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スペクトル位相補償方法及びスペクトル位相補償装置 コモンズ

国内特許コード P110002476
掲載日 2011年4月26日
出願番号 特願2009-012229
公開番号 特開2010-171194
登録番号 特許第5354653号
出願日 平成21年1月22日(2009.1.22)
公開日 平成22年8月5日(2010.8.5)
登録日 平成25年9月6日(2013.9.6)
発明者
  • 鈴木 隆行
  • 桂川 眞幸
出願人
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 スペクトル位相補償方法及びスペクトル位相補償装置 コモンズ
発明の概要

【課題】 繰り返し周波数の高い超短光パルスの生成のためのスペクトル位相の補償を安価で単純な装置で行う。
【解決手段】 それぞれくさび形の断面形状を有し、互いに斜面21A,21Bを対向させて配され、少なくとも一方の光学素子が斜面に沿って移動することにより、互いに平行な入射面21Aと出射面21Bとの距離が可変自在とされ、隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さに調整される厚さtが調整自在な平行平板部21を形成する正分散媒質からなる1対の光学素子21A,21Bを有するスペクトル位相補償装置20により、 広帯域光Lwのスペクトルの位相補償を行う。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要


近年のレーザ技術の発展に伴い、100フェムト秒(10-15秒)以下のパルス幅を有する超短パルスレーザを容易に利用することが可能となり、このテラヘルツ領域の技術開発が急速に進展している。



フェムト秒光パルスは、非線形光学応答を利用した非破壊、非侵襲の物質測定、ガラスや金属や半導体の超精細加工、細胞の切削や操作などに利用できるだけでなく、光の干渉性を利用して物体内部を撮像するOCT(Optical Coherence Tomography)や多光子顕微鏡の光源、X線に代わる検査用電磁波となる波長30μm~3nmのテラヘルツ波発生装置などへの応用が期待されている。



フェムト秒光パルスの発生は、時間幅が広がった光パルスのスペクトル成分間の相対位相を制御して、フーリエ変換限界程度に時間幅を圧縮する技術である。光パルスの時間軸上の拡がりは、光パルスのスペクトル成分間の相対位相関係によって生ずるので、周波数に対して相対位相を補償することによって、すなわちチャープさせてパルス圧縮が行われる。線形チャープは、光の伝搬定数が、一定の群速度分散を有する場合、すなわち、周波数の2乗依存性を有する場合に生じることから、二次分散とも呼ばれる。



フェムト秒光パルスの時間幅をさらに狭くする要求が高まっているが、光パルスの時間幅を狭めると、それに対応して周波数スペクトル幅が拡大するので、拡大した周波数スペクトルの成分間全てにチャープを消すことが必要になり、従来よりも広い周波数範囲にわたって、広くチャープを補償することが必要になる。



ここで、周波数チャープとは、光パルスの瞬時周波数が時間的に変化する現象であり、時間とともに線形に増加する場合を正チャープ、線形に減少する場合を負チャープと呼ぶ。



従来の一般的な超短光パルスの生成方法としては、図11に示すように、広帯域光源の発生する光パルス(広帯域光)Lwのコヒーレントで広いスペクトルとそのスペクトルの位相をスペクトル成分毎に位相補償して合波することにより超短光パルスLxを生成する手法が一般的な超短光パルスの生成方法として、広く知られている。



ここで、広帯域光源の発生する光パルス(広帯域光)Lwを図11の(A)に示し、その各スペクトル成分を図11の(B)を示し、スペクトル成分毎に位相補償した各スペクトル成分を図11の(C)に示し、生成した超短光パルスLxを図11の(D)に示す。



このように、超短光パルスの生成には、広帯域化だけでなく、相対位相を調整(分散補償)する必要がある。



そして、現実の透過媒質がほぼすべて正常分散媒質であることから、広帯域光源により、例えば図12の(A)に示すように、各スペクトル成分の位相が一定の広帯域光Lw0が得られたとしても、実際に使用される広帯域光Lwには、図12の(B)に示すように、上記広帯域光原の状態やその後の透過媒質の材料や量に応じた正分散が存在するので、図12の(C)に示すように、広帯域光Lwのスペクトルの相対位相を調整(分散補償)するための負分散の実現が主要なテーマとなっていた。従来、プリズム対や回折格子対、さらには負分散ミラーなどにより、分散補償を行っていた。

