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シアン解毒剤 新技術説明会

国内特許コード P110002499
整理番号 S2010-0991-N0
掲載日 2011年4月27日
出願番号 特願2010-157599
公開番号 特開2012-020940
登録番号 特許第5619500号
出願日 平成22年7月12日(2010.7.12)
公開日 平成24年2月2日(2012.2.2)
登録日 平成26年9月26日(2014.9.26)
発明者
  • 加納 航治
  • 北岸 宏亮
  • 渡辺 賢司
  • 川口 章
  • 猪口 貞樹
  • 斉藤 剛
  • 山際 武志
出願人
  • 学校法人同志社
  • 学校法人東海大学
発明の名称 シアン解毒剤 新技術説明会
発明の概要 【課題】シアン中毒患者が、一酸化炭素中毒や呼吸困難を併発した状態でも、シアンイオンを体外に排出できるシアン解毒剤を提供する。
【解決手段】この発明のシアン解毒剤は、下記の化学式(1)で示されるシクロデキストリン二量体が、水溶性金属ポルフィリンを包接してなる包接錯体を有効成分として含有するものである。



(式中、mは1又は2の何れかの数字を表し、nは1、2又は3の何れかの数字を表す。)
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



シアン化水素(青酸ガス、HCN)、シアン化カリウム(青酸カリ、KCN)、シアン化ナトリウム(青酸ソーダ、NaCN)などのシアン化合物は、冶金やメッキ、化学薬品の材料に使用されている。これらシアン化合物が、自殺、他殺目的など故意、あるいは事故によって、経口、経皮、経気道により体内に入ると、シアン中毒を引き起こす。シアン中毒は、全身の臓器が急激に損なわれ、とくに脳組織の障害が深刻であることから一刻も早い処置が求められている。





なお、シアン中毒のメカニズムは、シアンイオン(CN-)がミトコンドリア内の呼吸鎖を担うシトクロムcオキシダーゼの鉄イオンと強く結合して、この酵素のはたらきを妨げ、細胞内呼吸が阻害されることが原因であると考えられているが、その詳細は不明である。





さて、従来からある代表的なシアン中毒の代表的な解毒法としては、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)/チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)を使用する方法が挙げられる。この方法は、具体的には次のようにして行なう。まず、亜硝酸ナトリウムを静脈内投与して、血中の還元型鉄(II)ヘモグロビン(FePIIHb)を酸化型鉄(III)ヘモグロビン(FePIIIHb)に部分酸化し、シトクロムcオキシダーゼに結合したシアンイオン及び遊離シアンイオンとFePIIIHbとを錯形成させ、シアン配位鉄(III)ヘモグロビン(cyano-FePIIIHb)を生成する。つぎに、チオ硫酸ナトリウムを静脈内投与して、cyano-FePIIIHbのシアンイオンをヘム鉄と親和性の低いチオシアン酸イオン(SCN-)に変えてHbから離脱させ、チオシアン酸イオンを尿中に溶解・体外に排出させる。





しかし、この方法では亜硝酸ナトリウムを使用してFePIIIHbを形成しているため、火災現場などで、シアン中毒患者が一酸化炭素中毒や呼吸困難を併発している場合には、脳組織等への酸素供給不足が引き起こされる可能性が指摘されている。





一方、発明者らは、環状オリゴ糖の一種であるβ-シクロデキストリンをパーメチル化し、ピリジンを有するリンカーで連結したシクロデキストリン二量体と水溶性鉄ポルフィリンから成る超分子錯体(hemoCD)が、生体内の酸素結合タンパク質であるHbと同様に、水中で酸素分子を可逆的に吸脱着できることを報告している(特許文献1、非特許文献1~3を参照)。また、発明者らは、hemoCD及びその誘導体は、酸素分子のみならず一酸化炭素(CO)とも結合し、Hbの良好なモデル化合物であることについても報告している(非特許文献4、5を参照。)。そして、これらの研究から、発明者らは、鉄(III)のhemoCD(FePIIIhemoCD)もシアンイオンや遊離シアンイオンと錯形成すると考え、FePIIIhemoCDをシアン解毒剤として使用することについて検討した。





しかし、検討の結果、鉄(II)ミオグロビン(FePIIMb)及び鉄(II)ヘモグロビン(FePIIHb)とシアンイオンとの結合速度と同様に、FePIIIhemoCDとシアンイオンとの結合速度は著しく遅く、hemoCDをシアン解毒剤として使用することは実用的でないことが分かった(非特許文献6を参照)。





また、ラットにFePIIIhemoCDで静脈内投与すると、FePIIIhemoCDが体内で何らかの還元酵素により鉄(II)へと還元されたのち、一酸化炭素が配位した鉄(II)hemoCD(CO-FePIIhemoCD)として尿中へと排出されることが報告されている(非特許文献5参照)。 そのため、シアン解毒剤として、FePIIIhemoCDを使用しても、シアン中毒患者が一酸化炭素中毒や呼吸困難を併発している場合には、体内でFePIIIhemoCDが自動還元され、シアン排出能力が低下、消去する可能性が指摘されている。

産業上の利用分野



この発明は、シアン解毒剤に関し、特にシクロデキストリン二量体とポルフィリン錯体とを利用するシアン解毒剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の化学式(1)で示されるシクロデキストリン二量体が、水溶性金属ポルフィリンを包接してなる包接錯体を有効成分として含有するシアン解毒剤。
【化1】


(式中、mは1又は2の何れかの数字を表し、nは1、2又は3の何れかの数字を表す。)

【請求項2】
m=1、かつn=2である請求項1に記載のシアン解毒剤。

【請求項3】
水溶性金属ポルフィリンが、下記の化学式(2)又は(3)で示される請求項1又は請求項2に記載のシアン解毒剤。
【化2】


【化3】


(式中、R1及びR2は、それぞれカルボキシル基、スルホニル基、水酸基の何れかを表し、MはFe3+又はCo3+の何れかを表す。)

【請求項4】
水溶性金属ポルフィリンが、5,10,15,20-テトラキス(4-スルホナトフェニル)ポルフィリン(III)鉄錯体である請求項3に記載のシアン解毒剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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