1)。また、そのポンプ機能を阻害して抗生剤の薬効を増強する試みも行われている。例えば、特許文献1では、ポンプ機能を阻害すると考えられる化合物類の立体構造と阻害機能との相関から予測されるファーマコフォアを特定し、当該ファーマコフォアの条件に合致する化合物類を合成することが行われている。しかしながら、このような方法は、ポンプ機能を阻害する化合物を同定するために莫大な数の化合物類をスクリーニングする必要があり実用的ではない。




【非特許文献1】Hiroyuki Akama等, J. Biological Chemistry, Vol.279, 52816-52819 (2004)

【特許文献1】特開2002-128768

産業上の利用分野


本発明は、多剤耐性緑膿菌の薬剤排出ポンプの機能を阻害する方法に関する。特に本発明は、薬剤排出ポンプを構成するサブユニットであるOprMのアミノ酸配列を改変することにより、緑膿菌の薬剤排出ポンプ機能を阻害し、抗生剤の薬効を増強する方法に関する。さらに本発明は、前記の効果を奏する薬剤並びに当該薬剤をスクリーニングする方法にも関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
成熟OprMタンパク質のアミノ酸配列における、第311番目、第312番目、第315番目、第317番目、第318番目、第319番目、及び第320番目のアミノ酸のいずれかをシステインで置換することからなる、緑膿菌の薬剤排出ポンプ機能を阻害する方法。

【請求項2】
成熟OprMタンパク質のアミノ酸配列における第311番目及び/又は第318番目のアミノ酸をシステインで置換することからなる、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
成熟OprMタンパク質アミノ酸配列における第311番目から第320番目のアミノ酸に特異的に結合する抗体又はそのFc領域を欠く断片を含む、緑膿菌の薬剤排出ポンプ機能を阻害する薬剤。

【請求項4】
前記抗体が、成熟OprMタンパク質アミノ酸配列における第311番目及び/又は第318番目のアミノ酸を含む配列に特異的に結合することを特徴とする請求項3に記載の薬剤。

【請求項5】
請求項3又は4に記載の薬剤と抗生剤とを含有する緑膿菌による感染症の治療薬。

【請求項6】
被験物質と配列番号:2のアミノ酸配列を含むポリペプチドとを接触させ、当該ポリペプチドと相互作用をする被験物質を検出し、次いで、相互作用が確認された被験物質について薬剤排出ポンプ機能に対する作用を確認することを含む、緑膿菌の薬剤排出ポンプ機能を阻害する薬剤のスクリーニング方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 微生物工業
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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