産業上の利用分野


本発明は、繰り返し周波数の高い超短光パルスの生成のためのスペクトル位相の補償を行うスペクトル位相補償方法及びスペクトル位相補償装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さの正分散媒質からなる平行平板を透過させることにより、広帯域光から繰り返し周波数の高い超短光パルスの生成のためのスペクトル位相の補償を行うことを特徴とするスペクトル位相補償方法。

【請求項2】
隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さの正分散媒質からなり、広帯域光が入射される平行平板を備え、
上記平行平板を透過させることにより、広帯域光から繰り返し周波数の高い超短光パルスの生成のためのスペクトル位相の補償を行うことを特徴とするスペクトル位相補償装置。

【請求項3】
それぞれくさび形の断面形状を有し、互いに斜面を対向させて配され、少なくとも一方の光学素子が斜面に沿って移動することにより、互いに平行な入射面と出射面との距離が可変自在とされた正分散媒質からなる1対の光学素子により、隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さに調整された平行平板部を形成し、
上記平行平板部を透過させることにより、広帯域光から繰り返し周波数の高い超短光パルスの生成のためのスペクトル位相の補償を行うことを特徴とするスペクトル位相補償方法。

【請求項4】
上記平行平板部の厚さを、入射される広帯域光に存在する2次分散を打ち消して、隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さに調整することを特徴とする請求項3記載のスペクトル位相補償方法。

【請求項5】
それぞれくさび形の断面形状を有し、互いに斜面を対向させて配され、少なくとも一方の光学素子が斜面に沿って移動することにより、互いに平行な入射面と出射面との距離が可変自在とされ、隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さに調整される厚さが調整自在な平行平板部を形成する正分散媒質からなる1対の光学素子を有し、
上記平行平板部を透過させることにより、広帯域光から繰り返し周波数の高い超短光パルスの生成のためのスペクトル位相の補償を行うことを特徴とするスペクトル位相補償装置。

【請求項6】
上記平行平板部は、入射される広帯域光に存在する2次分散を打ち消して、隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さに調整されることを特徴とする請求項5記載のスペクトル位相補償装置。

【請求項7】
それぞれくさび形の断面形状を有し、互いに斜面を対向させて配され、少なくとも一方の光学素子が斜面に沿って移動することにより、互いに平行な入射面と出射面との距離が可変自在とされた正分散媒質からなる1対の光学素子により形成される厚さが調整自在な平行平板部に広帯域光を入射し、
上記平行平板部を透過した光を検出し、その検出出力に基づいて上記1対の光学素子の少なくとも一方の光学素子が斜面に沿って移動させる駆動部を動作させ、上記平行平板部の厚さを隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さに制御し、
上記平行平板部を透過させることにより、上記広帯域光から繰り返し周波数の高い超短光パルスの生成のためのスペクトル位相の補償を行うことを特徴とするスペクトル位相補償方法。

【請求項8】
それぞれくさび形の断面形状を有し、互いに斜面を対向させて配され、少なくとも一方の光学素子が斜面に沿って移動することにより、互いに平行な入射面と出射面との距離が可変自在とされ、隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さに調整される厚さが調整自在な平行平板部を形成する正分散媒質からなる1対の光学素子と、
上記1対の光学素子の少なくとも一方の光学素子が斜面に沿って移動させる駆動部と、
上記平行平板部を透過した光を検出し、その検出出力に基づいて上記駆動部を動作させ、上記平行平板部の厚さを隣り合うスペクトルの位相差を2πの整数倍とする厚さに制御する制御部と
を備え、
上記平行平板部を透過させることにより、広帯域光から繰り返し周波数の高い超短光パルスの生成のためのスペクトル位相の補償を行うことを特徴とするスペクトル位相補償装置。
産業区分
  • 固体素子
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009012229thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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